水曜日, 3月 30, 2022

ウクライナ支援募金は戦争に肯定的? アホか!

ウクライナ支援の募金をすることが戦争に肯定的なんだという変な風潮がある。

私は以前よりたまに寄付をしている「ユニセフ」と「国境なき医師団」のウクライナ支援基金に寄付をした。これは人道支援と医療支援であって、軍事支援のためではありません。

ご存じの通り、ウクライナからの難民は数百万人にも上り、隣国のポーランド、ルーマニア、モルドバなどで避難生活を強いられています。ユニセフはそうした難民の支援をしています。また、この戦争での負傷者は国内外でおそらく1万人以上いると言われています。国境なき医師団はウクライナおよび隣国で治療に当たっています。

人によってはこれが後方支援にあたるという人がいますが、無差別攻撃されているウクライナにはもはや人道支援、医療を担う力などはありません。それゆえに、海外から人道および医療支援は必要です。

人それぞれ考えが違うとは思いますが、ウクライナ支援に募金することが戦争に肯定的なんだと思っている人は、もはやプーチンと同じように自己中心的な考えの持ち主なんだなと思っています。





月曜日, 3月 28, 2022

非日常の世界を味わうにはやはり夜の方がいい

別に夜が好きというわけではないが・・・。

映画、演劇、音楽、落語などのライブ鑑賞を終えた後、会場の外が夜の灯びになっていると落ちつく。なんというか「ああ、非日常の世界を味わった」という想いになる。ところが、鑑賞後に外に出て周りが明るいと、なんかすぐに日常に引き戻されたようになり、非日常の世界を味わったという余韻が残らない。

もともと私は昼間に酒を飲むことをしない。昼下戸というほどではないが、昼に飲む酒は美味くないのである。夏の暑い日に時たまビールを飲むぐらいである。それも外に出た時ぐらいで、家で飲むことはない。それゆえに、時折り見かける昼から蕎麦屋で日本酒をちびりちびりやりながら、蕎麦を食べている年配客をみると、少し羨ましく思ったりもするが・・・。

また、読書にしても自宅で夜長にするようにしている。外気というか外音がない方が、じっくり本を読むことでできるし、時代小説などではその世界にしっとりと浸れることができる。

こうしたことがあるので、私はマチネというか昼の公演に足を運ぶことはほとんどなかった。ところが、コロナ禍になり、飲食店の多くの店が早く閉まるようになり(まんえん防止ナンチャラは解除されたが相変わらずの感染者数であるので)、ライブ活動後の楽しみである一杯ができなくなってしまった。そのために、最近は仕方なく昼の公演にも行くようになっている。

しかし、非日常の世界を味わうにはやはり夜の方がいい。




土曜日, 3月 26, 2022

第2回 「ぐー・ちょき・ぱーで!」@ばばん場

昨日(25日)は高田馬場のばばん場で第2回「 ぐー・ちょき・ぱーで!」を聞く。前回同様というか、会名通りに出番はジャンケンで決める。まずはチョキで、続いてパーでと3人のあいこが続く。3回目はお決まりで全員がグー。続く4回目もなんとあいこになり、5回目にしてやっと柳亭市弥が敗けてトップに。続いて春風亭一蔵が敗けて中トリ、勝った入船亭小辰がトリになることが決定。いくら仲が良いと言っても長すぎだろ。(笑)で、演目は下記の通り。

柳亭市弥   「粗忽の釘」
春風亭一蔵  「寝床」
 〜 仲入り 〜
入船亭小辰  「蒟蒻問答」

柳亭市弥のマクラはちょっとした小咄。市弥がもうすぐ前座になると見習い(弟弟子)に稽古をつけるが、その場所がなんと師匠(柳亭市馬)の家・・・。「粗忽の釘」では大工の八五郎をベラメン長の男に仕立てて、その滑稽ぶりを巧みに演じる。節々に出てくるしっかり女房もコワモテでいい。市弥は色気もあるので、柳家さん喬師匠みたいに女性が多く出る噺をどんどん取得すると、もっと味が出るのではないだろうか。

春風亭一蔵のマクラは母校(中学校)での学校寄席の話。中学時代は落語のラの字も知らず、制服の第1ボタンをかけたこともなかったという一蔵。それがこれまでに学校寄席を1000回以上も行っているという。それもある演目を言い所取りして柳家権太楼師匠のように演じるという。強者だ。「寝床」では彼が実際に行っているある女流落語家の襲名披露興行の番頭話を取り入れながら、義太夫好きの旦那と番頭一歩手前の重蔵の掛け合いを演じる。

