火曜日, 12月 29, 2015

『あさが来た』の名セリフ

大久保利通の本当の言葉かどうかは知らないが、先週の朝ドラ『あさが来た』での大久保利通(柏原収史)の2つのセリフが印象的だった。

「(新しい日本について)外国に負けない強い国じゃ。かといって、力でねじ伏せるわけではない。本当に強いものはそんなことはしないものじゃ。戦さは破壊するだけのもので、もうこりごりじゃ」

「その道(女性を育てること)を作ることの中に、この国を戦いなくして強くする方法が隠されているのかもしれないのぉ」

最近の朝ドラは気のきいたセリフがほとんどないが、今回の『あさが来た』は結構いいセリフが多い。何週か前の新次郎のセリフは素晴らしかった。
 
「相手負かしたろうと、武器持つやろ。そしたら、相手はそれに負けんようにもっと強い武器を持って。そしたら、こっちはもっともっと強い武器を持って、と。これは太古の昔からアホな男の考えることや」

何処かのアホな男に聞かせてやりたい。

月曜日, 12月 28, 2015

長州嫌い

NHK大河ドラマ『花燃ゆ』を一度も観なかった。それは吉田松蔭、高杉晋作、久坂玄瑞など長州藩士たちを賞賛することが目に見えていたからである。よくもまあ、安倍晋三のゴリ押しドラマを1年もやったものである。受信料を返せ!とまでは言わないが、二度と長州藩を題材にした大河ドラマを作るなよ、NHK!と言いたい。

長州嫌いである。子供の頃は大河ドラマや偉人伝書籍などの影響で桂小五郎とかは好きだった。しかし、高校に入って幕末の書物を本格的に読み漁るうちに、明治維新が革命ではなくクーデターでしかなく、そのクーデターも謀略や調略によって成されたということを知るようになっていくと、段々長州が嫌いになっていった。

そして、大人になってからは戊辰戦争での長州藩の会津での悪烈非道ぶりや、明治以降の井上馨、山縣有朋、品川弥二郎らによる賄賂政治など、今日の政治まで悪影響を与えていることを知るとますます長州嫌いになった。加えて、日清日露戦争を始め太平洋戦争に至るまでの陸軍で長州閥が幅をきかせていたことなどから益々長州嫌いになった。

いずれにしろ、井上や山縣などの悪事を描くことをドラマ化することはできない。なぜならば、彼らには子孫がいて、もしそのようなドラマが出来たら名誉毀損で訴える可能性があるからである。その点、若くして亡くなった松陰や高杉は直系の子孫がいない。

死んだ人間を美化するのは容易い。そして、日本人はそれを受け入れやすい。つまり『花燃ゆ』は受信料を使った壮大な長州プロパガンダ番組であったのだろう。

水曜日, 12月 23, 2015

新国立競技場問題はまだ終わっていない

新国立競技場の建設案がいわゆる「A案」に決まった。正直、予想通りの結果となった。大成建設と安倍晋三および麻生太郎の関係、また菅義偉の息子が大成建設にいるらしいことなどから、当初からA案が政治的に有利だと言われていた。

まあそれはさて置き、A案が支持された最大の理由は、コストおよび工期がA案の方がB案より安価もしくは短縮になる可能性が高いという理由だった。しかし、その理由および根拠は全く示されていない。なんともおかしな話である。

こうなると、物見遊山的ではあるが、工期がちゃんと守れるか、予算はしっかり守れるか、維持管理は安価に出来るか、8万人収容に改築するときの工費はいくらかかるのかなどが、楽しみでならない。もし、こうしたことがちゃんと守れないおよび膨大な経費がかかるようでは、今回の答申は茶番であったいう以外にない。

それよりも、当初の建設計画だったザハ・ハディド側がA案は似ているとクレームを言ってきている。まあ当然だろうが、これが訴訟問題にでもなればまた一悶着である。しかし、そうしないように裏取引されるのではないのだろうか。そのお金はいくらかかるのだろうか。またそれを暴くマスコミはあるのだろうか。

それにしても、財源が組織委員会の見込み(試算)と違い、1兆円の財源不足と明かしているという東京オリンピックである。もう何もかもが「まやかし」というより「詐欺」のような世界である。今後も東京オリンピックの動きを注視していきたい。

土曜日, 12月 12, 2015

選挙のための政治、増税のための政治

先日アベ政権は低所得年金受給者約1250万人に対して3万円を配るという「臨時給付金」政策を決めた。バラマキである。このお金は経費を含めて総額約3900億円になる。しかしながら、それに見合う経済効果がどれだけあるかは全く分かっていない。

続いて、アベ政権は公明党が求めていた食料品などに対する軽減税率を認め、これによって約1兆円余の収入減となる。これもどれほどの経済効果を生み出すかは疑問である。

そして、これらの政策はどちらもアベ自民党の選挙対策であることは言うまでもない。

3万円のバラマキは選挙によく行く高齢者層に対する配慮。つまり、参議院選挙の買収工作である。軽減税率は公明党への選挙協力費である。今の自民党は公明党の選挙協力なしに選挙には勝てないからだ。

ということで、自民党の選挙対策費として1兆4000億円以上の税金が勝手に動かされるのである。そして、この穴埋めはどこでなされるかといえば、選挙後の増税である。自民党内ではタバコ増税などと言っているが、こんなのは単なる見せかけもしくは体裁でしかない。本筋は2〜3年以内に消費税を13%、15%に段階的に引き上げていくという政策を打ち出すことであろう。つまり、今回の自民党と公明党の合意は裏で大増税への確認でもあったのだ。

それにしても、3万円の「臨時給付金」だの、食料品の「軽減税率」だの、恩きせがましい政策を次々と出すものである。全く国民を愚弄している茶番政権である。私は来年7月の参議院選挙で自民党および公明党候補者が結果的に「削除」されることを切に願っている。

