木曜日, 12月 29, 2022

完全予想 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表選手

来年3月に行われる野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表選手の内定が報道されはじめましたが、私なりに勝手に選んでみました。

来年メジャーに移籍することが決まった千賀滉大と吉田正尚は「出たい」と言っているようですが、東京での予選ラウンドの出場は絶対に無理。栗山監督はそんな選手を選ぶ余裕はない。特に投手は球数制限があるので、最低でも先発4人第二先発4人、救援6人が必要。それゆえに、千賀が選ばれることはありえない。吉田にしても連携プレイの練習などで、メジャーのキャンプを外すことは無理。また、先発転向を表明した平良(西武)も出場は難しい。

で、選んだのが下記の30人です。ラーズ・ヌートバー(カージナルス)とスティーブン・クワン(ガーディアンズ)は栗山監督としては選びたくないかもしれませんが、MLBからの推薦があるようなので、渋々承諾せざるを得ないと思って入れました。

さて、どこまで当たるでしょうか。

【投手】(14人)
ダルビッシュ有(パドレス)
山本由伸(オリックス)
佐々木朗希(ロッテ)
今永昇太(DeNA)※左

宮城大弥(オリックス)※左
伊藤大海(日本ハム)
戸郷翔征(巨人)
青柳晃洋(阪神)

山崎颯一郎(オリックス)
宇田川優希(オリックス)
松井裕樹(楽天)※左
高橋奎二(ヤクルト)※左
大勢(巨人)
栗原良吏(広島)

【DH・投手】(1人)
大谷翔平(エンゼルス)※左

【捕手】(3人)
甲斐拓也(ソフトバンク)
中村悠平(ヤクルト)
坂倉将吾(広島)※左

【内野手】(6人)
源田壮亮(西武)※左
山川穂高(西武)
山田哲人(ヤクルト)
村上宗隆(ヤクルト)※左
牧秀悟(DeNA)
坂本勇人(巨人)

【外野手】(6人)
鈴木誠也(カブス)
ラーズ・ヌートバー(カージナルス)※左
スティーブン・クワン(ガーディアンズ)※左
柳田悠岐(ソフトバンク)※左
周東佑京(ソフトバンク)※左
塩見泰隆(ヤクルト)

金曜日, 12月 23, 2022

一蔵、小燕枝、扇橋による「新版三人集落語忘年会」@赤坂会館

昨日(22日)は赤坂会館で行われた春風亭一蔵、柳亭小燕枝、入船亭扇橋による「新版三人集落語忘年会」を聞きに行った。

出演者と演目は下記の通り。

一蔵・小燕枝・扇橋  トーク
桂枝平    「寄合酒」
入船亭扇橋  「あくび指南」
 〜 仲入り 〜
春風亭一蔵  「子別れ(上)~(中)」
柳亭小燕枝  「子別れ(下)」

トークは最初に一蔵と小燕枝だけが登場。扇橋は寄席での代演出演で遅れて途中入場。トークでは一蔵がお披露目でずっと一緒だった柳亭市馬師匠(落語協会会長)と仲良くなってメールのやりとりをするようになり、披露興行の後に師匠が3人を赤坂の高級しゃぶしゃぶ店に連れていって感動した話など披露する。ただ、これには最後にオチが・・・。

前座の桂枝平は桂文生の弟子。「寄合酒」は乾物屋や魚屋で黙って酒の肴を取ってくる与太郎たちの話だが、枝平は一蔵ばりにぐいぐいと話を引っ張っていく。いわゆる剛腕型だ。ただ滑舌にまだ難があるので、それをクリアすれば間違いなく面白い落語家になると思う。頑張れ。

入船亭扇橋はトークに遅れてきて喋り足りないのか、寄席の楽屋話を主にマクラを20分も話してから「あくび指南」へ。これまで数多くの人の「あくび指南」を聞いてきたが、彼ほど丁寧というか「あくび指南」の馬鹿馬鹿しさをそれこそバカ丁寧に話す落語家は聞いたことがない。師匠の扇辰に着付けの難しさを教わっただけがあるせいか、繊細かつ細部に至るまで語りと所作が見事に噛み合っていた。お見事。

