木曜日, 1月 30, 2014

佐藤治彦の痛快経済学的人生論

知人の経済評論家である佐藤治彦が書いた『年収300万〜700万 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』(扶桑社刊)。佐藤さんとは演劇を通じて20年以上前からの知り合いで、以前は劇場で現在はクラシック音楽のコンサートホールでよくお会いする。その佐藤さんが昨年出版した本である。

タイトルはやけに長いが、中身は非常にシンプルで解りやすい。実用書なのに読後感がとても爽やか。そんなことを言っては失礼だろうか。とにかく痛快なのである。実用書というか経済本となると、とかく節約をしようとか、我慢した生活をしようとか書かれていることが多いが、佐藤さんはそれを真っ向から否定して、とにかく人生1回だけなのだから楽しんで行こうと話を展開する。

第1章は『脱・節約教のススメー節約しても老後は安心ではない!』ここでは節約すると無駄を省くの違いを説明して、節約だけの人生はやめようと説いている。

第2章は『禁・資産運用ーいま始めること、老後に考えればいいこと』ここでは老後のことについて書いているのだが、面白いことは老後のお金の一部は老後になってからも遅くないと説いていることだ。

第3章は『新・消費宣言ー欲望に向き合えばお金が増える』ここではバーゲンでものを買うことは損しているなどと具体的に節約が非効率的であることを書いている。私もバーゲンセールなどで洋服を買うことや福袋を買うことはほとんどない。バーゲンで買った服は確かに安いが、単に安いから買っただけになりがちで着る機会は少なく、非効率的である。それに対して値段は高いが良い服は生地がしっかりしている上に、気にいって買っているのだから何度も着て効率的である。

第4章は『知識の泉へようこそー年金、保険、教育費を考える』ここでは年金、保険、税金などの生活に直結する経済のことが書かれている。ちょっと難しいことが書かれているがとても為になる。ここはしっかり経済学している。

第5章は『ザ・住宅問題ー買うべきか、借りるべきかの神学論争に終止符を』ここでは人生最大の買い物である住宅のことについて書いてあるが、佐藤さんの結論は読んでのお楽しみ。w

ということで、この本は経済評論家である佐藤治彦が生活評論家にもなり、節約(ケチる)ではなく、無駄を削る(省く)生活習慣を身につければいいとか、「対処力」という臨機応変さを身につけてとか、人生を楽しく過ごそうよなどというメッセージを数多く送っている。つまり、この本は佐藤さんの経済学的人生論だ。

年収が300万〜700万の人がいかに人生を楽しく豊かに過ごすかを導く本。30代40代の人にはおすすめの一冊である。

日曜日, 1月 26, 2014

最近ちょっと違和感のある言葉使い

この1〜2年だと思うが、テレビのスポーツ中継で実況アナウンサーは選手のことを敬称略なしの呼び捨てで喋るのに、なぜか解説者やゲストは◯◯選手・▲▲選手と必ず「選手」と付けて喋るようになった。正直なところ、未だにこの言葉に違和感があり、慣れていない。

私はスポーツ中継などでは別に敬称にこだわる必要性はないと思う。解説者もいちいち◯◯選手・▲▲選手と言うのは煩わしいのではないだろうか。それとも、こうしたことをしないと日本のスポーツ界の悪しき慣習である年功序列や縦社会を助長してしまうからなのだろうか・・・。

また、昨今はマスコミの多くが「女優」という言葉を使わず、男性同様に「俳優」という言葉を使うようになっている。ということは、今や死語になりつつある「男優」と同じように、「女優」という言葉もいずれ死語になってしまうのだろうか。

それにしても、どうして「女優」という言葉はいけないんだろう。男女差別になるからだろうか。それとも第3の性と言われる人たちへの配慮からなのだろうか。いくら職業名だからといって、なんでもかんでも統一してしまうというのは味気なくないだろうか。

こうなるといつの日にか「美男」「美女」という言葉もなくなり、みんな「美人」という言葉になってしまうのだろうか。う〜ん、いただけない。

金曜日, 1月 24, 2014

パソコンが壊れるとマッサージが儲かる?