木曜日, 12月 10, 2015

春風亭正太郎@チェロキー寄席

昨日(9日)は地元・学芸大学の「Cherokee LIVE TAVERN」で開かれた第3回「チェロキー寄席」を聞く。出演は春風亭正太郎。

目黒区は意外なことに落語家が多く住んでいる。その真意というか理由はよく解らないが、古くは桂小金治が住んでいたり、漫才ではあるがコロンビア・トップ(長男は中学の同級生)がいたりと、演芸関係の人は目黒区に多い。と同時に不思議なことに目黒区出身の落語家も多かったりする。柳家小ゑん、柳家小傳次、紙切りの林家正楽。そして、私が注目している春風亭正太郎(二つ目)もその一人である。

正太郎は2006年4月に春風亭正朝に入門。2009年11月に二ツ目になった落語家である。そして、今年に入ってからその実力をどんどん発揮。まず4月に若手落語家の登竜門ともいうべき第14回さがみはら若手落語家選手権で優勝。そして9月には過去に林家たい平、古今亭菊之丞、柳家三三などの優勝者を輩出した北とぴあ若手落語家競演会(第26回)でも優勝と、破竹の勢いである。

まず1席は滑稽噺の「時そば」。マクラは千葉県富里での学校落語で出会った子供たちとの話。そして、そこから本題に入っていく流れがスムーズ。そばを食べる様も巧妙で客席の女性から「おいしいそう」の声も上がる。落語家ならば誰もがやる有名な演目だが、これまで聞いた中でも秀逸な出来で、最後は誰もが爆笑だった。

2席は人情噺の「子は鎹」。これは「子別れ」という上中下の3部作からなる長い落語の「下」部分の話。それゆえに、枕はほとんどなく本題に入り、前振りでは「上」「中」のあらすじを一気に機械的に伝える。そして「下」の本題に入り、息子の亀が登場するとイキイキする。1席の枕で子供たちを演じた時と同じように、正太郎は子供を演じるのが上手い。少し褒めすぎかもしれないが、その上手さは往年の三遊亭金馬や三遊亭圓歌を彷彿させる。

春風亭正太郎の実力はすでに二ツ目ではなく真打と同等であることを立証した2席だった。できれば女を演じるときは滑稽さとは別にほんの少し女の性というものを醸し出して、今後も古典落語の真髄を極めるべく精進してもらいたい。地元のよしみで今後も彼の活躍に注目していこうと思う。

都電6系統の駅名

ご存知の方も多いと思うが、山手線内を走る都バスは以前都電の路線だったところが多い。その代表的な路線が渋谷〜六本木〜新橋を走る都01系統である。

現在の都01系統は渋谷から六本木通り(上が高速3号線)を溜池まで直進して新橋までいくが、以前の都電6系統(1967年12月廃止)は渋谷を出ると宮益坂を上り、それから青山通りに入り南青山5丁目を右折して高樹町まで進んだ。そして、そこから六本木通りを走り、溜池経由で新橋まで行っていた。

で、現在のバス停の名前と都電の停車駅の違いである

渋谷駅前      渋谷    
渋谷2丁目     (青山車庫前)
青山学院前        ↓
南青山六丁目    (青山六丁目)
渋谷三丁目        ↓
青山学院中等部前  (青山南町)
南青山七丁目    高樹町   
西麻布       霞町    
EXシアター前   材木町
六本木駅前     六本木   
六本木四丁目    今井町   
赤坂アークヒルズ前 福吉町   
溜池        溜池
虎ノ門       虎ノ門
          南佐久間町 
西新橋一丁目    田村町
新橋駅北口     新橋駅
新橋駅前

渋谷から高樹町までは路線が違うのでバス停と停車駅の名前の比較はできないが、高樹町から新橋までの違いは、江戸と東京の違いというか、明治と平成の違いの感がある。やはり、古い地名はもう少し残しておいて欲しかった・・・。

都電6系統路線図
http://railway.chi-zu.net/2096.html

木曜日, 12月 03, 2015

なぜゴルフをしないのですか

最近なぜか「スポーツに精通しているのに、どうしてゴルフをしないのですか」と聞かれる。

まず初めにスポーツに精通しているといっても、私が精通というかよく観ているのは主に団体競技ばかりで、個人競技に関してはテニスと相撲以外はあまり見ない。ゴルフにしても他に観るものがない時に観るぐらいで、積極的に観たいとは思わない。

それでは、なぜゆえにゴルフをしないのかといえば、理由は幾つかある。まず第一にアメリカにいた時に、知人たちにいきなりアップダウンの激しい山岳コースへ連れて行かれ「なんて面倒なスポーツなんだ」というトラウマができてしまったからである。

次にゴルフは仕事に全く関係がなかった。出版業界でゴルフをするのは営業マンぐらいで、編集者たちはまずゴルフをすることがない。というより、出版界にゴルフ好きという人はほとんどいないし、不規則な生活をしている者がゴルフをするなどという環境に全くなかった。

第三に会社社長をしていた伯父が大変なゴルフ好きで、おそらくそのせいで亡くなっている。ゴルフ場で亡くなったわけではないが・・・。周知のことかもしれないが、ゴルフ場で気分を悪くする人は非常に多い。ゴルフ場は救急車やドクターヘリの出動回数が多い場である。なぜならば、ゴルフというものは数人でプレイするが「自分が休むと他のメンバーに悪い」とかいって、体調が悪いにもかかわらず無理をしてプレイする人が多いからだ。

