金曜日, 7月 31, 2009

東京ヤクルトvs広島@神宮球場

昨晩、小学校時代の友人(某建築設計士)と神宮球場で東京ヤクルト・スワローズ vs 広島カープの試合を観てきた。ヤクルトの先発は期待の左腕・村中恭兵。広島は昨年大活躍した右腕・コルビー・ルイス。

友人は大のヤクルト・ファンだが、どう贔屓目に見ても外野スタンドを埋めたファンは広島の方が3割以上多い。我々が座ったネット裏席でも広島を応援する声の方が大きい。現在のヤクルトはAクラスで、優勝も夢ではない地位にいるのに、お客さんは広島の方が多い。問題である。

友人もヤクルトは他球団のお客さん頼みで、自前のファンを育てようという企業努力がまったくないと嘆いている。阪神戦になると球場の7〜8割は阪神ファンで埋め尽くされるという。嘆かわしい限りである。このことは横浜・ベイスターズも同じことで、ヤクルトや横浜は巨人や阪神という人気球団に依存もしくは寄生しているといっても過言ではない。

さて、試合の方は4回までヤクルトが2対1とリードして、そこそこ面白い展開だった。しかし、5回になって村中が勝利投手の権利を意識してしまったのか、突如崩れはじめ、あとはヤクルトの繰り出す投手陣が全然精彩を欠き、ダラダラとした試合展開になり、結局広島が8対3で勝利した。

ということで、我々がまじめに試合を観ていたのも5回ぐらいまでで、それ以降はどのビール売りの子が可愛いかという品定めをしたり、友人は私もよく知っている昔のガールフレンドにメールを送り始めたりと、試合そっちのけであった。(笑)

天気もまずまず、暑くもなく寒くもない、ビールがうまいナイター日和の一日だった。

木曜日, 7月 30, 2009

年金制度はネズミ講

日本のマスコミというのはなぜもこうタレント知事の発言や一挙手一投足を報道するのだろうか。宮崎県の田舎知事に振り回された自民党も自民党だが、それを報道するマスコミもマスコミであった。また、大阪府の弁護士知事の発言もしばしば報道される。

その大阪府の弁護士知事・橋下徹が先日、的を射た発言をした。経団連会長との対談のなかで「年金制度はネズミ講」と発言したのである。私も以前より飲み屋などで「年金制度は公的ネズミ講で、公務員のためにあるような互助会制度」と何度も言ってきたので、橋下知事の発言には胸のすく思いであり、拍手喝采であった

そして、この発言に対して、内閣や担当の厚生労働省から大した反論が出ていないということは、彼らも現在の年金制度がネズミ講と認めなくても、欠陥があることを認めているということではなかろうか。

今の年金制度が破綻することは目にみえている。現在は60歳から年金の受け取りが可能だが、これが今後段階的に65歳まで引き上げられていく。そして、おそらく現在の20代の人は抜本的改革(消費税の大増税など)が行われない限り、支給年齢が70歳になっていてもおかしくない。

2007年度の国民年金保険料の納付率は64%しかない。つまり、国民年金保険加入条件者の3人に1人、厚生年金加入者などを入れると国民の6人に1人は年金を払っておらず、年金制度を信用していないのである。

年金は子供が親を養うための制度と同じ、などと悠長なことを言う人もいるが、核家族が進み、独身生活者が3分の1もいる社会では、子供が親を養うなどという考えは希薄化してしていて、年金制度はどうみてもネズミ講以外のなにものでもない。

火曜日, 7月 28, 2009

ビールは缶か冷えたグラスで飲むのが一番

家でビールを飲むとき、私はアルミ缶の蓋を明けて、そのままダイレクトに缶に口をつけて飲む。決してグラスなどに注いだりしない。これはアメリカ遊学時代にビールはダイレクトに飲むというアメリカ的習慣が身についてしまったのと、あのアルミの臭いが意外に好きだからでもある。ということから、「アル中(アルミ缶中毒)なんですよ」と馬鹿な冗談をよく言ったりする。(笑)

一方、外でビールを飲むときは生ビールに限る。そして、これは絶対にグラスで飲むのがいい。それも冷やしてあるガラスのグラスもしくはジョッキで飲む生ビールは格別の味である。ところが、これが陶器製グラスで飲むとビールが全然美味しく感じない。冷やした陶器でも同じである。ヨーロッパではビールといえば、こうした陶器製グラスで飲むのが普通のようであるが、残念ながらこの感覚は私には理解できない。