12月上旬にMac Book Airが起動しなくなった。立ち上げてもすぐに「起動ディスクがいっぱい」と表示され、その後しばらくすると画面が消えてしまい、強制的に再起動せざるをえなくなる。そして、これを何度か繰り返しているうちに完全にフリーズして立ち上がることすらできなくなってしまった。昨年5月に購入したばかりの機種だったのに、たった7〜8ヶ月でおかしくなるとは驚きである。これまでMacのパソコンを20年近く使ってきたが、このようなことは初めてである。

ということで、仕方がなく購入先であるPC DEPOTに持って行って修理を依頼をすると「これは初期化しないと、直りませんね」という。で、仕方がなく急遽画面上にあるデータをUSBメモリーに入れて初期化してもらうようお願いした。そして、2日後に電話があり、初期化したパソコンを取りに行き、帰宅後はいろいろな設定をし直して元通りの快調な環境となった。

ところが、それから1ヶ月後の1月上旬にまた同じ症状が出た。再びPC DEPOTにもっていき相談すると「これはもう起動ディスクであるSSD(HDDと同じような記憶装置)がおかしいです」ということになり、PC DEPOTからMacの修理工場に直接送ってもらうことにした。幸い私はMacのApple Careという保証サービスに入っているので、ヤマト運輸の送料を含めて修理は無料だということなので、それをお願いすることにした。パソコンの保証というのは、買うときに入るか入らないかで迷ったりするものだが、パソコンはいつなんどき故障することか解らないので、ウイルス対策同様に入っておくべきである。

そして、5日後にはPC DEPOTから連絡があり、新しくなったMac Book Airを取りにいった。しかし、今度は再設定にやたら手間がかかった。記憶装置そのものを変えたせいか、本当に一からやり直したという感じである。疑問点・問題点を箇条書きにして、一つ一つをもう一台のパソコンMac Book Proで調べながら再設定をした。一日がかりであった。おかげで目は疲れ、肩や背中がパンパンにはり、翌日はマッサージの世話にならざるをえなかった。

ということで、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが「パソコンが壊れるとマッサージが儲かる」である。ちなみに、この話をマッサージの先生にしたら苦笑していた。(笑)

水曜日, 1月 22, 2014

美食日記「くろす」(神楽坂)

神楽坂・毘沙門天前の趣のある石畳の兵庫横丁を下りていき、軽子坂とクロスした近くにある日本料理店「くろす」。ハイアットリ-ジェンシー東京やリッツ・カールトン東京の和食料理長を務めた黒須浩之さんが2年前に開いたお店。店内は1階に5席のカウンターと2階に8〜10人が入る部屋があるだけで非常に小ぢんまりとしている。

料理はあらかじめおまかせコースを頼む。まず最初にカブの先付が出されてきたが、その味が良かったのもさることながら、関心させられたのは器。蓋の裏には今年の干支である午年にちなみ「よろずの福を連れてくる」という左馬の文字(う〜ん、よく読めない w)が書かれていた。ちなみに私も同行者も午年生まれである。偶然だが心憎い気配りだ。w 次に出てきた八寸が超美味。特に串刺しされた赤こんにゃく、キュウリ、ウニ入り鶉は、色合いも素晴らしく新年のお目出度さを表しているようであった。その後も、蟹しんじょうのお椀、キャビア乗せのヒラメ、鯛のお刺身などが次々と登場。その盛りつけは常に立体的で繊細かつ華麗である。加えて、出てくる食器はすべて素晴らしいものばかりで目を奪われる。そして、その器を語るときの黒須さんの目は輝いていて、かなりのこだわりがありそうである。

こうした美味しい料理が次から次へと出てくると、当然ながらお酒もすすんでしまう。すると、カウンターの奥には有田焼や織部焼の鮮やかな徳利が並んでいるではないか。加えて、カウンター横には立派な熱燗器があるではないか。となると、ここは久しぶりにぬる燗ということになり、緑の織部焼の徳利で山形の銘酒『上喜元』を飲むことにする。寒い日の燗は格別である。