他にも早起きが嫌いだからとか、30代後半にして老眼になってしまったとか、交際範囲が狭くなるとか、土日は競馬に興じたいとか、いろいろな理由が私にはある。

ということで、ゴルフは私には縁がないスポーツである。

月曜日, 11月 30, 2015

安倍政権の象徴的な傲り

先日、安倍政権はエネルギー政策振興のためにと、白熱灯と蛍光灯の製造と輸入を2020年度をめどに禁止するという方針を決めた。

愚策である。

確かに白熱灯や蛍光灯をLEDに変えることは温室効果ガス削減や省エネ対策にはなる。おそらくその電気消費量は1/8から1/5ぐらいになるだろう。

しかしながら、白熱灯や蛍光灯でなくては困るものもいっぱいある。例えば信号機。LEDは熱を持たないために、雪にめちゃくちゃに弱い。そのために雪国では少しでも吹雪くと信号機が見えにくくなるという苦情が、これまでにいっぱい寄せられている。車にしてもLEDのヘッドライトは発熱量が低いので雪が着くと凍ってしまう。

他にもシステムキッチンや洗面台など、あらかじめ蛍光灯装置が組み込まれているところなどは、一体どうするのだろう。それを取り替えるとなるとかなり大変な手間とお金がかかることになる。またネット上には「ペットには蛍光灯が必需品なんだ」と言う声が多く載せられている。

個人的には机のスタンドが目に優しい蛍光灯からLEDにするなど考えられない。蛍光灯生産中止なんてことになったらスタンドを変えなければならない上に、目にも悪そうで読書量も減ってしまいそうである

いずれにしろ、こういうことは政府方針で決めることではない。消費庁が各団体に指導する程度のことである。それなのに政府からの「禁止」などいうトップダウンすることは全体主義的であり、安倍政権がいかに独裁政権であるかを象徴していると言っても過言でない。

安倍晋三がこれからパリで行われる国連気候変動枠組み条約締約国会議で「アンダーコントロール」ばりに「日本は蛍光灯をなくす省エネ対策をします」などとええかっこしい発言をしても、日本から簡単に蛍光灯はなくならない。なくなるのは安倍政権および自民党政権の方が先である。

木曜日, 11月 26, 2015

美食日記「麗郷」(渋谷)

レンガ造りの麗郷。創業は1955年(昭和30年)。今や渋谷きっての老舗料理店であり、東京を代表する台湾料理店である。私がここを始めて訪れたのはン十年前の高校生の時。あれから、ほとんど変わらない店構えと騒然というか猥雑な店内。もしかすると私の中華料理(台湾料理)の原点はここかもしれない。

ここに来て私が頼む三種の神器は「腸詰、シジミ、チンゲンサイ」。この3つの料理は外せない。ビールを飲みながら食べるこの3品はとにかく美味しい。腸詰は創業以来ずっと自家製のものを使っていて、どんなに食べても食い飽きないほど美味しさ。各テーブルには腸詰め用のタレが置いてあるが、私はそんなものを使わずバリバリと食べる。そうでないと腸詰の脂の美味さが伝わらない。シジミはシジミそのもの美味しいが、それ以上に美味しいのがやはり汁である。シジミのエキスがいっぱいの汁を飲まずしてはこれを食べる意味がない。チンゲンサイは口直しというか野菜補給の一品である。

 

これだけ食べれば麗郷の美味しさが解るはずだ。あとは鶏料理、豚料理、魚料理などにするかは好みである。今回は蒸し鶏、白海老のボイル、焼ビーフンなどを注文する。ちなみに、飲んだものはビールに始まり、普段なら紹興酒にするのだが、この日は飲めるのが私だけということもあり、茅台酒、五加皮などちょっと度数の強い酒を一人勝手に飲んでしまった。(^_^;;

日曜日, 11月 22, 2015

美食日記「うえ村」(荒木町)

「荒木町に美味しい店があるから行きませんか」とお誘いの声が相方からかかった。それを大正生まれの母親に告げると「荒木町?」と。「四谷3丁目の近くだよ」と返事をすると「四谷塩町(「四谷3丁目」の昔の都電の駅名)の近くかね」と。この時点で時代は平成から昭和に、それも昭和初期にトリップである。w

荒木町は江戸時代に景勝地と栄え、明治以降は花街として賑わった。それゆえに、街並は今でも昔の風情を色濃く残していて、どことなく神楽坂に似ている。私は正直、このあたりをよく知らない。しかし、荒木町は隠れた和食の名店が多いということは聞いていた。あとで知ったことなのだが、この辺りにこうした名店が出来始めのはこの5〜6年のことで、どうも神楽坂にお店を出したい人たちが、神楽坂の家賃があまりにも高いので、代わって神楽坂の雰囲気に似た荒木町に店を出すようになったらしい。

ご主人の植村友二朗さんは京都「和久傳」などで修業をして2010年に独立。お店はカウンター(6 or 7席)だけのいたってシンプルな作り。すべての料理をカウンター前で穏やで人の良さそうな植村さんが調理してくれることもあり、どことなくアットホームな感じ。また、彼をフォローするアシスタントのバイトくんも超優秀で気配りに余念がない。

さて、この日いただいた献立は下記の通り。

・淡路産鯖のあぶり寿司
・九十九里産蛤餡の湯葉蒸し
・自家製からすみ
・いちじくの田楽
・お造り(大トロ、つぶ貝、鯛)
・タラのしらこ餅のスッポンスープ
・越前産セイコ蟹
・対馬産のどぐろ
・雲丹の茄子乗せ
・萩産クエの酒蒸し
・丹波産栗の穴子モンブラン
・厚岸産大黒ししゃもの天ぷら
・いくらごはん
・静岡産生シラス
・モナカ入り自家製アイス

日本酒
・湊屋藤助(新潟)
・日高見(宮城)
・東一(佐賀)
・雨後の月(広島)
・鍋島(佐賀)

いきなりお寿司と少しびっくりしたが、脂ののった鯖を幾分緩め加減で酢締めして、甘みのシャリと合わせた一品。2品目の湯葉蒸しは京料理の定番の1つだが、九十九里産の蛤餡が優しくオブラートされていてとても上品な一皿である。

