月曜日, 4月 17, 2017

リモコンのデザインの統一を

自宅には3台のテレビとCATVのチューナーが1台あるので、リモコンが4つもある。しかし、いつも戸惑うのが「選局」(チャンネル)と「音量」の位置。

パナソニックは右側に「音量」があるのに、シャープは「選局」がある。これってJIS規格とかないのでしょうか。最近は地図の記号をIOS規格にしようとしているが、その前にこうした身近なものの規格を統一してもらいたいもんだ。

木曜日, 2月 23, 2017

如月の三枚看板 喬太郎 + 文蔵 + 扇辰

昨日(22日)は銀座ブロッサムで開かれた落語会「如月の三枚看板 喬太郎 + 文蔵 + 扇辰」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

橘家かな文 『道灌』
橘家文蔵  『ちりとてちん』
柳家喬太郎 『抜けガヴァドン』
 〜 仲入り 〜
入船亭扇辰 『薮入り』

開口一番の 橘家かな文は前座で橘家文蔵の弟子。会場が広いためか客層が定席と少し違うためか、かなり上がった感じというか、観客の反応を掴むことなく一本調子で噺を進めていく。もっともっと場数と雰囲気を学んでいってもらいたい。

開演15分前ホール入口で相方が来るのを待っていると、私の前を汗だくで私服にバックを担いだ橘家文蔵が横切る。その文蔵師匠の枕はなんとパチンコで確変が止まらなくなったのに、後ろ髪を引かれる思いでこちらに駆けつけたと(出番が仲入り後だったら良かったのにねえ w)。その文蔵の演目は朝ドラでも有名になった「ちりとてちん」。かなり脚色を加えてオーバーアクションで噺を進め場内大笑い。これまで何度かこの演目を聞いてきたが、文蔵師匠の「ちりとちん」はもはや「チリトテチン」という趣きの落語であった。

柳家喬太郎の本来の出囃子は「まかしょ」である。それが「ウルトラQ」で登場。それなのに、喬太郎師匠は「古典をやります」と宣言。枕もなく『抜け雀』を演じ始める。ところがいつしか噺が喬太郎ワールドというかウルトラマンの噺に。これには場内唖然というより「待ってました」とばかりに拍手喝采。いまや円谷プロも公認の「ウルトラマン落語」。現代落語の大ヒット作である。ただ、誰か受け継ぐ噺家がいるかという懸念はあるが・・・。w

トリは「奇声を発する2人の後はもうイヤだよ」という入船亭扇辰がきっちりと古典落語を演じる。薮入りで一時帰宅する息子のことを待ちきれない父親の愛情を描く。冒頭の父親が眠れないながらカミさんと交わす会話。朝から落ち着かない父親の姿。そして、帰って来た子供とまともに顔を合わすことができない様子など、どこにでもあっただろう長屋での光景を作りあげる。ただ、いきなり15円と言われても解らない人も多いだろうから、時代背景をもう少しつけ加えた方がいいかもしれない。

タイトルに「如月の三枚看板」とあるが、この3人は落語協会60代の三枚看板である「大吟醸の会」の柳家さん喬 + 柳家権太楼 + 五街道雲助に並ぶ、50代の三枚看板と言っても過言ではないだろう。それにしても、三者三様の落語感を体で表した素晴らしい落語会だった。

補足:ガヴァドンは1966年(昭和41年)10月23日に放送された『ウルトラン』に登場する怪獣。

木曜日, 2月 09, 2017

春風亭正太郎@チェロキー寄席

昨日(8日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で春風亭正太郎出演の第17回「チェロキー寄席」を聞く。

春風亭正太郎は生まれも育ちも目黒区。現在の住まいも目黒区という私同様の生粋の目黒っ子。最近は東横線沿線のよしみか柳家喬太郎の落語会に助演したり、また地方から単独で呼ばれることも多く、その実力と共に売れっ子街道まっしぐらである、かも。

1席目は「ふぐ鍋」。十返舎一九の笑話集から上方落語の二代目林家染丸(1867年〜1952年)が作った落語と言われ、上方では広く演じられているが関東では演じるする人は少ないらしい。私は初めて聞く。

