月曜日, 2月 02, 2009

京の冬の旅・美食日記(先斗町 いふき)

京都滞在1日目の夕食は、昨年10月に訪れてめちゃくちゃ気にいった、先斗町にある「炭火割烹いふき」を再び訪れた。前回はなかなか見つけることができなかった“21番路地”も、今回は簡単に見つけることができ、人一人か二人しか通れないような狭い路地奥にあるお店へすんなりと足を運ぶことができた。

ここ「いふき」は賀茂川沿い北大路にある懐石料理店「紫明卯庵」や先斗町の「卯月」で料理長をしていた山本典央さんが2005年10月にオープンしたお店。

日曜の夜というにもかかわらず、カウンター3席を除いては店内は満席。人気のほどが窺える。3ケ月前に来たばかりなので、店主の山本さん、女将さん、そして、ナイナイの岡村くんに少し似ている焼き方のお兄さんたちが笑顔で迎えてくれた。

前回の日記でも書いたが、ここは炭火割烹といっても、おまかせコースの場合は先付け、刺身、煮物、お椀、漬物と旬の素材を大事にした京料理が出てくる。今回はそのなかでも、もろこの煮付け(?)が非常に美味しく印象に残った。

もろことはびわ湖特産の魚で、その大きさは5〜10センチぐらいで細長い。以前は普通に獲れた魚だったのだが、90年代半ば頃からブラックバスなど外来魚に食べられてしまうようになり漁獲高は激減。今や高級魚になってしまったそうである。そのモロコを軽く炭火で炙ったあとに飴煮にしたものが非常に苦み走った味で、例によってお酒がすすんでしまった。

今回は日本酒ではなくイタリア産の赤ワインを頂戴した。山本さんは日本酒に詳しいが、ワインにもウンチクがあるようである。そのワインをあける頃になると、隣りの予約席にも若いカップルが来て店は満席となり、カウンター前の焼き方のお兄さんの動きが機敏になり、ワインの味も引き締まるようで、なんとも言えない味とムードになっていた。

この日の私のメイン・ディッシュは若狭ぐじ(アカアマダイ)の炭火焼き。いつも笑顔を絶やさない焼き方のお兄さんがキビキビした手つきで、目の前で若狭ぐじを焼いてくれる。そして、いつしか隣りの若いカップルとも話が合うようになったしまった。というのも、女性の方が京都にある編集プロの編集者で、同業者とういうことでついつい話がはずんでしまったのである。もちろん、骨董商という男性とも日本酒の話がすすみ、このお店に置いてある十四代(山形)、早瀬浦(福井)、磯自慢(静岡)、楯の川(山形)などがいかに素晴らしいお酒であるかを、お節介にも説明してしまった。それにしても、ここはいつも美味しいお酒を用意してある。

今回も前回同様に「いふき」では料理を舌で味わい、目で味わい、話で味わうことができた。「いふき」は私にとってはそういう楽しい料理を味あわせてくれるお店である。

炭火割烹いふき
先斗町21番路地奥 電話番号075-211-3263(要予約)
午後5時〜午後10時(ラストオーダー)火曜定休
http://ifuki.jp/

先斗町の隠れた名店『炭火割烹いふき』
http://k21komatsu.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

追記になってしまったが、すぐき(漢字では「酸茎」と書く」)という漬物が美味しかった。このすぐきは京都の伝統的な漬物で「柴漬」「千枚漬」と並んで京都の三大漬物と言われているそうだ。京料理は奥深い。

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