 

自家製カラスミは天草産のボラの卵巣を約1ヶ月塩漬け天日干ししたものだが、まだちょっと走りの段階。そのせいか、お酒のアテとしては少し物足りない感じ。続くいちじくの田楽は上から白味噌と練りごまで味付けされているのだが、これは絶品。甘みとトロみがうまく溶け合い、コース料理序盤のデザートもしくは箸休めと言ったところだろうか。

 

お造りの大トロはボストン沖で獲れた200kg級の大物。大間だろうがボストンだろうが、やはりマグロは大きいものが美味しい。つぶ貝は北海道霧多布産の大粒貝。それゆえに内臓部分は毒があって食べれないとか。鯛は鹿児島の天然ものでコリコリで歯ごたえがいい。で、私が一番喜んだのがわさび。静岡市有東木の極太わさびをすり下ろしたもので、その粘りと甘辛さは飲兵衛にはたまらない。旨いわさびはそれだけで酒が飲める! こうなると、酔いが少し回ってきた私らと寡黙そうだった大将との会話もリラックスし始める。(笑)

 

タラのしらこ餅のスッポンスープは見た目はどことなくお雑煮のように見えるが、コラーゲンたっぷりで、それに山形県庄内産の赤ネギの甘みが絶妙にマッチングしていて、なんか一足早いお正月気分にさせてくれる。越前セイコガニは2杯酢のジュレで味付けされているが、これは舌が蕩けるような至福的な美味しさ。

 

そして、のどぐろは長崎県対馬の紅瞳ブランドもので、フワッとした妙妙たる焼き方は旨味を凝縮していて、これまで食べたのどぐろの中でも文句なしに一番。添えられているフルーツほおずきは、相方の好物らしいのだが私は初めて。見た目はプチトマトだが、味は南国フルーツのような甘みがあり、これが中盤のデザートというか口直しという雰囲気だろうか。


 

さて、終盤戦である。w 雲丹の茄子乗せは群馬県産青ナスに北海道浜中産の極上雲丹。これなら食材さえあれば自分でも作れるなあ、なんて思いながら食べたが、すぐにそれが愚かであることを悟る。もう飲んでいてよくわからなかったが、料理人の小技は凄い。萩産のクエは程よく柔らかく、京料理風の出汁もエレガント。続いて出てきた穴子の食べ物は何かなと大将に聞くと「穴子のモンブラン」という答えが。それには思わず苦笑してしまったが、穴子の下には特大の丹波の蒸されたのか裏ごしされた栗が隠れているではないか。なるほどと思わされる一品だった。

 

大黒ししゃもは通常の2倍以上の大きさのもので、北海道厚岸の特産品とか。脂ののりが非常によく普通のししゃもより味に深みがある感じ。初めて食べたけど、ちょっとクセになりそうな苦味と渋味と甘味がある。いくらごはんも美味しかったが、それ以上に美味しかったのが生シラス。駿河湾でその日に獲れたもので、新鮮なプリプリ感は飲兵衛には堪らない。こういうシンプルなものほど日本酒にマッチしてしまう。そして、最後のモナカアイスは長野産の洋梨を使った自家製アイスに15年もののシェリー酒の味付けがされたものだった。

 

ということで、全部で味も生産地も色とりどりの15品。ボリュームもあり、飲兵衛への料理としてはこの上なし。恐悦至極な品々であった。ただし、お酒が飲めない人には申し訳ないが、この店をお勧めすることはあまりできない。また、ある程度料理や食材の知識がある人と訪れた方が、店主との会話も進むかと思う。その意味においては、ここは大人のというか通の人にお薦めの店である。

 

四谷 うえ村割烹・小料理 / 四谷三丁目駅曙橋駅四ツ谷駅

夜総合点★★★★ 4.4





金曜日, 11月 20, 2015

絶対的な日本人ストッパーがいない

昨日の世界野球プレミアム12準決勝・日韓戦で、日本(侍ジャパン)は、大谷翔平が7回まで無失点の好投をしていたにもかかわらず、9回に4点を失い、韓国に逆転負けした

ではこの試合なぜ日本が負けたかを分析すると、まず第1に気まぐれ審判(主審)に翻弄されたことがある。審判のせいにしてはいけないことは重々承知だが、あの主審は最初から最後まで酷かった。前半はストライクゾーンがかなり広かったのに後半は狭くなったり、9回のデッドボールにしても疑惑だらけだと。審判としての資質は???だらけである。まあ、あんな審判が主審をするのだから、大会運営のレベルが低いという証でもあるが。

次に小久保采配の継投ミスだろう。どうして則本を9回も投げさせたのだろうか。9回は抑えの投手が何人もいるのだから、彼らに投げさせればいいはずなのに・・・。そして、それができなかった日本プロ野球そのものもが敗因の一つだろう。つまり、プロ野球各チームが抑えを外国人投手に頼っていて、絶対的な日本人ストッパーを育てていないということである。

つまりに、プロ野球は日本人ストッパーを育てていないというツケが負けという形で現れたのである。

土曜日, 11月 14, 2015

おせち料理はこれに

毎年おせち料理をどうするかに悩む。そして、悩んでいるうちに、良いなあという思うものは予約が終了していて、結局は年末にスーパーかデパートで安いものを買って、新年を迎えている。しかし、今年は一念発起して、少し高くて美味しいものを食べようかと考えて、いろいろなサイトを見たり、デパートを歩いたりと“大研究”した。その結果、毎月フルーツを送ってもらっている山形県鶴岡市の清川屋のパンフにあったものを頼むことにした。

なぜこれにしたかといえば、まずおそらくほとんどの食材が地の魚・地の肉・地の野菜だと思え、冷凍物を使わないというのがいい。そして、作り立てのものを冷蔵便で届けてくれるという。限定各50箱ということなので、おそらく料亭の料理人たちがちゃんと作ってくれると思う。