お話はふぐ鍋を前にお互いに躊躇するある家の主人と幇間の大橋さん、そこへ現れたおこもさん(=乞食)に毒味をさせようとするも、結局は自分たちが先に食べてしまうという単純明快な滑稽噺。登場人物が主人、幇間、乞食の3人だけということもあり、正太郎はそれぞれのキャラクターを明快に描き上げ快活に噺を作っていく。正太郎はこうした滑稽噺が得意である。東京湾でもトラフグが獲れるようになった今日であるから、関東でもこの噺をどんどんと広めていってもらいたい。

2席目は「紺屋(こうや)太夫」。神田紺屋町の染物職人・久蔵が吉原の三浦屋・高尾太夫に恋患いをしてしまう。それを医者の竹之内蘭石の助言により3年間あくせく働き10両を貯めて彼女と会う。そのあとは聞いてのお楽しみの一席。「幾代餅」も似たような噺だが、「紺屋太夫」の方が登場人物や吉原の描写が難しそう。正太郎もまだしっかりとこの噺をモノにしているとはいえず、所々で噛んでしまう。そういう意味においては少し背伸びをしているのかもしれないが、真打を目指そうという落語家たる者、難しい噺にどんどん挑戦すべきであり、いつの日にか吉原を舞台にした大ネタ「松葉屋瀬川(雪の瀬川)」を演じられる落語家になってもらいたい。

さて、次回(3月8日)のチェロキー寄席は春風亭正太郎と二人会を行っている入船亭小辰(師匠は入船亭扇辰)。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

火曜日, 1月 17, 2017

Shuhari yamadanisiki 2014

昨年のことになるが、あるお店で素晴らしい日本酒と遭遇。それは京都市伏見にある松本酒造が手がけた澤屋まつもと「守破離」特上山田錦(Shuhari yamadanisiki 2014)。

この日本酒、日本酒のようで日本酒でない。いや日本酒でないようで日本酒なのである。最初口にした時は酸味が強くなんかシャンパンかスパークリングワインを飲んでいるような感じになる。実際、ある日本酒通販サイトには「開栓時注意 ガス圧が強く蓋が飛ぶ可能性がございます」と書かれている。そして、その炭酸ガス感を味わった後は、すぐに透明感のあるマイルドな甘辛さが伝わってくる。おそらくかなり欧米人ウケする日本酒なのではないだろうか。というのも欧米人はガス入りの水を好むからだ。

これまでにもガスが強い日本酒(活性原酒)は飲んだことがあるが、これほど優しい味わいのある日本酒は初めて。ただ、残念なことにこの日本酒、限定500本らしく飲むチャンスは残念ながら少ない。なお、ラベルは杜氏自らの直筆によるもので、その気合のほどが表れている。いつか限定でない商品になることを願いたい。

金曜日, 1月 13, 2017

美食日記「モノリス」渋谷

昨年12月のことですが。

伊勢丹のシャンパン・フェアで買ったシャンパンを飲むために、持ち込みのできるお店をBYOのページで探したら、渋谷の名店「モノリス」があるではないか。前回訪れたのは3年以上前だが、なかなか再訪する機会がなく、これはチャンスとばかり電話して予約。

店内は黒を基調としながらも明るいモダンな雰囲気。3年前に訪れた時はもう仄暗くシックな感じだった。支配人に聞くと2015年4月に改装したとのこと。この日いただいたのは「クリスマス・メニュー」。

・アミューズ(豚のリエットのエクレア風)
・人参のムース、ズワイガニ、イクラ、雲丹
 コンソメジュレ寄せ、柚子風味
・フォアグラのポワレとなめこを浮かべた栗のスープ
 茶碗蒸し仕立て
・イトヨリ鯛と海老のムースのクッション仕立て
 軽やかな甲殻類のソース
・黒毛和牛A5サーロインのロースト
 トリュフ風味のサラダ、ムスクランを添えて
・フォンショコラ、バニラアイスクーム添え
・コーヒーまたは紅茶
・サンタクロースのプレゼント