入船亭小辰のマクラは前日に行ったお葬式と坊主の話。坊主の生態を師匠の入船亭扇辰のようにちょっとチクリとやりながら「蒟蒻問答」へと進める。前半の2人が弾けていたのに対して、小辰はいつもながら冷静沈着。ただ、前半の2人が熱演の滑稽噺だっただけに、申し訳ないが「蒟蒻問答」ではちょっとインパクトに欠ける。こうした時は人情噺を披露してもよかったのではないだろうか。

この秋(9月下席)には三人揃って真打昇進。とにかく今後の活躍が楽しみな3人である。



火曜日, 3月 22, 2022

プーチンは明らかに判断を誤った

今回のウクライナ戦争。世界中の多くの人がロシアがウクライナに軍事介入するにしても、8年前のクリミア半島併合のようにロシア人が多く住むドネツク州とルガンスク州だけだと思っていた。それがプーチンは何をとち狂ったのか、ウクライナ全土に軍事介入した。

私はヨーロッパのことに疎いので、詳しいことはよく分からないが、ドネツク州とルガンスク州では親ロシア派とウクライナ政府軍が戦闘を繰り広げていて、その死者は1万人を超えていたという。それゆえに、プーチンは親ロシア派による「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認して、これらの地域にロシア軍を派遣することを2月22日に指示していた。

もしプーチンがドネツク州とルガンスク州だけの軍事介入だけだったら、西側諸国はここまでロシアに対して敵意を剥き出しにしただろうか。アメリカはここまでウクライナに対して軍事支援をしただろうか。おそらくそれはなかったと思う。しかし、プーチンは両州だけの軍事介入では、ウクライナが直ぐにNATO(北大西洋条約)に加入するのではないかと恐れ、それを何とか回避したいがためにウクライナ全土に軍事介入してしまった。

ところが、ウクライナの反撃は予想以上に激しく、もはや泥沼の長期戦の様相になっている。こうなると、ロシアにおけるプーチンの支持率は低下していき、世界中のロシア人のなかからも不満の声が上がってくるだろう。しかし、残念ことに今のロシアは完全にプーチンの独裁国家であるので、プーチンが失脚もしくは暗殺でもされない限り、このままの状態だろう。

話を戻すがもしプーチンがドネツク州とルガンスク州だけの介入だけだったら、世界はどう反応をしただろうか。

現在激戦地として焦点になっているマリウポリはドネツク州の主要都市である。ウクライナ軍はここを何とか死守しているが、ここをロシア軍が占領するようなことがあれば、ひょっとしたらプーチンは停戦へと動くかもしれない。

しかし、プーチンの見誤った代償はあまりに大きすぎた。西側からの経済制裁は今後も続くことになり、また頼みとする中国からの支援もさほど期待はできないだろう。プーチンは完全に袋小路に入ってしまった。



日曜日, 3月 20, 2022

自公政権では景気はよくならない

新型コロナウイルスのために、この2年間ほとんどの人が海外旅行ができなかった。そして今度はロシアによるウクライナ侵略で、海外旅行の安全性を考えて自重する動きが出てきた。加えて、顕著な円安ドル高傾向になり、近日中には1ドル120円台になるに違いない。

こうしたことによって、多くの国民は海外旅行への意欲を削がれてしまった。また、国内においても新型コロナウイルスの感染はいまだに衰えをしらない上、相次ぐ地震も人々の行動意欲を萎縮させている。もはやウクライナ侵略と新型コロナ、そして相次ぐ地震は旅行業界に打撃を与えるのみならず、すべての消費マインドを落としている。

そうしたマインドを復活させるために、自民党政権は実質的なGo to トラベルの復活ともいうべき地域割を4月から実施するという。これは7月の参議院選挙対策でもあるが、このことによって第7波を導く可能性も懸念される。

地域割が景気浮上策のように思う人もいるかもしれないが、果たしてそれだけで国内景気が回復するかは甚だ疑問だ。消費税を減税するなり、富裕層の消費マインドを刺激する住宅政策や、飲食、文化・スポーツなど多角的な刺激策、また贈与税・相続税の減税などの積極的な税制改正が必要とされるのではないだろうか。

しかし、今のバラマキ政策だけしかできない自民党政権がそこまで踏み切れるとはとても思えない。参議院選挙で自民党・公明党に投票することはこのまま景気を低迷させることでもある。