仲入り後は一蔵と小燕枝の2人による「子別れ」のリレー落語。一蔵は普段通り快活かつ辣腕に噺を引っ張っていき、小燕枝にバトンを渡す。そして、小燕枝は繊細かつ情感たっぷりに噺をまとめていく。話の内容からして前半が一蔵、後半が小燕枝が順当でお客さんは大満足だったようだが、天の邪鬼な私としては逆の方で聞きたかった。2〜3年後でいいから、順番を代えて演じてもらいたい。

最後は忘年会ということもあり手締めだったが、その前に市馬師匠が3人を奢ったという最初のトーク、市馬師匠が奢ったお店の支払いはこの会の席亭であるオフィスエムズの加藤さんが行ったと暴露。これには3人はひれ伏し、場内は大爆笑。3人にとって今年最後にして最大のオチとなった。(笑)そんな笑いの余韻が残るなか、加藤さんの音頭で三本締め。賑やかにして楽しい会であった。



火曜日, 12月 13, 2022

一乗谷の朝倉孝景から義景までの5代ならば大河ドラマになるかも・・・

先週の福井の旅の最大の目的は蟹でしたが、次の目的は歴史的なことで、一乗谷とはどんなところなのだろか、なぜ朝倉家は一乗谷に拠点を構えていたのかを知りたかったことでした。

一乗谷は福井市内中心部から南東約10キロ離れた山間にある。その名の通り「谷」であり周囲を小高い山々に囲まれている。その谷間を越前平野の一級河川である足羽川(あすわがわ)に繋がる一乗谷川が流れている。

そんな谷間に朝倉家の7代目当主である孝景が城下町を作り上げた。ただ城下町といっても天守閣があるお城はなく、朝倉家の邸宅を中心に武家町、町人町を計画的に形成した。そして、最盛期には1万人が住んでいたといわれ、もちろん北陸では最大の町であった。ちなみに当時の京都の人口は10万人だった。

ではなぜこのような場所に朝倉家は拠点をおいたかというと、第一に朝倉家が守護(斯波氏)でも守護代(甲斐氏)でもなかったということ、第二に敦賀港や三国港を抑えた第7代当主孝景が、港の近くには兵を置くだけにして、越前平野の農業を見守れることができ、防御に優れた地として一乗谷を選んだのではないかといわれている。いずれにしろ、このような地に居を構えた戦国武将は朝倉家以外にいたのだろうか。

そして、現在の一乗谷はというともう完全に遺跡・史跡という感じである。今年10月にオープンした「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」でその歴史を知ることができると共に数多くの遺跡品が見ることができる。また、そこから車で5分(自転車だと10分、徒歩だと30分)のところには朝倉館跡、復原町並みがあり、往時を偲ぶことできる。

来年の大河ドラマはまたもや徳川家康が主人公・・・。朝倉義景だけでは大河ドラマの主人公にはなりえそうもないが、朝倉孝景から義景までの5代ならば大河ドラマになるかもしれない・・・。すでにしているかと思うが、福井県はNHKにもっと積極的に働きかけてみてはどうだろうか。



月曜日, 12月 12, 2022

福井で越前蟹を買って、東京で食べる

先週、福井、近江八幡と旅をしてきました。今回の旅の最大の目的はカニ。それも贅沢ではありますが、福井で越前蟹を買って、東京で食べるということでした。

今年の越前蟹は豊漁で11月6日に解禁されてから、わずか10日間で漁獲予定量の半分が獲れてしまい、出荷制限がかかるほどなのです。それゆえに、11月25日までは安く取引されていたそうですが、それ以降は出荷制限のために値段が高くなり、安いときの2〜3割高になったそうです。

さて、私が蟹を買いに行ったお店は福井市内の繁華街「順化・片町」にある鮮魚店「かど七」。ここは魚屋さんというより小さな市場か問屋といった感じのお店で、近くの飲食店の人が訪れるだけでなく福井市内の多くの飲食店に魚を卸しています。

私が蟹を買いに行ったのおそらく閉店間近の午後4時だったのですが、お店の人(おそらく社長御夫妻)の応対はとても親切で、すばやく奥から生きた蟹を何杯も出してくれました。この日の相場は1キロものが30,000円余で、私は少し迷いましたが面構えがいい1.162キロ(越前港昭宝丸)ものを購入。それを行きつけの学芸大学の「晴庵」に翌々日午後に届くよう手配をお願いしました。