そして、メインの料理に出てきたのが金柑が添えられた鰹の照焼きと、茄子が添えられた熊本のブランド牛「和王」の薄揚げは共に絶品だった。特に「和王」は芳醇な味わいのお肉で、同行者はいきなり「これはワイン!」と言って、カリフォルニアのケンゾー・エステイト・ワイナリーを頼む。ワインは確かにまろやかな肉質にはピッタリであったが、お値段が少し高いかな・・・。

締めはここのスペシャリテというか看板料理の鯛めし。これがもう絶品、絶品、大絶品。甘い香りが漂い、ふっくらにして、つややかな色。その味は薄味にしてトロけるような感覚。これはもうご飯にしてご飯にあらず、というか、ご飯の範疇を逸しているご飯である。これほど美味しい鯛めしは今後おそらくお目にかかれることはないだろうと思うぐらいだった。また行きたいお店が一軒増えてしまった。

最後に少し話がずれるかもしれないが、女性が一人で正統派な日本料理を食べに行くのはそれなりに勇気がいると思う。それは予算的なこともあるし、またそのお店の雰囲気にも馴染めるかどうかという問題もある。「ひとりフレンチ」という言葉はあるが、女性の「ひとり日本料理」という言葉は聞いたことがない。そうした意味を考えると、ここはお値段は少し張るものの「女子ひとり日本料理」「女子二人日本料理」に向いているお店ではないだろうか。

くろす
http://www.kagurazaka-x.com

水曜日, 1月 15, 2014

都知事選の争点は「経済」ではない

先日、テレビのある番組で「都知事選の争点はなんですか」という質問を100人にしたところ、半分の50人が「経済」と答えたという。ちなみに「脱原発」「東京五輪」はそれぞれ12人だった。

う〜ん、なんかおかしい。「脱原発」は都知事選の争点でないという人がいたりするが、それこそ「経済」は争点になるとは思えない。「経済」と言うのでなく「雇用対策」とか「公共事業=インフラ整備」というならば解るが、少なくとも財務省や日本銀行に対して全く影響力をもたない都知事の選挙で「経済」という言葉を使うのは「脱原発」以上におかしい。

これはおそらくテレビ局が用意したフリップに「経済」と書かれていたから、半分の人がこう答えたのかと思うが、これは都民を愚弄していないだろうか。なんでテレビ局は「雇用対策」とか「インフラ整備」と用意できなかったのだろうか。

今回の都知事選の争点はいくつもある。「脱原発」「東京五輪」「治安回復」「雇用対策」「福祉(高齢化)・教育」などである。それゆえに「経済」などと一括りで大まかに言うのは明らかにおかしい。

個人的には都議会の定数削減、一票の格差是正(最大3・21倍もある)をあげてくれる候補者がいないのかに期待している。

土曜日, 1月 11, 2014

「脱原発」は都知事選の争点の一つである

脱原発は都政と関係ないので都知事選の争点ではないんじゃないかと思われる人もいるかもしれないが、これは明らかにおかしい。

東京都は東京電力の筆頭株主であり、福島第一原発事故で下がった株価の損失は甚大である。それゆえに、東京都は東京電力を再生させるための意見・提案をのべる資格を十二分に有している。以前、石原慎太郎は都知事のときに「原発を東京に誘致すればいい」と言ったことがある。また、前回の都知事選でも猪瀬直樹は公約のトップ(猪瀬直樹 公式サイト || 政策 http://www.inose.gr.jp/policy/)に「電力エネルギー改革」を上げている。加えて、原発は東京都の地震対策にも大きく影響するので、脱原発は国政だけの話には決して留まらない。

こうしたことが明白なのに、一部のマスコミは原発は争点にならないという誘導報道を始めている。思い出していただきたい。2012年末の衆議院選挙の争点は本来ならば「原発、消費税、TPP」だった。ところが、自民党およびその広報機関である読売新聞などのマスコミは、インチキな“世論調査”という“世論誘導”によって、その争点を「経済」にすり替えた。もう騙されてはいけない。

もちろん、「脱原発」以外にも「東京五輪」「福祉・教育」「治安」など論点はいくつもある。それゆえに、都民はそれぞれの候補が出す公約をしっかり見据えた上で投票してほしい。