木曜日, 3月 17, 2022

渋谷らくご・吉笑三題噺六日間 day6

昨日(16日)は渋谷ユーロライブで開かれた「渋谷らくご・吉笑三題噺六日間 day6(千秋楽)」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

林家つる子  「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(作:青山知弘) 
柳亭小痴楽  「天災」
 〜 インターバル(2分間) 〜
春風亭昇々  「不動坊」
立川吉笑   「ネグリジェ飛行機」
       ~飛行機・桜満開・ネグリジェ~

林家つる子は林家正蔵の弟子(二ツ目)。彼女を聞くのは初めてだが、これまで聞いた二ツ目の女流落語家のなかでもかなり上手い。マクラで本題の導入としてピッタリの両親の馴れ初め話で笑いをとり、本題の「「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」へと導く。「ストロベリー〜」は男女の別れ話なのだが、その場所がなぜかメイドカフェ。しっかりした構成で彼女にピッタリのよく出来た新作落語だった。

柳亭小痴楽は柳亭痴楽の次男にして弟子。父が没後は弟弟子・柳亭楽輔の門下に入り、2019年9月真打に昇進。「天災」は柳家小満ん師匠に習ったのことで、この日がネタ下ろし。取得したばかりということで、やはり少しアラがあったが、こう言ったら失礼かもしれないが、風貌に似合わず真摯に古典落語を取得しようとする姿勢に好感が持てた。

春風亭昇々は春風亭昇太の弟子で2021年5月に真打に昇進。人には得手不得手というものがあるが、申し訳ないが私には向いていない人なのかもしれない。本人がエキセントリックな落語家と言われていると言っていたが、エキセントリック(ちょっと変わった・風変わり)というより、妙なバリアーがある人という感じで、そのバリアーを破って聞き入ることができなかった。ごめんなさい。

立川吉笑は立川談笑の一番弟子の二ツ目。三題噺というのはお客さんから与えられた3つのお題を繋ぎ合わせて作る落語のことをいう。以前深夜に「らくごのご」という関西の番組があり、ここで桂ざこばと笑福亭鶴瓶が三題噺を競いあっていて興味深く観ていた。鶴瓶は大した三題噺はできなかったが、ざこばは3回に1回ぐらいはまともな噺を作りあげて関心した。

吉笑はタカシくんと藤堂くんがパイロットになるために紙飛行機争いをするという話を軸に「飛行機・桜満開・ネグリジェ」というお題を絡ませていく。最初に「飛行機のパイロットになる」と言ったところを単純に「パイロットになるために」とすませておけば「紙飛行機」という言葉はもっと引き立てたかも知れなかったが、それでも3つのお題以外の予選もれのお題まで絡ませながら、骨太にして情景描写を伝えながら面白い噺を作り上げた。それにしても、6日連続三題噺を行うという吉笑の意気込みは素晴らしい。真打昇進のあかつきには是非とも三遊亭白鳥師匠との三題噺対決を行ってもらいたい。



月曜日, 3月 14, 2022

日本はもはや先進国ではない

コロナ禍になって2年が過ぎた。

コロナ禍になったとき、私を含む多くの人が2年以内には国産ワクチン、治療薬ができると期待した。しかしながら、いまだに国産ワクチンも治療薬もできていない。それどころか、いまだにまともな検査体制ができていない。

その昔「(日本は)もはや戦後ではない」という言葉があった。

しかし今や「(日本は)もはや先進国ではない」と言うしかない。






日曜日, 3月 13, 2022

第2回柳枝百貨店@日本橋社会教育会館

昨日(12日)は日本橋社会教育会館で開かれた「第2回柳枝百貨店」を聞きに行ってきた。演目は下記の通り。

春風亭いっ休 「饅頭怖い」
春風亭柳枝  「権助魚」
春風亭柳枝  「雛鍔」
 〜 仲入り 〜
春風亭柳枝  「業平文治(前半)」(ネタ下ろし)

開口一番、前座の春風亭いっ休は春風亭一之輔の三番弟子。頭がスキンヘッドなのでどうしてもお坊さんに見えてしまうが、彼の語り口は説教をする坊主というより、頭に手拭いを乗せたら江戸時代の読売(=瓦版売り)のような潔さ、キレの良さがある。そして、師匠である一之輔が持つようなアンニュイ感などはまったくない。これが良いのか悪いのかは分からないが、できればこのまま大師匠である春風亭一朝のようなキップのいい噺家になってもらいたい