そして、食べに行ってきました。

始めはしゃぶしゃぶ、次は茹で、3足目は焼きで食べましたが、やはり焼きが一番です。そして、最後に甲羅焼き。いや〜、これは今年食したものでは最高の美味。なんとも言えないコク。重層的な深みのある味わい。日本酒には最高の肴でした。1年1回はこれを食べてみたいものです。本当にご馳走さまでした。「かど七」と「晴庵」のみなさん、ありがとうございます。

蛇足ですが、私が買ったクラスの蟹だと福井市内の料理店の蟹コースで、2人で1杯お値段が1人50,000円でした。つまり、あの蟹は料理屋にいくと10万円に化けるのです。東京だとおそらくそれに2〜3割増になるのではないでしょうか。



水曜日, 11月 30, 2022

落語教育委員会@めぐろパーシモンホール

昨日(29日)はめぐろパーシモンホールで開かれた「落語教育委員会」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

兼好・歌武蔵・喬太郎 コント「演芸千一夜」
春風亭与いち 「代脈」
三遊亭兼好  「町内の若い衆」
 〜 仲入り 〜
三遊亭歌武蔵 「支度部屋外伝」(北の富士?)
柳家喬太郎  「錦の袈裟」

最初のコントは先日年の差27歳結婚をした歌武蔵師匠イジり。しかし、オチは「噺を聞くときは携帯電話は切りましょう」と結ぶ。少し滑った部分もあるコントだったが、でもオチは大事です。

春風亭与いちは春風亭一之輔の2番目の弟子で二ツ目。「代脈」は名医の弟子の銀南が代診に出かけるという滑稽噺だが、淀みもなくテンポもよく噺をすすめる。ただ、何かもの足りない。それは間というかクスグリがないからではないだろうか。男前だし滑舌もいいので、今後はもう少し余裕を持って高座に上がることを期待したい。

三遊亭兼好という落語家は3人以上の落語会でトップを務めるのにうってつけの落語家である。なんといっても明るい。お客さんに飛び込んでいくのも早いし、場を暖めるというか、会場を和ませる力をもっている。「町内の若い衆」も素晴らしかった。

三遊亭歌武蔵は意外にもパーシモンホール初登場。そのせいか最初は目黒区の敷居が高いのか少し手探り状態だった。しかし、いつものように「支度部屋外伝」で今年の優勝力士の話などをしていくうちに、居所を見つけたようで北の富士勝昭に関する話をモノマネを交えながらどんどん披露していく。北の富士勝昭、御年80歳。いずれ本当に落語の題材になるような人だ思う。歌武蔵師匠、お願いします。

柳家喬太郎はマクラもそこそこに「錦の袈裟」に。喬太郎師匠は歌武蔵師匠と違ってパーシモンホールにはたびたび登場しているいわばベテラン。ただ、昨日はマクラが短かったせいか、普段よりノリが悪い。それゆえに「町内の若い衆」も与太郎が花魁にモテて、他の若い衆の嫌味がサラッとしていて毒気がない。誕生日前の喬太郎師匠はいつもほど弾けていなかった。




月曜日, 11月 28, 2022

ジャパンカップ。外国馬にはターフだけでなくスタンド前スタートも影響している

昨日はジャパンカップ。今年から1着賞金が4億円になったり、東京競馬場内に国際厩舎を設けたりしたおかげで、久しぶりに外国馬4頭が出走することになりました。ちょっと華やかになったので、売り上げも昨年よりアップするかと思われましたが、意外にも前年比98.6%とダウン。入場者数は53,359人でこちらは前年より530.3%増でした。

さて、レース結果は外国人騎手は活躍したものの外国馬はさほど活躍ができませんでした。これはよく言う馬場の違い(欧州の馬場が軟らかいの対して日本の馬場は硬い)があることは間違いないと思いますが、それとは別に観客の多いスタンド前からの発走というのもあるのではないでしょうか。

昨日もファンファーレが鳴ってから、外国馬はちょっと落ち着きがなくり、ドイツのデュネスはゲート入りに手こずってしまった。こうした慣れない環境のせいか、外国馬は競馬自体もうまく進めることが出来ず、外国馬の最高順位は昨年も参戦したフランスのグランドグローリーの6着で、私が期待した同じフランスのオネストは7着に終わってしまった。