金曜日, 1月 10, 2014

勝手に2014年無責任予想


恒例の無責任予想です。今年すでに松の内も過ぎてしまったので「初夢」という言葉を外して、昨年同様「勝手に2014年無責任予想」とさせていただきます。

1 憲法改正(悪)の道にアメリカをはじめ諸外国から反対の声が上がる
2 日韓・日中の「政治的外交関係“断絶”」は続く
3 1票の格差と定数是正問題で、最高裁が国会に対して三くだり半判決(願望!)
4 1ドルは110円台に1ユーロは150円台に、日経平均は18,000円台を回復
5 午年は台風が多いと年と言われるが、今年は少ないと予想
6 都知事選で自民党が支持 or 推薦候補者が落選(願望!)
7 消費税増税後、景気はさほど落ち込まず
8 サッカー・ワールドカップで日本が初のベスト8(希望!)
9 ソチ冬季五輪、さほど盛り上がらず
10 田中将大、メジャーでいきなり15勝

今年の最大の焦点は、安倍政権による憲法改正(悪)への道が開かれるかどうかあろう。そこで、出てくるのはアメリカをはじめ中国・韓国からの反対の声であろう。石破・世耕などの自民党ネトウヨ族は「内政干渉」と反発するだろうが、これにはさすがに公明党や財界も呆れかえり、自民党内部に亀裂が出来始めるだろう。もちろん、こうしたことも含めて今年も日韓・日中の“断絶”は続く。

さて、今年こそは1票の格差と定数是正問題に楔(くさび)を打ってもらいたい。そのためには、まず最高裁が国会に対して三行半の判決を出してもらうしかない。経済はアメリカの景気回復に伴い、ドル高円安傾向は今後も続き、1ドル110円台はあっさりクリアしそうである。これに伴い、輸出関連株を中心に日経平均株価は今年も高騰していくであろう。

都知事選、自民党が推すのはどうやら舛添要一になりそうだが、こんないい加減な男を当選させては絶対にいけない。ただ、公明党の盲目的な創価学会員が彼に投票するとなると・・・。ああ、宗教は恐い。4月に消費税が8%に上がるが、このことで一時的に買い控えが起きるだろうが、そんなことはすでに折り込み済みである。このことで景気が一気に低迷することはありえない。

スポーツは今年ビックイベントが目白押し。ワールドカップはなんとかベスト8に行ってほしい。そのチャンスは十二分にある。ソチ冬季五輪のメダル予想は金1〜2個・銀2〜3個・銅2〜3個で、金メダルの有力候補は女子ジャンプと男子フィギュア。マー君はどのチームに所属するかにもよるが、いずれしろ強豪チームと契約するであろうから、ダルビッシュ同様に1年目から15勝は固い。

というわけで、かなり願望・希望の強い無責任予想になってしまいました。(^_^;;;

水曜日, 1月 08, 2014

円楽・昇太・たい平三人会@めぐろパーシモンホール


昨日(7日)めぐろパーシモンホールで開かれた「〜笑門来福 ブラック団がやってきた!!〜 三遊亭円楽・春風亭昇太・林家たい平 新春三人会」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

春風亭昇羊 『たらちね』
林家たい平 『井戸の茶碗』
 〜 仲入り 〜
春風亭昇太 『花筏』
三遊亭円楽 『一文笛』

開口一番の春風亭昇羊は春風亭昇太の弟子。風貌はどことなく理系の学生っぽく、役作りや声のアクセントのつけ方の表現力はまだまだ。だが、この人は滑舌が非常によく声が通る。また、演目のなかに出てくる嫁の長セリフを噛むことなく、満員の観客の前で綺麗に話切ったのは見事。当日会場に偶然居合わせた小学校時代の友人曰く「彼は将来化けるじゃない?」と。ひょっとすると、という期待感は十二分に備えている。