「前半は後半の噺(業平文治)が地味で面白いくないので、笑ってください」ということで「権助魚」と「雛鍔」をかけるが、面白かったのはマクラで話したアンコの話と池袋カラオケ館での話。特にカラオケ館のネタは、三遊亭白鳥師匠だったら、間違いなく新作落語にしているだろう。w

そして、後半はメインイベントの「業平文治」。昨今「文七元結」「鰍沢」「牡丹燈篭」など明治の偉人・三遊亭圓朝の作品は数多く演じられているが、なぜか「業平文治」をかける噺家はほとんどいない。この噺、5つのエピソードでできているようで、真打になってまだ1年の春風亭柳枝は今回は第1話「本所中之郷杉の湯」と第2話「天神の雪女郎」をかける。

業平文治(本名は波島文治郎)は男前にしてウブな男。しかし、剣は真影流の達人、加えて力は七人力というバカ力の持ち主。そんな業平文治が「本所中之郷杉の湯」では強請りタカりを生業とする夫婦(まかなの国蔵と浮草のお波)を改心させ、「天神の雪女郎」では目の治療中の小野庄左衛門を罠にかけてその娘お町を妾にしようとする大伴蟠竜軒の悪だくみを阻止する。

観客のほとんどが初めて聞くという噺のために、プログラムには登場人物の説明と人物関係図が挟まれていた。ただ、こうした配慮に関係なく、春風亭柳枝は噺を見事なまでに分かりやすく交通整理して演じていく。江戸時代の背景描写こそ余りないが、噛み砕いた地語りを多く入れて、お客さんに丁寧に噺を進めていく。柳枝のこうした手法は同年代の落語家に比べて実にうまい。そして、今回の噺は登場人物が多いにも拘らず、それらの人物に味わいをつけて演じ分ける。この噺、長いので寄席ではかけることができないかもしれないが、地方での独演会などでかけていけば熟成していくに違いない。

ということで、次回6月30日の第3話「柳橋芸者お村」以降の話が楽しみである。





木曜日, 3月 10, 2022

日本人がウクライナ戦争に反対の声をあげる理由

シリアなど中東での戦争ではもの言わない日本人がウクライナ戦争のことになると、声を上げて反対するのはおかしいと指摘する人が多くいる。確かにその通りかもしれない。

ではなぜ多くの日本人が今回のウクライナ戦争に大きな声をあげるかを考えてみた。

今回の戦争はやはりロシアが隣国であるということがあるからだろう。日本はこれまでに明治時代の日露戦争、そして第2次世界大戦と二度も争いをしている。特に第二次世界大戦では日ソ不可侵条約を破っての参戦であったこと、その後の北方領土の占領(ソ連が北方領土を占領したのは1945年8月15日以降)やシベリア抑留などから日本人にはロシアに対する感情は今でも良くない。

こうした背景に加えて、ロシア兵のほとんどがプーチンの意図を知らずしてウクライナ戦争に参戦していること、そして、何よりもプーチンによって核兵器が使われるのではないかという懸念があるからだろう。もしウクライナで核兵器が使われるもしくは原発を爆発させるようなことがあれば、これはもう第三次世界大戦の始まりである。核は抑止力になるにしても、使ってはならない兵器であり、これを使うことは禁じ手を破ることになる。原発は平和利用以外に決して使ってはならないし、爆破させれば、それは戦争以上の犯罪であり、人類滅亡=「猿の惑星」への突入である。

そしてこのままプーチンがロシアを支配していくと、世界には中国、ロシアという2大権威主義大国が存在することになり、それに追従するアフリカの国々が出てきて、世界は冷戦時より酷い状況になる。政治・経済だけでなく、文化・スポーツなどあらゆる面で世界は民主主義 vs 権威主義の真っ二つに分断され、さらなる脅威が起きることになる。

それゆえに、数多くの日本人は今回のウクライナ戦争に反対の声をあげているである。



水曜日, 3月 09, 2022

林家たま平@江戸東京博物館小ホール

昨日(8日)は江戸東京博物館小ホールで開かれた「林家たま平独演会」を聞きに行った。林家たま平は林家正蔵の長男。テレビドラマ『ノーサイド』でスクラムハーフの佐々一(ささ・はじめ)役を好演したことで有名になった。そんなたま平を初めて聞いたのは彼がまだ前座のときで、私はその上手さに舌を巻いたほどだった。あれから5年。二ツ目になった彼がどれぐらい成長したのかを楽しみにしていた。演目と出演者は下記の通り。