ここの驚くべきことはそのボリュームである。一品ごとの量には驚かさせられる。最初のアミューズは別にして、2皿目のムースは明らかに通常のフレンチのお店の倍以上はある。写真を見ると、このガラスの器は上げ底に見えるのだが、全然上げ底ではなく逆に底が深いぐらいだ。その分しっかりとムースが入っている。おそらく他店ではこの半分がいいところだろう。

その後に出てきた料理もボリューム感は半端でない。ただし、味は濃厚といった感じでなくどのお料理も味とボリューム感がマッチしていて飽きを感じさせることはない。少し時間はかかるもの綺麗に平らげてしまう。

最後にいただいた苺、生クリーム、チョコで作られた「サンタクロースのプレゼント」は可愛かった。相方はこれは使えると一生懸命写真を撮っていた。w 

「モノリス」はおそらくクラシック・フレンチのジャンルに入るのだろうが、その味というか感性はどことなくニューヨークのようなアーバンスタイルという印象だった。また美味しいシャンパンやワインを手に入れた時に一緒に美味しい料理を食べたいと思う。皆さんもBYOを楽しみましょう。


 

モノリスフレンチ / 渋谷駅表参道駅
 
夜総合点★★★★ 4.5


木曜日, 1月 12, 2017

春風亭朝之助@チェロキー寄席

昨日(11日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で、春風亭朝之助(ちょうのすけ)出演の第16回「チェロキー寄席」を聞く。

朝之助の師匠は江戸前落語家として有名な春風亭一朝(大河ドラマ『龍馬伝』の江戸ことば指導を行なった)。兄弟子には春風亭柳朝(6代目)、春風亭一之輔ら実力派がいる。

枕は落語界の正月の過ごし方というかお年玉などの裏話。落語界の正月は1ヶ月と長いというのは知っていたが、お年玉は楽屋とかだけでなく、街中であった時でも後輩の前座から「明けましておめでとうございます」と言われたら(お年玉を)渡さなければならないと。へえ〜。

1席目は「寄合酒」。酒が手に入ったのでみんなで肴は持ち寄って飲もうと。ただ、その肴はほとんどが近くの乾物屋から勝手に持ってきたものばかり。そして、オチは出汁の作り方も知らないという江戸前のお粗末な話。朝之助はテンポも良く噺をすすめていく。師匠譲りの江戸弁も快活で気持ちがいい。

2席目は「三方一両損」。有名な大岡裁きのお話。左官屋の金太郎が3両入った財布を拾い、落とし主の大工の吉五郎に届ける。しかし、吉五郎は落としたものは自分のものではないと言い張り、受け取らない。それを困った大家が奉行所に判断を委ねるように勧め、大岡越前は自ら1両を足して、2人に2両ずつを渡し、三方1両損として解決する。ここでも、朝之助は畳み掛けるように話を進める。大工を「デエク」といったり、左官屋を「シャカンヤ」というなど江戸言葉が頻繁に出てくる。ただ、難点を言わせてもらえれば、年配の大家の演じ方が今ひとつ弱い。もう少し口調を変えるか、姿勢を変えるとかの工夫が欲しい。最後の大岡裁きのシーンがピシッと決まっていただけに中間部の緩みがもったいなかった。

朝之助は二つ目になってまだ2年だが、実力派一門の技をしっかり受け継いでいる。今後も江戸弁に磨きをかけて古典落語の王道をしっかり歩んでいってもらいたい。さて、次回(2月8日)のチェロキー寄席は若手のホープ・春風亭正太郎。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

木曜日, 12月 15, 2016

入船亭扇辰@チェロキー寄席

昨日(14日)は学芸大学駅近くのチェロキー・ライブ・タバーンで開かれた第15回「チェロキー寄席」に行ってきた。出演はチェロキー寄席生みの親、入船亭扇辰師匠。前回師匠が出演した時は立ち見客まで出て開演時間が30分近く遅れてしまったが、今回は立ち見客こそ出なかったが満席。