林家たい平を聞くのは2回目。彼は『笑点』でいろいろな人のモノマネをしたりして、世間的ではモノマネ落語家なんて思われているフシがあるが、実は相当な実力の持ち主である。今回の落語会でも彼がもっとも持ち時間が長い上に、『井戸の茶碗』を巧みに現代風アレンジやアドリブも入れたりしながら、観客を十二分に魅了させる噺を聞かせてくれた。昨今の若手落語家(といっても50歳前後)のなかでも、柳家喬太郎や立川談春らと並ぶ実力の持ち主ではないだろうか。今回の落語会のなかでも彼がピカイチの出来であり、できれば彼の独演会を聞きに行ってみたい。

『花筏』は春風亭昇太の十八番の一つである。ところが、この日の昇太は前半の弟子の出来の良さに一安心したせいか、それともたい平のサカナにされすぎたせいか、今ひとつキレがない。噺の途中で「千鳥ケ浜」と「花筏」を取り違えるミスもあったり冴えなかった。それでも、昇太流の大きなアクションで会場を湧かせていた。

『一文笛』は人間国宝・桂米朝が30代のときに造った上方落語で、噺の内容は明治初期のスリにまつわる人情噺。現在は弟子の桂ざこばをはじめ桂きん枝など多くの落語家が演じていて、東京では林家正蔵も演じているという。さて、三遊亭円楽が演じるスリは鯔背(いなせ)な感じの男で噺にスピーディさがあり好演なのだが、子供を貶めてしまい、堅気になるという終盤にもう少し人情味を出してほしかった。サゲ(オチ)は解りきっている噺なので難しいとは思うが、何かもう一工夫ほしかった。

最後に、せっかく三人会なのであるから何処かに鼎談(ていだん)を入れてほしかった。スケジュールのせいで無理なのか、それとも実はブラック団も仲がさほど良くないのだろうか。(笑)ちなみに、この日のパーシモンホールは『笑点』の人気メンバー登場ということで、平日の昼にもかかわらずチケットは1・2階席(658席・429席)共に完売だった。昨年も同様のことを書いたが、パーシモンホールは今後は2〜3ヶ月に1回ぐらいの割合で「柿の木坂寄席」とか「柿の木坂名人会」という催しを開いてはどうだろうか。1階席が満席になるぐらいの落語会ならいくらでも開催できると思うのだが。

月曜日, 1月 06, 2014

戦争も靖国もA級戦犯も知らない子供たち


私の伯父は1945年6月に沖縄で軍属(医者)として戦死した。もちろん遺骨もなければ、正確な死亡日時や死亡場所も解らない。私の父は中国戦線に参戦されたものの無事生還。といっても帰国したのは終戦から2年後の1947年のことである。そして、父は以前時折テレビで放映されていた映画『兵隊やくざ』シリーズを観るたびに、勝新太郎扮する兵隊が上官と喧嘩するシーンに「あんなことしたらすぐに営倉送りだよ」言いながらも喝采していたり、「(従軍)慰安所には将校用と兵隊用があるんだ」と言っていたことを覚えている。また、私は20数年前に中国内陸部へ行ったときに、日本軍の話を聞こうとしたが、その時どれだけ嫌な顔をされて嫌な言葉を聞かされたかを体験している。

安倍晋三は私と同じ年だが、おそらくこうした戦争体験を子供のころに聞いたことなどないのだろう。また、私のように中国で戦争体験を聞き出そうなんてことを考えたこともないのだろう。安倍の母方の祖父は岸信介であり、彼はA級戦犯第一次逮捕者であり、戦争に関する話を孫にしたとはとても思えない。また父親である安倍晋太郎は1943年に海軍航空隊に予備学生として入隊しているものの本土を離れておらず、おそらく実戦経験はないはずだ。

ネトウヨをはじめ今の若者たちが安倍首相の靖国参拝を支持するのは、戦争の悲惨さを直接聞いたことがないからではないだろうか。つまり安倍にしろネトウヨの人たちにしろ、祖父母や両親からきちんとした戦争体験を聞いたことがないのである。しかしながら、多くの国民は今でも祖父母や両親から日本が中国をどう侵略して、日本軍が数多くの中国人を殺害して、悪道非道なことをしていたかを知っている。