金曜日, 7月 24, 2009

スズメが少なくなっているとか

スズメの数が少なくなっているという。下記のHPによると、スズメの数は50年前の10分の1、20年前の5分1になっているという。それでも、日本には1,800万羽のスズメが生息していて、実際は数千万羽かもしれないという。

なぜスズメが減少しているかといえば、第一に田畑の減少、第二に巣をつくる木造家屋や樹木の減少、だそうである。このことは農村だけでなく、都会でも同様である。私の昔の家はちょっとした庭があり、そこにスズメは毎日のように飛来してきては、芝生のなかを突っついていた。

一時、都会からもスズメがいなくなってしまい、いずれスズメがトキのように絶滅危惧種になってしまうのではないか、と思われたが、最近はふたたぶ私の家の周りでも、チュンチュンする鳴き声が聞こえるようになってきた。

そこで、先日ベランダに賞味期限の切れた玄米をバラまいてみたら、あっという間になくなってしまった。その日以来、朝はチュンチュンと催促の鳴き声がうるさい。(笑)

スズメの個体数推定、およびスズメの個体数減少に関する情報
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/animal-ecology/members/osamu_mikami/sparrow-index.html

水曜日, 7月 22, 2009

「おくりびと解散」or 「皆既日食解散」

今回の衆議院解散についていろいろな人がネーミングをしているが、私がもっとも気にいったのが、日刊スポーツ紙で漫画家のやくみつるさんが名付けた「おくりびと解散」。

やくさんによるとその理由は「麻生氏にはせめて美しい死に化粧を施して、自民党を黄泉(よみ)の国へ旅立たせてほしい。次期衆院選は自民と民主の二大政党制の始まりではなく、新たな離合集散の序曲だ」で、政界再編につながる選挙となると分析したからだそうである。

私も次の選挙が民主党のいう単なる「政権交代選挙」だと思ってはいない。が、私は今回の解散は「皆既日食解散」と名付けたい。理由は自民党が民主党に一時的に隠れてしまいそうであるからだが、それだけでなく、民主党も皆既日食(解散)、皆既日食(解散)と言っていたわりには、期待したほどの数字を見れない可能性があるからだ。

私が「皆既日食解散」と言ったら、ある人は「会期日食解散」でもあると上手いことを言ってくれた。全く会期いっぱい選挙期間いっぱいの解散である。

火曜日, 7月 21, 2009

衆議院は解散したが、梅雨前線は頑張っている・・・

九州南部や関東甲信はすでに梅雨明けとなっているが、その他の地方の梅雨明けはまだである。今年の梅雨前線は妙に頑張っている。まるで「麻生おろし」という熱帯低気圧をまったく苦にしなかった麻生総理大臣をみているようである。

さて、衆議院が解散した。これで国会は梅雨明けになり選挙モードに入ったが、ただ国民にとっての梅雨明けはいつになるのであろうか。すっきりとした梅雨明けになるのだろうか。それとも、梅雨は秋雨まで続くのであろうか。

8月に総選挙とは組織票の強い公明党や共産党に優位である。しかしながら、昨今は期日前投票の認識も高くなり、今回も先日の都議選と同じように1割近い人がこの期日前投票を利用するのではないだろうか。それゆえに組織票頼みが有利ともいえなくなっている。

8月30日までには実際の梅雨前線は消えているだろうが、そのとき麻生政権はドシャブリの雨のなかにいるのか、それとも少しでも日が当たるところにいるのか、大変興味深い。

土曜日, 7月 18, 2009

映画『劒岳 点の記』を観る

平日の昼、渋谷東映の館内はかなりの人。年配者の数が圧倒的に多く、若者の姿はチラホラ程度。高齢者向け映画なのかもしれない。

映画は新田次郎の原作をほぼ忠実に描いたようであり、監督が木村大作という日本を代表するカメラマンだけにその映像美は“ぐの音も出ない”というぐらい凄い。しかしながら、残念なことに映画としの物語性の構成力や役者陣の演技力に関してはかなりの不満が残った。

まず物語性だが、陸軍測量部と日本山岳会の対比が不鮮明だし、陸軍上層部の関与も軟弱で、結局は誰も死なず、誰も悪者にならず、軍への批判も玉虫色に終えてしまう、という中途半端な物語になっている。もう少し主義主張を明確にしてほしかった。