それにしても、山形で作られたおせちが届くのである。その昔ならとてもじゃないが考えられなかった。

ということで、大晦日に届くご先祖の地のおせち料理を楽しみにしている。

水曜日, 11月 11, 2015

シャンパンを飲めるようになってしまった

最近シャンパンが飲めるようになってしまった。これまでは最初の一杯は「とりあえずビール」派だったのだが・・・。

私はもともと白ワインが得意でない。今でも得意ではない。特にシャルドネ系の白ワインは酸味が強く、飲んだ後に食道が逆流するような胸やけな気分になる。軽めのソーヴィニヨン系にしても、妙にぶどうっぽい味で口に合わない。そういうこともあって、シャンパンやスパークリング・ワインはほとんど飲むことはなかった。

ところが、この1〜2年相方と食事するようになってから「フランス料理にはビールよりシャンパンの方が合うわよ」と言われて、彼女に合わせるようになってしまった・・・。まあ、ビールにしてもシャンパンにしても炭酸が入っている点では同じようなものだが、ヤバいです。(笑)

美味しいシャンパンは、開けた翌日でも美味しい白ワインとして飲めるらしいが、そういう体験をしたことはない。ワインにしてもシャンパンにしても、開けたらその日のうちに飲まないと。w

金曜日, 11月 06, 2015

美食日記「エスキス」(銀座)

いつもの相方の誕生日祝で銀座にあるフランス料理店「エスキス」を訪れる。お店は数寄屋橋ソニービルより銀座4丁目側へ1つ先に行った通り、三笠会館の真向かいにあるビル9階にある。「ESqUISSE(エスキス)」とは素描という意味で、シェフが料理を創るときに必ずイラストを描くから店名になったそうである。

店内は白を基調とした飾りっ気ない空間。語弊のある書き方かもしれないが銀座とは思えないほどカジュアルな造り。しかし、お店を支える料理人たちは凄腕揃いのようで、エクゼクティブ・シェフはハイアット・リージェンシー内にある「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」のシェフとして腕をふるったリオネル・ベカさん。シェフは恵比寿「モナリザ」や大阪、台北のレストランで活躍した村島輝樹さん。そして、シェフパティエの成田一世さんは内外のロブション系の店でお菓子造りをした経歴を持つ。

さて、この日いただいたメニューは下記の通り。なおワインはその日の料理に合わせてセレクトされる5種類のワインをいただく”ヴァン・ド・ギュスタシオン“を頼む。

・フォアグラと絹さやの洋梨包み
・富士山麓で育った鱒
   〜きゅうり、マッシュルーム、サワークリームと共に〜
・銀杏、長野県産姫リンゴで彩るオマール海老
   〜パブリカのピューレを添えて〜
・瀬戸内海産真魚鰹
   〜ういきょうのソースでさっぱりと青リンゴ、生海苔のチュイルで
・鳥取県産熟成肉を味噌の香りで
   〜旬のお野菜をご一緒に〜
・柿のサフランジェリー
   〜ぶどうのソルベでマールの香り〜
・五所川原産赤りんごと南のフルーツ
   〜ドラゴンフルーツ、パッションフルーツで絵画風仕立てに〜
・ミルフィーユの誕生日ケーキ
   〜いろいろなフルーツをのせて〜
・飲み物と小菓子(マカロン、ヌガー、カヌレなど)

はじめの一杯(乾杯)は木村硝子製のグラスでシャンパンのマルゲ。それに合わせて出てきた1品目はフォアグラが絹さやのちょっとした苦味と洋梨の甘さに溶け合い、軽やかな味わいになってた乙な一皿。出された皿も錫製で、これも乙である。

 

ここでパンとバターと塩が登場。バターはフロマージュブランと発酵バターをホイップしたもの。塩は小皿に"ESqUISSE"の"E"の文字で描かれて出される。塩はオーストラリア産で結晶は大きいがさほど塩っぱくなく控えめ。相方は「これにメープルシロップや果物のソースを添えればスイーツになりそう」と。バターナイフが木製というのは日本を愛するシェフの趣向だろうか。

 

2品目は富士山麓のくぬぎ養鱒場で育ったくぬぎ鱒(富士レインボー)を使った料理。鱒は軽くミディアムレア程度に焼いたもので、それをマッシュルームとブドウの泡ソース、クレソンのクリームソースなどをチョイスしながらいただく。柔らかい食材をに柔らかいソースという取り合わせで、ちょっと日本料理かと思うようなさっぱり感を味わう。

 

3品目はオマール海老。これまた前品同様に銀杏、姫リンゴなど旬な食材と合わせながら楽しむという趣向。パブリカのピューレの味も清々しく美味。

4品目。メインの魚料理は真魚鰹。マナガツオというと西京焼きを思い出してしまうが、こちらは軽くポワレしたものをういきょう(フェンネル?)のソースでいただく。上に乗った青リンゴの酸味、生海苔の甘味も程よく上品で、これまたどことなく和風テイスト。

 

5品目。メインの肉料理は熟成肉。熟成肉は鳥取県産の牛肉を長野県の味噌屋さんの蔵の一角を借りて2〜3週間熟成して作られたもの。おそらく低温調理されていると思うのだが、その柔らかさは尋常でない。エスキスのホームページよると、シェフはフランスでチーズの熟成庫で熟成させると神の域に達するほど素晴らしい熟成になることを勉強したので、チーズの熟成庫の代わりに味噌蔵で熟成させることを思いついたとのこと。大豆やチーズなどの香りが含まれたような肉で、これまで食べた熟成肉では文句なしに一番の美味しさだった。トレヴィアン!