林家たま平  『禁酒番屋』
林家たま平  『反対俥』
 〜 仲入り 〜
林家たま平  『妾馬』

『禁酒番屋』はネタ下ろししたばかりで、まだ粗さが目立った。たま平は滑舌はいいし、落語の基本中の基本である所作、仕草、地語りなどは、おそらくこの世代ではかなり上手い人だと思う。それゆえに、番屋の役人が徐々に酔っていく様は巧みに演じる。だが、何か物足りない。それは心理描写なのか情景描写なのか、それとも話の抑揚なのか・・・。

柳家喬太郎に習ったという『反対俥』はとてもハツラツとしていた。車夫が人力車に担ぎ上げられる様、早いスピードでかける車夫の様、そして乗っている客の様など、他の落語家ではできない豪快な演じ方をする。ただ、ここでもスピード感はあるが臨場感が見えてこない。これは若さなのかもしれないが・・・。

これまでに何人もの落語家の『妾馬』を聴いてきたが、たま平の『妾馬』は殿様が際立つ。このことにより、八五郎と殿様の会話がはっきりするのだが、全体に漂う人情噺の空気感が少し薄れてしまう。『禁酒番屋』にしろ『反対俥』にしろ、そして『妾馬』にしろ、登場人物は男ばかりである。今後は女性が出る噺をどんどん取得して芸域を広げていってもらいたい。

最後に余談だが、マクラや噺の合間に幾つかの小咄を披露したが、これがなんともはや祖父の初代林家三平譲りで馬鹿馬鹿しかった。あれで「どうもすみません」とか「よしこさん」と入れられたら、三平を知っている世代にはバカ受けだったかもしれない。(^_^)



木曜日, 3月 03, 2022

さん喬十八番集成@国立演芸場

昨日(2日)は国立演芸場で開かれた「さん喬十八番集成」を聞きに行った。演目と出演者は下記の通り。

柳家小きち  『子ほめ』
柳家やなぎ  『締め込み』
柳家さん喬  『幾代餅』
 〜 仲入り 〜
柳家さん喬  『子別れ』(通し)

柳家小きちは柳家さん喬の末弟弟子の前座。まだ21歳の若者で角刈というかスポーツカットが初々しい。小きちは滑舌はしっかりしているが、表現力が今ひとつで、自分のオリジナリティを見出せていない。まあこれが前座というものなのかもしれないが、師匠が師匠だからその糸口さえ見つけ出されば、もっともっと前進するに違いない。ガンバ!

柳家やなぎは柳家さん喬の数多くいる弟子のなかでも、前出の小きちの前の弟子で二ツ目。マクラでは出身地の北海道別海町の話。知り合いに北京オリンピックのスケート選手がいるなど・・・。私は何十年前かに別海町行ったことがある。日本一面積の広い町だとか、人間より牛の方が多いという話は聞いていたが、スピードスケートが盛んな土地とは知らなかった。『締め込み』は泥棒が夫婦喧嘩の仲裁をするという噺だが、やなぎは淀みなくソツにこなす。というより、すっかり手の内に入れているのに驚いた。彼の今後に注目したい。

柳家さん喬は登場するなり、困った顔で「今日は『締め込み』をやるつもりだったのですが、先にやなぎがやりやがって」と言う。しかし、さん喬はこの日の国立演芸場3月上席で『締め込み』を演っている。これはおそらく師匠の弟子に対する愛情のよく出来たぞというサインではなかったのではないだろうか・・・。で、さん喬が『締め込み』の代わりにかけたのが十八番の『幾代餅』。さん喬の『幾代餅』はこれまでに2回聞いているが、なんかいつもより花魁言葉の「くんなまし」が艶っぽく、花魁姿も生々しい。そして、最後の地語りはまるでドラマのナーレーションのような鮮やかさで、拍手喝采を受けていた。

『幾代餅』で50分ぐらい時間を費やしたのに、後半では1時間以上かかる『子別れ』をかける。実はこの日のさん喬師匠は国立演芸場上席(午後1時50分〜)で『締め込み』を掛けた後、浅草演芸ホール(午後3時45分〜)で『長短』を演じている。つまり、『子別れ』はこの日の4席目なのである。それなのに『子別れ』を全く手抜きをすることなく上・下をやり通した。こうなると芸人というより超人である。さん喬、アンビリーバブル!