来年は1着賞金が5億円になるらしいが、外国馬の参戦はあるのだろうか。昨日の結果をみると、ちょっと不安になってしまいます・・・。

なお、私の馬券は本命ヴェラアズール、対抗オネストとシャフリヤール、穴シムカミル、カラテ、ダノンベルーガでしたので、安い馬連と枠連は当たりました。(^_^;;

土曜日, 11月 26, 2022

林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」(芝浜)

昨日(25日)は赤坂会館で開かれた林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

林家つる子  「戦いを終えて」
林家つる子  「やかん」
 〜 仲入り 〜
林家つる子  「芝浜」

これまでに2回林家つる子を聞いているが独演会は初めて。冒頭の「戦いを終えて」は2日前に放送されたNHK落語新人大賞の裏話で、いわば長く辛かったというマクラのような嘆きと意気込み。来年は生放送になることを願う。(笑)

「やかん」は八五郎が"先生"気取りの隠居を訪ねると、隠居は「グシャ、愚者」と言いながら、八五郎を迎え入れる。そんなことお構いなしの八五郎は隠居に色々なことを聞き、そのたびに隠居は落語的な適当な答えを返す。そして、八五郎が「ヤカンはなんでヤカンというの?」と訊ねると、隠居は突然講談調になり川中島の合戦のくだりを話し始める。ここらあたりから林家つる子も調子にのりはじめる。それにしても、この噺は実にくだらない。(笑)

林家つる子の「芝浜」は女性(女房)目線で描く「芝浜」。約1時間10分の長講。本来の「芝浜」は天秤棒1本で行商している魚屋の勝五郎が芝浜で拾った財布(中には50両)のことを女房のおみつが夢物語にして改心させるという噺である。林家つる子もその本筋の話を崩すことはないが、そこに至るまでの勝五郎とおみつの馴れ初めの話をつけ加える。これがイナセで心地よく、ここで女性目線の下地をしっかりと築いていく。これで噺の主役はおみつであり、勝五郎や大家は脇役の布陣となる。終演後につる子は「これからも練り直して、しっかり育てていきたい」と言っていたが、できれば妙にウケ狙いをすることなく、凛とした「芝浜」を作り上げていってほしい。

次回(来年2月22日)は「紺屋高尾」を花魁目線でトライするという。その心意気に「あっぱれ」をあげたい。本人曰く「私はそうした活動家ではない」というが、今後も女性目線で描く古典落語を築きあげる活動をしてもらいたいと私は密かに期待している。

なお、年内は下記の3回で「芝浜」のネタ出しをしているので、興味のある方はぜひ行ってみましょう。

12/17午後 穴川コミュニティセンターホール(千葉)
12/18午前 なかの芸能小劇場
12/24夜  深川江戸資料館



水曜日, 11月 23, 2022

第4回柳枝百貨店@日本橋社会教育会館

昨日(22日)は日本橋社会教育会館で開かれた「第4回柳枝百貨店」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

古今亭菊一  「黄金の大黒」
春風亭柳枝  「時そば」
春風亭柳枝  「尻餅」
 〜 仲入り 〜
春風亭柳枝  「業平文治(その3)第5話 お村の裏切り」

電車に乗り遅れ、また乗った電車が途中で停まってしまうアクシデントに見舞われて途中からの入場。m(_ _)m 前座の古今亭菊一は古今亭菊太楼の弟子。ちゃんと聞けなかったので感想・論評は次の機会に。

マクラは2日前の北海道公演の前に食事に行ったところでスープカレーがなかなか出てこなかった話。オチは想像通り。(笑)そして、その北海道・岩見沢での学校公演でゲストの江戸家小猫(来年3月に5代目江戸家猫八襲名)に蕎麦を啜るのがとても上手と誉められて、その調子にのって「時そば」へ。確かに春風亭柳枝は蕎麦を啜るのが上手い。ただ、それ以上に感心したのが「九つ」の男を真似てドジを踏む「四つ」の男の描写。先日聞いたさん喬師匠は徹底的に銭を数える時の間抜けな仕草をクローズアップしいていたが、柳枝は間抜けだけでなくおとぼけも加える。「時そば」は蕎麦を啜る仕草も大事だが、噺のツボを押さえるのはもっと大事なんだなと思う。