1席目は「夢の酒」。枕は席亭であるチェロキーのオーナーと師匠のやり取り。高座と後方にあるカウンター席にいるオーナー(女性)の愚痴話。なかなかの丁々発止に思わずニヤリ。

落語には夢と現実が交錯する噺がいくつかある。「夢の酒」もその一つで、若旦那の夢に嫉妬する嫁のお花をなだめる大旦那が似たような夢を見てしまうというストーリー。私はこの噺聞くのはおそらく初めてだが、いつもながらだが扇辰の芸は細かい。ここではお花の描写の色っぽさが目を引いた。

2席目は「徂徠豆腐」。師匠の十八番である。師匠のこの演目は何度か聞いている。

貧乏浪人だった荻生総右衛門は豆腐屋七兵衛の豆腐とおからのおかげで、本を売ることもなくなんとか飢えをしのぐ。しかし、七兵衛が風邪で寝込んでいる間に総右衛門は長屋を出ていてしまい、七兵衛は総右衛門が「干からびてしまった」と嘆く。その翌日、今度は増上寺門前にあった七兵衛の豆腐屋の隣が火事となり、七兵衛も焼け出される。それから何日か後にそこへ大工の政五郎が現れ「さるお方」から預かった10両を七兵衛に渡す。そして、お店もあっしが建てなおすのでと言って去っていく。この先は・・・。

人情噺の傑作の一つである。扇辰師匠はその噺を時に小気味好く時にしっとりと、とても温かい語り口で話を進めていく。豆腐を食べる描写は本当に美味そうに食べるし、町人と貧乏浪人の掛け合いも滑稽かつ人情味に溢れ、自然と江戸の世界に導かれていく。最後は感涙してしまうほどある。これこそが落語の醍醐味であり、芸の奥深さを味わせてくれる一席だった。前回のチェロキー寄席で聞いた「さじ加減」も上手かったが今回の「徂徠豆腐」はそれに輪をかけて上手かった。扇辰師匠の人情噺は本当に素晴らしい。落語ファンならずとも一度は聞いてもらいたい。


火曜日, 11月 29, 2016

ハロウィンの入院

11月に入ってからなかなかブログを書けない。というより書く余裕がなくなったというべきだろうか・・・。

タイトルにした「ハロウィンの入院」とは、なんか駄洒落のような言葉だが、ハロウィンの日に母親(92歳)が入院したからである。10月31日の朝、母親はベッドからうまく立ち上がることができず、滑るように倒れる。私がその状態を見つけたのおそらく20分から30分後で、すぐにそのまま横に寝かせる。そして、かかりつけの病院に電話して、どうすればいいかを相談。その返事は「頭を打っている可能性もあるので、救急車を呼んで入院してください」だった。ということで、119番して救急車を待つ。

救急車が来ると症状や状態、また病院との電話の話を伝えると、それでは病院へ行きましょう、ということで、母親はストレッチャーに乗せられて救急車で病院へ。もちろん私も同乗。病院へ着くと看護婦さんが待ち構えてすぐにレントゲンとCT検査。

そして、すぐに検査結果が出て、頭にもその他の骨にも異常なしとのこと。ただし、母親は転倒したショックからか全身が硬直してしまって、手足はほとんど動かない。もちろん歩くことはできない。ということで入院となり、その日は医療器具と看護婦さんたち見守れて1日を過ごすことになる。

そして、翌日病院へ行くと、母親はすでに回復していて朝食をペロリと平らげている。これにはさすがに私も唖然であった。ただし、先生から10日ぐらいは入院してくださいと言われる。

母親が入院したことによって私の生活は劇変した。午前と午後1日2回病院へ行かなければならなくなった。もちろん看護婦さんらの手厚いケアがあるとはいえ、個室ということもあり話相手はいないので、何もしていないと痴呆症が進んでしまう。そのために、新聞を読ませたり「脳トレ」や「塗り絵」の本などで、痴呆症が進まないように防止するように努めた。また、杖を使ったり廊下の手すりを使って歩行訓練もさせた。

母親はもともとは外向的な性格ではないので、見知らぬ人との付き合いは上手い方ではない。そのために、リハビリ室でみんなと運動するよりも個人で運動することを好む。そのためにどうしても私が付き合わざるをえなかった。それゆえに、1日1回は廊下を使ってリハビリを行うようにした。