それにしても、どうしてネトウヨや今の若者たちはこうした戦争の実体験を聞く耳をもとうとすらしないのだろう。また、靖国神社が出来た経緯やA級戦犯合祀の経緯を調べようとすらしないのだろう。これではまるで無知の涙ではないか。自分から学ぼうとしない姿勢、海外生活を体験しようとすら考えない、閉鎖的かつ盲目的な事大主義的な人たちにつける薬はないのだろうか。

1970年に「戦争を知らない子供たち」という歌が発表され、私もよく愛唱した。私もその戦争を知らない世代であるが、知らなくても上記のように戦争のことを聞かされ、戦争のこと、A級戦犯のこと、靖国神社のことを自分なりに学んだ。しかし、今の子供たちはそうしたことを知らない。知らないというより知ろうとすらしない。

靖国神社は決して英霊が祀られている神社ではない。A級戦犯も極悪非道な軍人たちも祀られている。そんな神社にどうして国家のリーダーが参拝することができるのだろうか。不可解千万である。

日本はいまや戦後ではなく戦前の様相と化している。こんな危険な国にいったい誰がした。

土曜日, 1月 04, 2014

美食日記・ベストレストラン2013(東京)マイベスト10


人生一度しかないのだから美味しいものを食べなきゃ、と少し刹那的考えをもつようになったのはいつの頃からかであろうか。バブル時代は海外へ行くことが多かったが、その頃は忙しすぎてまだ食べ物を味わうという余裕はなかった。それでも、グルメ本とかグルメ雑誌を読むことが好きだった。

その後、バブルがはじけた1990年代半ばからは、国内を旅することが多くなり、ここでまず日本酒や焼酎を知るようになり、それと共に地の美味しいものを食するようになっていった。そして、2000年代になると京都へ行くことが多くなり、取材と称しては京都の食べ歩きをするようになり食通に目覚めていった。しかし、東京で美味しいものを食べ歩くようになったのはこの3〜4年で、まだまだ食通としては駆け出し者である。

そんな駆け出し者が選んだ2013年のベスト・レストランは下記の通り。ちなみにこの「マイベスト10」はスマホのアプリ「Retty」にも掲載しています。食通の人はこのアプリは楽しいので、ダウンロードしてみてください。

1位. 「レフェルヴェソンス」(フレンチ/西麻布)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html
2位. 「虎白」(日本料理/神楽坂)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_27.html
3位. 「くろいわ」(日本料理/恵比寿)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/01/blog-post_24.html
4位. 「メゾン エメ・ヴィベール」(フレンチ/恵比寿)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/04/blog-post_22.html
5位. 「アムール」(フレンチ/西麻布)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/07/blog-post.html
6位. 「アジュール フォーティーファイブ」(フレンチ/六本木)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html
7位. 「レストラン・ヒロミチ」(フレンチ/恵比寿)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/07/blog-post_31.html
8位. 「ビオディナミコ」(イタリアン/渋谷)
http://k21komatsu.blogspot.jp/2013/03/blog-post_24.html
9位. 「レンゲ」(中華料理/新宿)
10位. 「旬遊紀」(中華料理/目黒)

美味しいレストランの条件にはいろいろとあると思うが、1位にした「レフェルヴェソンス」はお店の雰囲気、ギャルソンやソムリエたちのサービス、そしてシェフが作る料理すべてが非の打ち所がなく、“私的ミシュランガイド”で3番目の三ツ星レストランとすることにした。ちなみに1番目は京都の「いふき」、2番目は広尾の「アニュ」。続いて2位の「虎白」は日本料理の新しさと奥深さの両方を楽しめる店だ。この2店は共に「食べログのベストレストラン2013(東京)」でベスト10に入っていて、今が旬というか勢いのあるレストランなのだろう。

「くろいわ」は今や予約がなかなか取れないお店になってしまったが、本来ならば気軽に行って店主と日本酒のことについて語り合いたい飲兵衛のお店である。だが、料理も美味しいためになかなか気軽に行くことができなくなっている。本当は飲兵衛のための店なのに・・・(ブツブツ)。「メゾン エメ・ヴィベール」は知り合いに教えてもらった店だが、外観内装は完璧なグランメゾン系フレンチだが、料理およびサービスはとてもカジュアルで気持ちがいい。ここで飲んだカリフォルニア・ワイン「CALERA」は美味かった。