「尻餅」はもはや絶滅危惧種に入ってきそうな噺。私は春風亭一之輔で聞いたことはあるが・・・。というのも、この噺、長屋に住む男が自分の女房の尻を叩いて餅をついたように見栄を張るというパワワラ・セクハラまがいの噺である。それゆえに、昨今の社会状況や女性客が多くなった落語界事情を踏まえて敬遠する落語家が多いらしい。しかし、こうしたことで江戸時代の長屋の滑稽なおかしさを伝えることを閉ざすのは勿体ない。確かに女性にとっては少し痛々しい噺かもしれないが、あまりめくじらを立てないでほしい。結構味わいのあるいい噺なんだから。

「業平文治」はほぼ絶滅危惧種の三遊亭圓朝の噺。今回の第5話は業平文治こと浪島文治郎が助けてやった元芸者のお村がその母・お崎によって裏切るまでの顛末を描く。このあとは噺は第11話まで続くようでなんとも長い。次回は来年3月6日。できれば2話はやってほしい。

月曜日, 11月 21, 2022

意外に多いG Iレースの万馬券

昨日のG Iレース・マイルチャンピオシップで、馬連11,870円の万馬券をゲットしました。G Iの万馬券をいつ以来だろうか・・・。

実はG Iでの万馬券は意外と多く出ているのです。今年に入って、昨日のレースを含めて18回の平地のG Iレースが行われましたが、そのうち下記の通り5回も馬連の万馬券が出ているのです。

高松宮記念     13,560円
大阪杯       10,980円
スプリンターズ   15,340円
エリザベス女王杯  15,500円
マイルチャンピオン 11,870円

一般的に馬連の万馬券が出る確率は約11%と言われ、9〜10レースに1回でる程度なのに、今年のG Iレースに限っていえば3〜4回に1回は万馬券が出ているのです。今年はあとジャパンカップ、チャンピオンズカップ、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークス、有馬記念、ホープフルステークスと平地のG Iが6レースもあるので、1回もしくは2回は万馬券が出てもおかしくありません。

ということで、今後のG Iレースは自分の信じる馬券と万馬券狙いの馬券の二刀流で臨みます。これが取らぬ狸の皮算用にならないことを祈るのみです。(笑)

写真は私の有馬記念ファン投票の10頭です。




火曜日, 11月 15, 2022

さん喬十八番集成 ~晩秋にて~@国立演芸場

昨日(14日)は国立演芸場で開かれた「さん喬十八番集成 ~晩秋にて~」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

柳家小きち  「金明竹」
柳家さん喬  「時そば」
柳家さん喬  「抜け雀」
 〜 仲入り 〜
柳家さん喬  「ちきり伊勢屋」

柳家小きちは柳家さん喬の一番下の弟子。角刈りのスポーツマン風の青年。これまでに2回ほど彼の噺を聞いているが、まだまだお客さんに飛び込んでいく力というか引き込む力がない。自分なりの噺家としての表現力をつけてほしい。

「時そば」は最も有名な落語の一つ。この噺を「一つ、二つ、三つ・・・、いま何刻(なんどき)だい?」と話す落語家がいるが、柳家さん喬はしっかり江戸風に「ひい、ふう、みい、よお、いつ、むう、なな、やあ、いま何刻だい?」と話す。そして、そばを啜る様も江戸っ子気質で演じる。これはまるで観客を終演後に蕎麦屋に誘うような話し方だ。絶妙というか秀逸な表現力であった。若手の落語家たちには是非とも見習ってほしい。

「抜け雀」も有名な落語の一つ。この噺をこれまで多くの演者で聞いてきたが、それらを軽く凌駕するような圧巻の高座。さん喬の情景描写には定評があるが、ここでも宿屋の主人と雀の姿が目に浮かぶようで、ショートムービーを見ているような錯覚におちいった。

「ちきり伊勢屋」は人情噺の大ネタ。話のあらすじはざっとこんな感じ。

質屋「ちきり伊勢屋」の若旦那伝次郎は数多くの縁談を持ち込まれ、それをどうするべきか易者の白井左近に決断を仰ぐ。ところが、左近は伝次郎が来年二月十五日に死ぬから縁談をするなと言う。そして、死ぬまでに人々に施しを行っていけば次に生まれ変わった時は長生きできるとつけ加える。