こうした努力が報われたせいか、母親の症状は徐々に良くなっていき「家に帰りたい」と言う出すようになり、結局予定より3日早く1週間で退院することになった。ただし、退院したら退院したで、この後も大変であった・・・。

月曜日, 10月 24, 2016

美食日記「樋口」(北参道)

「樋口」は都内の一流調理人たちが絶賛するという日本料理のお店。知る人ぞ知るという店なのである。ただ場所が原宿から奥まったところにあるためかちょっと訪れにくい。私も以前より訪れたいと思っていたのだが、なかなか行く機会がなかった。

お店は2000年にオープンというからすでに16年なる。ただ今年の7月から3ヶ月かけて店内を完全リニューアル。その再オープンから間もないときに訪問できてラッキーである。以前は6席だったというカウンター席が8席になりカウンターの一枚板も初々しい。また調理場もキレイキレイ状態。こちらもちょっと身が引き締まる思いで、大将(樋口一人さん)の前の席に座る。

この日のおまかせ料理の献立は下記の通り。

・渡蟹と焼き茄子の胡麻和え
・梅とわさびのお吸い物
・カラスミともち米
・石川小芋と鮎、銀杏
・炙ったクエ
・ブリと鯛のお刺身
・松茸と鱧の小鍋仕立て
・玉ねぎと牛のテール
・雲丹と百合根のジュレかけ
・天然うなぎの炭火焼き
・お新香、湯葉の味噌汁、いくらご飯
・自家製の手打ち蕎麦
・デザート
(自家製葛切り)(無花果アイス)
・お土産 特製ちりめん山椒
(※料理写真は撮影不可)

突き出しは「渡蟹と焼き茄子の胡麻和え」。いきなり蟹とは驚かされるが、さっぱり感の蟹と少しトロ味のある焼きなすの胡麻和えが風味良くマッチングしていて、お酒を勧めさせられるような誘惑にかられる。続いてのお椀物の「梅とわさびのお吸い物」は梅の香りが心地よい。出汁は京風の薄味。

「カラスミともち米」。自家製のカラスミはまだ時期が早いために見た目はまだピンク色。それでもねっとりとした食感は美味。もち米のねっとり感との対比も面白い。ここで大将とカラスミ談義が始まり、大将の穏やかな人柄が徐々に引き込まれていく。

「石川小芋と鮎、銀杏」。琵琶湖産の鮎はほうじ茶で煮たものでとても柔らかくとても美味。里芋のような石川小芋、銀杏のそれぞれの歯ごたえの違いを楽しめる小粋な一品。

その後は「炙ったクエ」「ブリと鯛のお刺身」というオーソドックスな魚料理が2品。そのせいか、日本酒(おちょこがオールドバカラ)もすすんでしまう。というより、日本酒のせいでお料理のことをよく覚えていない。m(_ _)m

「松茸と鱧の小鍋仕立て」。松茸は岩手県産で香りも歯ごたえもしっかりして、さすがに国産は美味しいという感じ。岩泉町あたりで採れたものだろうか。ここで大将と松茸談義に。「海外ものではブータン産が歯ごたえがしっかりしていて一番ですよ」と私と相方が勧めると、樋口さんは「ブータン産、知りませんでした。ありがとうございます」と丁重に返されてしまった。(^_^;;

「玉ねぎと牛のテール肉」。しっかり煮込んでるのでとても柔らかい。あまり好きな言葉ではないがジューシーだ(英語ではジューシーというのは肉料理のときに使うのが一般的)。「雲丹と百合根のジュレかけ」はお口直しというか、繋ぎ的な感じの料理。

そして、メイン料理として登場したのが「天然うなぎの炭火焼き」。これは素晴らしいの一言。丸々と太った大きな天然うなぎを蒲焼のように開いて焼くのではなく、内蔵部分だけを取り出し、それを串打ちして弱火の炭火でじっくり焼く。皮目の香ばしさに引き締まった身の旨味は耽美的かつ官能的な美味さだ。最後の晩餐に出してほしいような絶品料理である。

