プロ野球の日本生命セ・パ交流戦は雨で流れた1試合を残すだけとなり、パ79勝セ60勝4引で、パリーグの圧勝で終えようとしている。昨年こそパ67勝セ66勝11引と互角の勝負をしたセリーグだったが、これではまた元の黙阿弥で、もはや「セ・パ交流戦」ではなく「パ・セ格差戦」である。
今回の交流戦期間中にはコミッショナーおよびNPB事務局長らによるボールの隠蔽工作という「不祥事」が発覚したにもかかわらず、選手はひたむきにプレイをした。しかし、結果は下記のようにすべての面においてパの圧勝である。
得点 失点 打率 防御率 本塁打数
パ 594 498 .268 3.14 130
セ 498 594 .244 3.86 98
このなかで、やはり注目すべきは“飛ぶボール”になった影響がでる本塁打数である。パ6球団でチーム本塁打数が20本を上回らなかったのは西武だけだったが、セで20本を上回ったのはヤクルトの21本だけだった。ただし、その内容があまりにも偏っている。というのも、21本のうち17本は本拠地神宮で、パの球場で打ったのはたった4本だけだった。これでは神宮球場がいかに狭く本塁打が出やすいかを物語っているのではないだろうか。
また、交流戦前38試合で本塁打を44本打っていた巨人も、交流戦24試合では17本と明らかに減少した。このことは、パリーグの投手が優秀であるからと同時に、パリーグの球場が広くてホームランを打てないということを物語っている。ちなみに、巨人がパの球場で打った本塁打は5本だけだった。このように、本塁打だけをみても「パ・セ格差」は顕著であり、このことをセリーグ6球団は危機意識をもって認識すべきであろう。
とにかくセ・パ交流戦を観ていると、その姿勢がリーグによって違うように思えた。パリーグのチームは常に前を向いて野球をしようと心がけているというか、向上心に満ちている。ところが、セリーグのチームはどことなく現状に満足してプレイをしているようにしか思えない。これはひとえに巨人と阪神という人気チームが抱えているからであろう。そのことは、それを肯定しているファンの存在にも問題があるからではないだろうか。このことについてはいずれまた書きたいと思う。
Yahooスポーツの交流戦データ
http://baseball.yahoo.co.jp/npb/standings/26/
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