あとはデザートなので左党の私は本来なら書くことを割愛するところだが、これが何もかも美味しく驚嘆の連続だった。1品目の柿のサフランジェリー。何層かに分かれているジェリーにレーズンなど果物が入っていて、デザートというより食前酒のツマミになりそうな感じだった。w

2品目は石塚硝子製(?)の大きな(そして重たそうな)ガラス皿に北の赤りんごと南のフルーツが現代絵画風にデコレーションかつ甘くコラボレーションしている。

 

3品目は誕生日ケーキ。電話でオーダーした時は「8センチぐらいのもの」という応答だったので、簡単なものが出てくるのかと思ったら、どう見ても10センチ以上はあろうかというミルフィーユのケーキ。パイ生地の厚さとカスタードクリームのボリュームに驚き。そして、そのしなやかな甘さとサクサク感は飲兵衛の私でも癖になりそうな美味しさ。その後に出てきた小菓子はマカロン、ヌガー、カヌレなども美味で言うことなし。

最後にお喋りな我々に丁寧に応対してくれたサービスマン(バレエダンサーのようなすらっとしたイケメンくん)に謝礼を言って、同じビルの地下にあるサロンバーの「サロン・ド・エスキス」(写真下)へ席を移した。


全体の感想としては、料理はフレンチなのだがクラシックなソースはほとんど使わず、日本料理を連想させるかのように食材の味を上手に引き出している。そして、デザートはどんな女性をも虜にするような味を持っていると思う。

なお美味しいパンはお店で午前9時半〜11時まで限定発売。また9月24日からは和光アネックスでも発売されている。相方は「絶対に買いに行く」とお気に入りだった。かくいう私もいくつも食べてしまった。w

エスキス
http://www.esquissetokyo.com/

エスキスフレンチ / 銀座駅有楽町駅日比谷駅

夜総合点★★★★ 4.8

木曜日, 10月 29, 2015

ラグビー・ワールドカップ2019のロゴ

主将リーチ・マイケルや五郎丸歩らによる日本代表の活躍で異様な盛り上がりを見せているラグビー・ワールドカップ。その2019年大会は日本で開催されるのは周知のことだが、一昨日(27日)そのロゴが発表された

写真にあるように、ロゴは楕円形のラグビーボールを斜めに切り、そのなかに富士山と朝日をあしらったものという。また、キャッチに「日本」と漢字を入れているなど斬新な部分もある。デザインはアメリカの会社ということらしい。

それにしてもこのロゴはセンスがいい。ラグビーボールの楕円部分が「W」に見えて、World や Win という文字を連想させる。また富士山は頂点を意味しているようにも思え、このロゴにはラグビーならではの闘志とノーサイド精神をうまく表していると思う。

おそらくこのロゴはオリンピックのようなパクリとは思えない。というのも、発表されて2日経つのに、未だにネット上ではパクリ疑惑の指摘は起きていない。

こう見ると、佐野研二郎がデザインしたというか東京オリンピック組織委員会が作ったロゴのセンスの愚かさがよく解る。そして、これでこれから新たに作られるオリンピックロゴには富士山と漢字は使えなくなってしまった・・・。

金曜日, 10月 23, 2015

美食日記「ジビエる」の季節

説明を追加
ジビエの季節である。地元の行きつけのお店から「珍しいジビエが手に入りますよ」と連絡を受けたので、今季初の「ジビエる」をしてきた。ジビエは以前は一部のフランス料理店でしか出されていなかったが、最近は流通が良くなったのであちこちのレストランで提供してくれる。

ジビエと言っても大きく分けて2つある。国産物と輸入物である。国産物は主に獣系が主体で猪、蝦夷鹿、熊、ウサギなどである。これは江戸時代にあった「ももんじ屋」という猪、鹿、馬などを食べさせたお店の伝統を受け継いでいる(明治以降は猟銃が普及して鳥類も獲るようになるが)。一方、輸入物は鳥類が主体で、鴨、シギ、キジ、ウズラなどである。ということで、ほとんどのフランス料理店で出すジビエは鳥類である。そして、今回いただいたのはなんと雷鳥。

雷鳥は日本では特別天然記念物になっていて、もちろん狩猟も捕獲も許されていない。日本の雷鳥はニホンライチョウという種類のもので標高2000mと以上の高地にしか生息しておらず、その数は推定3~4000羽と言われている絶滅危惧種。一方、ヨーロッパでは色々な種類がいて、野生化(ソバージュ)しているものも多いという。それでも、希少価値の鳥類であることに変わりはない。

で、この日いただいたメニューは下記の通り。

・きのこのポタージュ
・サンマと秋なすのゼリー寄せ
・スコットランド産雷鳥のロティサルミソース
・バケット
・フォアグラのリゾット

雷鳥の肉は歯ごたえ十分でしっかりした筋肉質。歯が悪い人は噛み切れないかもしれない。味はコクがあり濃厚である。たまらないのが肝。少し苦味があるがさらに濃厚な味で、シャンペンや赤ワインにはマッチして飲兵衛には堪らない。

 

雷鳥は希少なものだからなかなかお目にかかれない。しかし、ジビエ好きならばチャンスがあれば食べるのも一考である。ただし、お酒がかなりすすみますよ。(笑)

木曜日, 10月 22, 2015

サッカーのゴールは大きくすべきかも

先日、大相撲の土俵は広げるべきだと書いたが、昨晩のACL準決勝・ガンバ大阪 vs 広州恒大戦の0対0の試合を見ていると、サッカーのゴールも広くしないとまずいのではないかと思った。

サッカーはこの10数年世界各国のリーグ戦における1試合当たりのゴール数は1試合当たり平均2.5~2.7あたりで推移している。しかし、ゴールキーパーの大型化(日本では180cm以上、世界では190cm以上)が当たり前になっているのだから、シュートする側からすればゴールは狭まって見えるはずである。これでは点数が入りにくくなるに決まっている。