次に演技力に関してだが、いくら監督がカメラマン出身だからといって演技指導を怠っているようでは映画ではない。香川照之ひとりだけが完全に役に入りこんでいるのに対して、淺野忠信はまあまあとしても、松田龍平、蟹江一平、新井浩文といった若手陣が自分の役をほとんどこなしていない。というより理解していない。これでは蛍雪次朗、モロ諸岡ら中堅陣のサポートが無になってしまう。また、いつもながらの役回りの仲村トオルや小沢征悦も、役者としとの自分の殻を打ち破ってほしい。

映画『劒岳 点の記』は木村大作が監督だったからこそ映画になったのかもしれない。そして、映画は十二分に観る価値はあると思うが、ただ、映画としてさほど面白いとは思わない。

水曜日, 7月 15, 2009

御用聞き

昭和30年代までは御用聞きはごく一般的な商取引だった。

私の家でも勝手口から肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん、酒屋さんなどがそれこそ勝手に顔を出して、「奥さん、今日はなにかご注文ありますか」と言っていたものである。現代のように近所にスーパーがあるわけでなく、商店街より少し離れた住宅街には、こうした御用聞きに回る若い丁稚さんたちがいた。子供だった私も肉屋のお兄さんや八百屋のおじさんが運転する三輪トラック(ミゼット)に乗せてもらい、とても嬉しかった思い出がある。「三丁目の夕日」の世界である。

御用聞きは押し売りでなかった。御用聞きはちゃんとその家のニーズをわきまえて、それに見合った注文をとり、その信頼関係でなりたった商いだった。そして、注文をする側も時たまそれぞれの商店に顔を出して、「今度は何々をもってきてね」と言ったりしていたものである。

しかしながら、こうした御用聞きも東京オリンピックを境にめっきり少なくなってしまった。時代は高度成長をとげ、住み込みで働く若者もいなくなり、スーパーが徐々にでき、御用聞きが不要になっていってしまった。そのために、いつしか勝手口というドアや門は、開かずの扉となっていってしまった。

御用聞きは江戸の香りを残す日常風景だった。

月曜日, 7月 13, 2009

10月2日後の石原都知事は・・・

昨日の東京都議会議員選挙は大方の予想通りの結果となった。民主党が第1党となった理由は国政がらみの問題もあるが、最大の理由は都民の関心事である新銀行東京、築地市場移転、そして東京オリンピック招致という3つの石原都政の問題があったからだろう。

つまり、都民の多くが石原慎太郎都知事に対して、新銀行東京の存続および築地市場移転に対して「NO」と言い、東京オリンピック招致に対しても「NO」もしく「?」をつきつけたことになるのではないだろうか。

これまで都議会は過半数を自民党・公明党の与党が占めて、楽な都政を運営を行ってきた石原都知事であるが、今後はそうはいかないだろう。

そして、10月2日にはIOCが2016年のオリンピック開催都市を決定する。ここで東京が開催都市にならなかった場合、石原都知事はどうでるのだろうか。すでに招致活動のために100億円以上の税金を使っている都知事は、その責任をどう言い訳するのだろうか。それとも潔く辞任するのだろうか。

日曜日, 7月 12, 2009

梅雨の京都・美食日記(吉田山荘)

吉田山荘は昭和天皇の義理の弟にあたる東伏見宮家別邸として1932年(昭和7年)に建てられた。現在は和洋が調和された建物として、京料理を楽しむ料理旅館として親しまれている。
建物は総桧造りで重厚感にあふれ、客室は書院造りとなっている。各部屋は趣の異なる照明や、古墳時代の銅鏡の背面文様からデザイン化したステンドグラスがほどこされていて、優美かつ格式の高さを保っている。

ここで京都の知人とお昼の「葉皿料理」をいただいた。女将さんが書いた昔の短歌を供えた料理で、旬の素材を厳選し調理した伝統あるミニ懐石。先付、造り、葉皿、焚合、焼物、御飯、吸物、水物とどれもこれも手がこんだ料理がでてきた。写真を見れば解ると思うが、もうどれもこれも美しき料理で、私の舌感を麻痺させていき、ビールの方もぐいぐいとすすんでしまった。(笑)

ここは庭には桜や楓の木が植えられているので、桜のシーズンや紅葉シーズンに来たら更に美味しい昼食になるに違いない。帰りがけに御土産に吉田山荘特製の「ちりめん山椒」と「佃煮昆布」を買ったが、これが正解だった。特に「ちりめん山椒」は上品な味なのである。塩分控えめというのも嬉しい。

