金曜日, 8月 04, 2023

五街道雲助一門会の「師弟四景」

一昨日(2日)は国立演芸場で開かれた五街道雲助一門会による「師弟四景」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記のり。。

柳家しろ八  「寿限無」
蜃気楼龍玉  「夏泥」
隅田川馬石  「品川心中」
 〜 仲入り 〜
五街道雲助  「千両みかん」
桃月庵白酒  「お化け長屋」

先日、テレビにやたら出ていて大して上手いとも言えない落語家が「落語界は才能のないやつらばかりで人材難。漫才やコントに取られてる」という趣旨の発言をした。発言は自由だが、この男は本当に落語界の現状を知っているのだろうか。現在東西合わせて1000人に近い落語家がいるが、果たして才能のない者ばかりだろうか。この男に何人の弟子がいるか知らないが、五街道雲助一門は少数精鋭の強者ばかり。まさかこの一門を知らずして、上記のような発言をしたのだろうか。だから、立川流は嫌われるし、聞きに行きたくならない。

柳家しろ八は柳家小八の弟子にして前座。「寿限無」をそつなくこなすが、もう少し個性を入れてほしかった。

蜃気楼龍玉は五街道雲助の3番弟子。本来は15分ぐらいの「夏泥」を30分かけて話す。それでも決して間延びすることもなく、テンポよく快活に語る。

隅田川馬石は雲助の2番弟子。彼は好不調の波が激しい落語家のひとりだと思う。ただし、昨日はもう絶好調。兄弟子の桃月庵白酒をも圧倒するノリで心中噺を滑稽にして爽快に演じる。

仲入りをはさんで、先日人間国宝になった五街道雲助が登場。座るなり「これがナマの国宝です」と飄々と一言。その後はいつもと変わらず決して気負わない「千両みかん」を好演。

桃月庵白酒は雲助の総領弟子。人間国宝の件で一番喜んでいたのはどうやらこの人。「人間国宝になると200万円毎年支給されるですが、これは後継育成という名目らしいです。三人弟子がいるんですから1人66万円もらえるんです」とちゃっかりしていた。「お化け長屋」は白酒の得意ネタ。衣装こそ変わらないが七面相のような演じ方はこの人ならでは醍醐味。大熱演で人間国宝一門のトリを見事にこなす。