観客には点数の入らない試合は面白くないという不思議な心理がある。アメリカでバスケットボールの人気が高まったのは3点シュートを導入して、点数が多く入るようになったからだと言われている。それに比べてサッカーの人気がいまいちなのは点数が少ないからだとも言われている。

ラグビーはその昔トライは3点(ゴールも3点)だった。それがトライは4点(ゴールは2点)という時代を経て、現在はトライは5点(ゴールは2点)と点数は若干だがインフレ化した。しかし、トライ重視の点数制によって南半球では絶大な人気を博するようになったとも言われている。

なんでも点数が多ければいいということではないが、あまりにも点数の入らない試合は観ていて正直つまらない。ゴールキーパーには少し受難な時代になるかもしれないが、サッカーのゴールも現行の高さ2m44cm・左右7m32cmを、高さで5cm、左右で10cmは広げるべきだろう。そうすれば、現在の1試合当たりの平均得点も3.0ぐらいまでには上がるのではないだろうか。

月曜日, 10月 19, 2015

なぜマイナンバー制に試用期間を設けなかったのか

マイナンバー制が実施されようとしている。

このマイナンバー制、納税、社会保障、年金、健康保険などに利用すると、脱税、生活保護や年金の不正受給などの防止にかなりの効果を発揮する。しかし、すでに問題になっているように情報漏洩によって、詐欺をはじめとして色々な問題が起きると大いに懸念されている。いや、間違いなく詐欺などの数多くの問題が起きるだろう。

こうしたことが起きると予想されているのに、なぜ国は試用期間を設けるなどしなかったのだろうか。例えば、国会議員をはじめとした国家公務員及び地方公務員及びその家族を対象にして、1年間でも試用期間を設ければ、問題点も洗い出すことができ、一般国民に及ぼす影響は少なかったはずである。

それができない理由は一斉に行わないと初期費用に多額の金がかかるなどとかなんとか言うに決まっているが、問題が起きてから修復する方がもっと費用がかかるだろう。

国会議員をはじめ公務員にはお手本を見せるというか自己犠牲という精神がまったくない。

マイナンバーご注意!! カード作成 急がず考えて
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015101102000122.html

金曜日, 10月 16, 2015

卵を割るのが日本一下手かもしれない

英語で「卵を割る」は break an egg open と言う。open が付いているので日本語より丁寧な言い方な感じがする。

と言うマエフリには全く関係なく、私は卵を割るのが苦手だ。いや下手だ。

人間誰しも得手不得手というのがある。私は指先の感覚は悪い方ではないと思っている。子供のころピアノのクレッシェンド・ピアニッシモの使い方は「上手い方だね」と言われた。野球の変化球もカーブ、スライダー、シュートと投げ分けることができた。バスケットボールでもいろんな形のシュートをすることができた。パソコンにしても人よりかなり早く習得している。料理も男としては色々なことをこなす。しかし、しかし、卵を割るのが下手だ。この微妙な感覚だけはなぜか慣れ親しまない。

朝、目玉焼きを作って食べるのだが、2〜3週間に1回は目玉焼きでなく、写真のように目玉崩れ焼きになってしまう。卵を割るコツとかあるのだろうか。

とここまで書いて、飲み屋の大将に聞いたところ、卵は角で割るのではなく平面もしくは大きなボールの湾曲した側面で割る方がいいとのこと。今後は角で割るのは止めることにしよう。

火曜日, 10月 13, 2015

売れ残った花の運命は・・・

私のモットーは花鳥風月だが、その意味は「花は女性、鳥は飲食、風は芸術、月は旅行」といたって自己満足的なものである。ただし、本来の花・鳥・風・月もかなり愛でている。そんななかで、花に関しては世間のおじさんよりはちょいと詳しいのではないかと自負している。(笑)そんな私が以前から不思議に思っているのが、花屋さんで売れ残った花の行き先についてだ。

好景気、不景気にかかわらず街中にある花屋さんは、不思議と整然と営業を続けている。花屋さんが開店するのはごくたまに目にするが、閉店するのはあまり見かけることがない。それだけ日本人にとって花は親しみのあるものだろう。日本人ほど季節感をしっかり認識した民族は世界的にも珍しいと思うし、花に対する知識および愛で方もかなり高いと思われる。また、仏前に花を供えるといった習慣などもあり、花屋の浮き沈みは少ないのかもしれない。

しかし、思うのは売れ残った花の行き先である。その疑問を先日あるところで話をしたら、偶然にも以前花屋さんでバイトしていた人がいて、彼女曰く「売れ残った花はまず値引きするか、ご贔屓のお客さんに無料であげます」とのことだった。それでも、残ったら店員やその友達が持ち帰るそうである。しかし、最後は産業廃棄物として処分するしかないという。う〜ん、もったいない。ただし、それは食物でも同じことなのかもしれない・・・。

日本は贅沢な国の一つである、と肝に銘じたい。

水曜日, 10月 07, 2015

美食日記「紀風」(恵比寿)

東京の美味しい日本料理店エリアといえば、以前は神楽坂だったが、近年は四谷三丁目や青山周辺にもいくつもの名店がある。また、恵比寿駅東口一帯にも続々と美味しい日本料理店が誕生している。今回は昨年4月に恵比寿1丁目にオープンした「紀風」を訪れた。

以前にも書いたが私は日本料理店を予約するときは必ずカウンター席をお願いする。「紀風」はL字カウンター6席と4人用個室が2つというお店なのだが、私たちが訪れたときは天気予報のせいもあり、幸運にもカウンター席を2人で独占するというか、結局はお店貸切状態で食事をすることになってしまった。こうしたお店側からすれば不幸な状態にもかかわらず、店主とスタッフは心の籠った献立を提供してくれた。