締めは「お新香、湯葉の味噌汁、いくらご飯」と思ったら、その後に「自家製の手打ち蕎麦」が登場。10割蕎麦に近いコシが強い細麺で超私好み。つゆは薄くもなく辛くもないこれまた私好み。ちょっと自重して2皿しかいただかなかったが、あと1〜2皿は軽くいただけるほど美味しかった。

デザートは幾つかあるなかから選べるもので、我々はシェアする形で「自家製葛切り」と「無花果モナカアイス」。これはどちらも美味い。特に葛切りはツルンとした触感でこれまで食べた葛切りのなかでは最高の美味しさ。

お土産にいただいた「特製ちりめん山椒」(写真)はふわふわ感満載。細かいちりめんで美味しさ満点この上なし。こんな美味しいお土産をいただいたお店はおそらく初めて。いや間違いなく初めてである。

「樋口」はどの料理も真心込めて造られている。ある意味日本料理の王道を歩んでいるのだと思う。それゆえに冒頭にも書いたように一流調理人たちからも慕われているのだろう。リニューアルになったばかりということで、大将は調理場に少し戸惑いながらも、しかし嬉しさを隠せずに我々を応対してくれた。その穏やかにして丁寧な人柄が料理にも表れていることも言うまでもない。今後もこれまで培った料理の技を披露していくと共に、新しくなった調理場で新たなる料理を造っていくに違いない。そういう期待感をもたせてくれるお店である。最後に余談ではあるが左利きの板さんがとてもイキイキ動いているのが印象的だった。その理由は是非とも訪れて解明してもらいたい。w

樋口割烹・小料理 / 明治神宮前駅原宿駅北参道駅
 
夜総合点★★★★ 4.8

金曜日, 10月 14, 2016

桂伸三@チェロキー寄席

一昨日(12日)は地元・学芸大学の「Cherokee LIVE TAVERN」で開かれた第13回「チェロキー寄席」を聞く。出演は桂伸三(しんざ)。客席はかなりの少人数。ちと寂しい。

桂伸三は2006年4月に4代目春雨や雷蔵に入門して、春雨や雷太と名乗るものの、2016年3月に桂伸治門下に移籍し桂伸三となる。つまり、伸三になってまだ日は浅い。ただ、キャリアは10年になる。

1席目は桂伸三の新作落語「連歌の家」。伸三は東京生まれだが、両親が熊本県八代市出身ということで、自分の故郷は熊本だという。その理由はタネを仕込まれたのが熊本だからというが、母親はハワイだったという。こうしたマクラから八代ネタの話を展開。八代は江戸初期の連歌師・西山宗因の故郷で連歌が盛んとのこと。それゆえに両親の手紙のやり取りも連歌だったという。今のようなスマホでLINEをする時代じゃなかったはずだから、時間のかかる連歌である。だが、この新作落語、かなり面白い。

2席目は「盃の殿様」。吉原の花魁・花扇に恋をしてしまった遠国のお殿様を描いた滑稽噺で、そのなかに先日観た映画『超高速!参勤交代リターンズ』を彷彿させるシーンがあるのだが、その時の伸三の話し方が佐々木蔵之介にそっくりで、映画とシンクロさせながら聞いていた。なかなかの熱演に少人数のお客さんも爆笑。

伸三は新作と古典を共に滑稽かつ滋味に演じる。是非とも味のある噺家さんになってもらいたい。さて、入船亭扇辰師匠の肝入りで始まった毎月1回のチェロキー寄席。今年で2年目になるが今後の予定は下記の通り。開演時間は20時。

11月9日(水) 柳亭市弥
12月14日(水) 入船亭扇辰
1月11日(水) 春風朝之助
2月8日(水) 春風亭正太郎
3月8日(水) 入船亭小辰

東横線沿線の落語ファンの皆さん、チェロキー寄席は駅から1〜2分のところで、行われているので、お気軽にご来場ください。ただ、扇辰師匠の時だけは予約を。(以上、席亭に代わって宣伝)