料理はちょっと値段がはるという人には、敷地内にあるサロン「真古館(しんこかん)」で比叡山や大文字を見ながらお茶やコーヒーを嗜むのもいい。近くには藤原家の氏神を祀る吉田神社、紅葉の名所として有名な真正極楽寺真如堂、新選組発祥の地である金戒光明寺など観光スポットもある。また少し足をのばせば東に銀閣寺や哲学の道、西に京都大学、南に平安神宮へと行ける。

吉田山荘
http://www.yoshidasanso.com/top.htm

食べログ
http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260302/26001592/

金曜日, 7月 10, 2009

好きになれない男たち

誰にでも好き嫌いはある。以前「テレビでみたくないオジサン・ワースト5」「テレビでみたくないオバサン」というのを書いたが、こうしたみたくないタレントとは別に、好きになれない男というのもいる。特にテレビをはじめとしたマスコミを妙に利用する男は好きになれない。また、自己陶酔型(ナルシスト)な男も好きなれない。女性にだらしなさそうな男も好きになれない。

その意味では下記の3人は共通しているような気がする。

東国原英夫

朝青龍

中田英寿

もちろん、私はこの3人を好きになれない。


テレビで見たくないオジサン・ワースト5
http://k21komatsu.blogspot.com/2007/05/blog-post_31.html

テレビで見たくないオバサン
http://k21komatsu.blogspot.com/2007/05/blog-post_24.html

水曜日, 7月 08, 2009

朝日新聞の「都議選候補に聞く」

一昨日および昨日の朝日新聞に「都議選候補に聞く」というアンケートが載っていた。

1,石原都政を評価しますか
2,2016年五輪招致を支持しますか
3,新銀行東京への400億円追加出資を評価しますか
4,築地市場移転に賛成ですか。反対ですか
5,都議の報酬月107万7000円。どう見直しますか
6,現在127の都議会議員の定数をどう見直しますか

私の回答は

1,評価しない
2,支持しない
3,評価しない
4,反対
5,下げる
6,減らす

残念ながら私の選挙区には同じような考えの人はいなかった。だからといって、棄権したりしない。東京都民で選挙権のある人は、投票に行きましょう。

月曜日, 7月 06, 2009

梅雨の京都・美食日記(先斗町 いふき)

3回目である。顔馴染みである。もう常連である。と書いておこう。(笑) お店に入るとカウンターにしっかりと「予約席」とプレートが置かれていた。先日の朝日新聞に小林亜星が、京都に行きつけの店(お座敷もしくはクラブ)ができると、自分もここまできたかというようなことを書いていたが、私も先斗町に馴染みの店(割烹)ができて、いい歳になったなぁと思わざるをえなかった。

それでは、なぜ私がこのお店に来るかというと、もちろんそれは料理が旨く、いろいろなお酒を飲めるからであろう。加えて、落ち着くからだろう。というのも、このお店は京都の他店より天井が15〜20センチぐらい高くなっている。そのために、腰をすえて飲むことができる。いや、食べられるのだ。

また、カウンター前にある焼き場の上にある少し大きめのダクトもいい。炭火割烹というお店柄、煙はいやおうにも出てしまう。しかし、このお店にはその煙の色も匂いもない。加えて、カウンター席とテーブル席は禁煙になっている。最初に訪れたときに、私がこのダクトを褒めたら、女将さんの実家が設備関係のお仕事のようで、そこが腕によりをかけて作ったという特注品と言っていた。お店がオープンして4年になろうとしているが、このダクトは今でもピカピカで、音もほとんどしない。

今回も店主の言われるままに、おまかせ料理を食し、日本酒を飲んだ。いつもながら、なにもかも美味しいのだが、今回は鱧と鮑とジュンサイのお椀というなんとも贅沢な一品が印象に残った。お酒は丹後市にある木下酒造の「玉川」というのを飲んだ。口あたりは柔らかだが、非常にしっかり味のお酒だ。で、このお酒はなんとイギリス人の杜氏さんが作っているとのこと。う〜ん、日本酒も国際的になったきた。