先付 栗、えのき、帆立ての和え物
八寸 〆鯖菊花ジュレ、鱧卵塩辛、柿・春菊胡麻和え、鴨スモーク・卵黄味噌漬
お椀 菱蟹真丈、松茸
お造 淡路産真鯛、気仙沼産鰹、鵡川産ホッキ貝、兵庫産鮟肝
焼物 鴨川産ノドグロ杉板焼、柚子大根、焼椎茸
しのぎ イクラすり流し寿司
焚合せ 昆布森産牡蠣の蕪おろしみぞれ仕立て
食事 きのこ御飯と香の物
甘味 柚子プリン、グリーンティアイス、梨のコンポート

日本酒
・善知鳥【うとう】(青森)
・天の戸 美稲【うましね】(秋田)
・杉錦(静岡)
・俵雪(山形)

先付は手の込んだものではないが、私らが飲兵衛であることを見透かしたような一品で、私はとりあえずの「生ビール」を一気に、相方は白ワインの「サンセール」をサラッと飲んでしまった。そして、続いて登場した秋の風景に彩られた八寸は、私に「早く日本酒を飲め」と言わんばかりの品々。なかでも、初めて食した鱧卵の塩辛は日本酒にはぴったりの珍味。鱧を扱うお店のみなさん、これからは鱧の卵は捨てることなく塩漬けなどにして、美味しい料理に変貌させてください。お願いします。あと、卵黄味噌漬、〆鯖菊花ジュレも頬が落ちるどころか、唇がとろけるような美味しさだ。飲兵衛にこういうものを食べさせてはいけません。(笑)

 

お椀は京風というかさっぱり味の出汁に菱蟹真丈と松茸が入っている。菱蟹は滅多に口にできるものではないので、時間をかけて味わってみたが正直よく分からない。ここはオーソドックスに毛蟹の方がいいかもしれない。お造は日本各地から取り寄せたものだが、ちょっと驚いたのが兵庫産の鮟肝。鮟鱇というと茨城など太平洋側の魚というイメージだが、意外や意外、兵庫や鳥取など日本海側でも取れるとのこと。そこで調べたら島根県では年間数百トンの水揚げがある。知らなかった〜。

 

焼物はテニスの錦織圭くんの一言で品薄となってしまったノドグロ。これはもちろん美味しいのだが、それにも増して炭火で蒸し焼きにされた椎茸が絶品。傘に炙りだされたエキスは椎茸がこんなに旨いものなのかを再認識してくれるような料理。思わず心のなかで「椎茸さん、ごめんなさい。今後は自宅でももっと美味しく料理します」と懺悔してしまった。しのぎのイクラすり流し寿司は寿司ご飯があるから、こういう名がつくのだろうが、主体はあくまでもイクラを半熟にゆでて、濾したスープのようなものである。これまた表現のしようがないトロトロ感のある美味しさ。ワンダフル!

 

焚合せは大粒の北海道昆布森産の牡蠣が3つも入った蕪おろしみぞれ仕立て。仄かな柚子の香りも優しく、お浸しのようなほうれん草にもしっかりと味が加わっていて、献立後半に出てくる料理としてはもったいないぐらい。食事のきのこ御飯には平茸、花びら茸、山えのき、舞茸が入っている。これで松茸も入っていたらと思うのはちと贅沢すぎるか・・・。

 
 
お酒は私と相方の祖先が東北であると初めに話してしまったためか、東北3県プラス静岡というラインナップとなった。「善知鳥」は「田酒」を作っている蔵元のもので、大吟醸のお酒のなかでも最高峰と言われるぐらいキレのある美味しいお酒だ。「天の戸 美稲」は横手のお酒で初めて飲むが、お米の味をしっかり表現している。「杉錦」は甘味と酸味がほどよく混ざりあったコクがある。「俵雪」は鶴岡の喉越しがスッキリの銘酒。余は満足である。w

 


店主の城田澄風さんは天ぷら店と京料理店で修行をされたそうだが、その人柄というか料理に対する美意識の高さに関心させられた。出された器は各地の銘品であることはいうまでもないが、壊れたものも金継ぎして再利用している。いくつかの金継ぎの器を見せていただいたが、お猪口や醬油挿しなどは以前より風情も価値もあるのではないかという感じであった。

開店して1年半ということで、お店は少し落ち着いたころかもしれないが、今後も感性豊かな和の美学を追究して美味しいものを作りつづけていくに違いない。また、再度訪問しなければならない店に出会ってしまった。困ったものである。(苦笑)

紀風
http://ebisu-kihuu.com/

紀風懐石・会席料理 / 恵比寿駅広尾駅

夜総合点★★★★ 4.6

木曜日, 10月 01, 2015

脳トレ実践中

先日知人の姑さんが亡くなったという話を聴いて「お幾つだったのですか」と聞くと「100歳」との答が返ってきた。ちょうど階段でその話をしていたので、私は思わず階段を踏み外しそうになってしまった。ただ、今や100歳は不思議でもなんでもない。当たり前というかごく普通になっている。私の伯母も寝たきりではあるが97歳である。もう一人の伯母は93歳で矍鑠としている。私の母親も91歳である。

女性は長生きである。我々男性はとても太刀打ちできない。(笑) ただ、ボケは男性より女性の方が進行が早いといわれている。ある友人の母親は80歳を少し過ぎたばかりなのに、施設に入ってしまったせいもあるかもしれないが、すでに息子(友人)の顔も名前を覚えていないという。いくらなんでも、80過ぎで子供の顔も名前も覚えていないとは悲しい・・・。

ということで、先日より母親のボケ防止のために脳トレを開始した。まずは『脳を鍛える大人の計算ドリル』を購入。この本の説明によると1日分(2ページ)を1分で解けば金メダル、1分半ならば銀メダル、2分ならば銅メダルとうことになっている。

母親は1日目は約5分かかったが、5日目には約4分までに縮まった。これは慣れということもあるだろうが、ちゃんと脳トレになっている証ではなかろうか。ちなみに、私はまだ1回しかやっていないが1分半で終わった。(エヘン w)