おしゃべり 喬太郎、昇太 + 円丈
柳家喬太郎 『純情日記 横浜編』
春風亭昇太 『空に願いを』
〜 仲入り 〜
三遊亭円丈 『夢一夜』
開演前に残念なことに前方客席でトラブル。何があったか知らないが客席で大声を上げるのは酔狂というか野暮というもの。こうしたことはライブ会場でたまにあるが、そのほとんどは自己主張というか我が強いオタク系と年配の客の間に起きるみたいだ。嘆かわしい限りである。世間の殺伐とした風潮がこんなところにも来ているかと思うのは少し考え過ぎだろうか。こんなこともあってか冒頭の「おしゃべり」で昇太師匠と喬太郎師匠は何気に「けんかはダメよ」とうまく言聞かせる。これには場内拍手喝采。
さて、今回の出演者は新作落語の名手たち。学生落語験者である昇太と喬太郎は円丈師匠の新作を聞かなかったら、落語を続けなかったと円丈を持ち上げる。しかし、2人は師匠に弟子入りすることなく昇太は春風亭柳昇師匠に、喬太郎は柳家さん喬師匠に弟子入りする。そして、共に古典落語をみっちり勉強した上で新作落語の道を歩み始める。円丈にしても師匠は三遊亭円生であるから、新作落語の名人たちの基礎はやはり古典にありなのであろう。
トップバッターは喬太郎。地元横浜を題材にした80年代の話。八つぁん熊さん的な掛け合いや、道中巡りを入れるなど古典落語を現代風にアレンジしていて、しっかりと聞かせる。特に道中巡りに出てくる横浜の地名は個人的にも親しみがあり楽しい。また恋物語の表現も80年代の胸キュンドラマのようで、これまた懐かしくもあり楽しかった。
仲入り後に円丈が登場。こちらは2人の若手(といっても共に50代)に比べてキレや勢いが衰えていたのが少々残念。ただ、今後も新作落語の雄として頑張ってもらいたい。
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