「アムール」はまだ未熟なところがある感も否めないが、この1〜2年で間違いなくクローズアップされそうなレストラン。「アジュール フォーティーファイブ」はリッツカールトン東京内にあるレストランで、ホテルならではの格式と眺望も楽しむことができる。「レストラン・ヒロミチ」はカジュアル・フレンチの代表的店で爽やかな料理を楽しめる。

渋谷や新宿は繁華街だが意外にも美味しいレストランが少ない。そんななかで「ビオディナミコ」は極上のイタリアンを食べさせてくれる。「レンゲ」は喧噪とした新宿3丁目のなかにあるカウンター主体の新感覚中華料理。かなりイケる店だ。「旬遊紀」は目黒雅叙園内にある中華で、お祝い事や大人数で中華を楽しむにはもってこい。

というわけで、2013年はかなり美味しい店に出会うことができました。どの店も再訪したいところだが、それとは別に新しいお店も開拓したい。これを両方と行うとなると、とてもじゃないが懐がもたない。飲兵衛(食通)としては贅沢な悩みである。

金曜日, 1月 03, 2014

「勝手に2013年無責任予想」を検証&反省

昨年1月9日に書いた「勝手に2013年無責任予想」は下記の通りでした。

1 1票の格差と定数是正および選挙制度問題を通常国会で解決できず
2 日中関係は改善されることなく、多くの日本企業が中国から離脱
3 1ドルは90円台後半に1ユーロは130円台に
4 日経平均は12,000円を回復
5 夏の気温は平年並みかそれより下回る
6 アップルがTV内蔵の5〜6インチサイズのiPhoneを発売
7 軽の電気自動車が本格販売
8 2020年五輪はイスタンブールに、東京は次点
9 イチロー、ヤンキースで大暴れ
10 男子サッカー、コンフェデレーション杯で善戦

昨年も一昨年に続きかなりのハズレでした。1番は当たりましたが、まったくちゃんとした審議すらしない状態で怒り心頭です。2番は当たりです。安倍首相の靖国参拝でさらに悪化しそうで、残念ながら日本企業の離脱に拍車がかかりそうです。3番はそこそこ当たりました。円安傾向になると解っていましたが、1ドルの100円越えはありえると思っていましたが、まさかユーロが140円までいくとは驚きです。4番はハズレですね。13,000円台もあるかと思っていましたが、まさか16,000円台になるとは。アメリカの景気回復に助けられましたね。5番は完全にハズレでした。昨年の夏も暑かったです。特に10月まで暑かったのには閉口しました。6番も完璧なハズレ。アップルはTVを敵視しているのかも。7番もハズレ。時代はハイブリット止まりでなかなか進みませんね。8番もこれまたハズレ。まさか東京が当選とは・・・。9番もハズレ。イチロー、今年はどこでプレイするんでしょうかねえ。10番はブラジルには完敗するものの、イタリア、メキシコには1点差負けで善戦。しかし、どちらか1チームに勝たなくては真の善戦にはならなかったので、この予想もハズレ。

ということ、1番から3番まではまあ当たりですが4番以降はからっきしダメでしたね。ただ、これに懲りずに今年の無責任予想を近日中に書くつもりです。w 

木曜日, 1月 02, 2014

2014年の抱負「年男としてのモットー」

新年おめでとうございます

今年は午年。年男です。ということで、今年中にン十歳になります。子供のころ、ン十歳というと「おじいさん・おばあさん」というイメージがあり、実際に私の同級生のなかにはすでに「おじいさん・おばあさん」になっている人が何人もいる。そんななかで、相変わらず身軽にして無責任な身です。(苦笑)

だが、これはこれでいいものである。確かに病気や怪我したときには少し心細いところもありますが、普段は誰にも干渉されることなく好き勝手ができる。今年も昨年同様に精神年齢を若く、また考え方も生き方もリベラルにいくつもりです。健康に留意しながら、モットーである「花(女性)鳥(飲食)風(芸術)月(旅行)」をエンジョイしていきたいと思います。w

以上、今年の抱負でした。

それでは、本年もよろしくお願いいたします。