最後に、忘れていたがここに足を運ぶ最大の理由は、店主の山本ご夫妻やスタッフの心づかいが良いこと、そしてお客さんの良さもあることとを付け加えておく。

炭火割烹いふき
先斗町21番路地奥 電話番号075-211-3263(要予約)
午後5時〜午後10時(ラストオーダー)火曜定休
http://ifuki.jp/

京の冬の旅・美食日記(先斗町 いふき)
http://k21komatsu.blogspot.com/2009/02/blog-post.html

日曜日, 7月 05, 2009

休耕田を活用してほしい

新幹線に乗って外を眺めていると、いつも休耕田の多さに驚く。今回も京都までの車窓、外を見ていると、改めて休耕田の多さに呆れてしまった。

東海道新幹線はいわゆる米どころを走る電車ではない。それでも、浜松から豊橋にかけて、名古屋から関ヶ原にかけて、米原から大津にかけてといくつかの田園地帯を走る。そして、その田園地帯の約2割〜3割は稲が植えていられないように見える。

現在の休耕田の面積は岐阜県の広さとも埼玉県の広さもあると言われる。減反政策の結果、つぎつぎと増えた休耕田の結果がこれである。以前は休耕田を宅地開発や工業団地にしたりしたが、人口がこれ以上増えることはないので、もうこうした利用転用はないだろう。それなのに、休耕田は増えているという。

一時、休耕田を利用してバイオエタノールの原料となるトウモロコシを栽培しようという話がもちあがった。また、昨今はお米でコメエタノールを生産する計画もすすんでいる。だが、なぜバイオエタノールなのだろうか。大豆や小麦でないのだろうか。なぜ家畜のエサとなる飼料米とか輸出米にならないのかが不思議である。

新幹線に乗るといまさながら日本の農業政策の歪みを感じざるをえない。

木曜日, 7月 02, 2009

梅雨の京都・美食日記(祇園 閼伽井)

今冬に京都に行ったとき、河原町三条にある老舗の割烹店「藤や」で、中西重和さんというすでに現役を退かれているが、京都で活躍する調理師さんたちが研鑽する会・京都好友会代表という京都料理界の重鎮の方とたまたまお話をする機会があった。

中西さんは20代半ばで「すし松」の料理長となり、その後「貴船ふじや」「花やしき浮船園」名古屋の「桜明荘」などで料理長を務めて数多くの弟子を育成した。その中西さんが「ここの前の料理長だったヤツが祇園に店を出したから、機会があったら行ってや」と言った。

そのお店が2007年11月にオープンした「閼伽井(あかい)」である。場所は祇園北側、花見小路と末吉町の交差点から東に入った路地裏にある。店内はシンプルな作りで、出入口寄りにカウンターの椅子席が4席、そして奥に掘りごたつ式カウンター席が3席。この他に、2階に4〜6名入れる座敷がある。ちなみに「閼伽井」とは仏前などに供養される水が湧く井戸とのことをいうそうである。

主人の阿部博輝さんは下鴨にある「吉泉」、麩屋町三条にある「炭屋旅館」、京都ホテルオークラ6Fにある「入舟」などを経て、「藤や」で料理長を務めた。彼は非情に実直な方とお見受けした。というのも、ネクタイをして調理場に立つ。そして、料理はとにかく絶品である。いちじくのゴマ和えに始まって、お刺身、煮物、吸い物、となにもかもが非常に丁寧な造りで手がこんでいる。私はフードライターでも料理ブロガーでもないので、詳細なことは書けないが、お昼なのに日本酒が恋してくて恋しくてならなかった。

置いてあるお酒は阿部さんが新潟出身ということで新潟のお酒が主体のようである。私は昼に訪ねたので日本酒をいただくことはなかったが(ビールは2本ばかり飲んだw)、彼は「『食べログ』にお酒の銘柄が普通だと書かれてしまい困っています」と洩らしていた。確かに久保田や〆張鶴などは誰もが知っているお酒なので、できれば新潟のお酒でもなかなか手に入らない銘酒(「鶴齢」「亀の翁」「松乃井」「越乃景虎」など)を並べれば、飲兵衛たちは喜ぶかもしれない。次回はぜひとも夜に訪れて、美味しい京料理と一緒に美味しい新潟のお酒を飲みたいと思う。

写真上:祇園路地裏にある「閼伽井」
写真下:中西重和さんの著書「京料理の思い」

閼伽井(あかい)
京都市東山区祇園町北側347-51 電話番号075-551-8181(要予約)
正午〜14時 午後5時30分〜午後9時(ラストオーダー)不定休

食べログ
http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260301/26005953/

京の冬の旅・美食日記(木屋町 藤や)
http://k21komatsu.blogspot.com/2009/01/blog-post_31.html