店に戻った伝次郎は、そのことを番頭に伝え、困っている人にお金を分けたり、質草をタダで戻したりといろいな施しを行う。そして、ある日大川に身投げしようとした親子を太鼓持ちの善兵衛と共に助ける。そして、その親子に名も告げず300両という大金を渡す。

運命の二月十五日、伝次郎は白装束で棺桶に入り、自宅で葬儀を終えて菩提寺まで運ばれるものの晴れて「生き返る」。その後は友人と共に駕籠かきをするが、その時に品川で助けた親子の娘おみよと再会する・・・。

私は初めて聴いた噺なのでよくわからないが、本来は前半と後半に分かれる噺らしく合計で1時間45分ぐらいかかるそうだ。それでもさん喬曰く「かい摘んで話して」1時間10分にまとめる。これでも大長講である。そして、何も言うことのない至福の時間だった。

この噺、12月によく演じられる「芝浜」ではないが、この日のサブタイトル「〜晩秋にて〜」ではないが、秋から冬にかけて演じるにはうってつけである。他の落語家も挑戦してみてはいかがだろうか。



月曜日, 11月 07, 2022

《噺小屋》霜月の独り看板 I 入船亭扇辰@国立演芸場

一昨日(5日)は国立演芸場で開かれた《噺小屋》霜月の独り看板 I 入船亭扇辰を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

入船亭辰ぢろ 「金明竹」
入船亭扇辰  「お祭佐七」
 〜 仲入り 〜
入船亭扇辰  「雪とん」

これまで何回か前座の入船亭辰ぢろを聞いたが、申し訳ないがこれといった印象はなかった。しかし、今回は明らかに違った。辰ぢろは「金明竹」をしっかり全編通す。導入部の店主と与太郎の掛け合いでは店主のおおらかさを、前半の加賀屋佐吉方のお店者と与太郎の掛け合いでは与太郎のおかしさを、そして後半部の女将さんと店者では女将さんの戸惑いを、それぞれ浮き彫りにするべく表現力豊かに語りかけていく。一皮も二皮も剥けた辰ぢろを見た思いだ。

「お祭佐七」は以前は三遊亭圓生や立川談志などが演じていたようだが、昨今では高座にかける落語家はほとんどいなくなったという。私も初めて聞く。

あらすじは、め組の頭の清五郎の家で居候している元武士の飯島佐七郎は色男にして、武芸に優れている、加えて木遣りも上手い。そんな彼をそそのかしてめ組の若衆たちは品川でひと遊びするが、佐七は居残りとなってしまう・・・。正直、噺の内容はたわいもないものだが、扇辰は頑固者の頭、お人好しの佐七、お調子者の若衆などの人物描写を巧みに演じ分けて、話をぐいぐいと引っ張っていく。江戸っ子気質というか江戸者たちの姿が目に浮かぶようである。これでもう少し情景描写に手が加われば言うことなしだ。

「雪とん」は「お祭佐七」の続編というか後半部。こちらは昨今の落語家たちも演じていると思う。私も一度聞いたような・・・。

船宿に滞在する田舎のお大尽の若旦那が糸屋の娘に恋煩いする。そこで船宿の女将が娘の女中(おきよ)に話をつけて、若旦那と娘が密会する段取りをつける。ところが、当日は雪がシンシンと降り、若旦那は犬に絡まれて定刻の時間を過ぎてしまう。そんな時に色男(お祭佐七)が絡むことになる・・・。こちらは前半の「お祭佐七」のような人情噺ではなく滑稽噺。特に女将と女中の掛け合いが面白い。扇辰は女中をデフォルメして話を盛り上げていく。女中を演じたらもはや扇辰の右に出る落語家はいないのでは無いだろうか。

珍しい噺2作を続けて聞けた高座で、扇辰マニアたちにはたまらない独演会であった。



火曜日, 11月 01, 2022

柳家さん喬プロデュース「お囃子コンサート」@深川江戸資料館

昨日(31日)は深川江戸資料館で開かれた柳家さん喬プロデュースによる「お囃子コンサート」へ行ってきた。このコンサートは噺家を裏で支えているお囃子の師匠さんたちにスポットを当てたもの。お囃子の出演は落語協会所属の松尾あさ、岡田まい、柳沢きょう、森吉あき、田村かよ、井上りち、星乃もと、石川さきの8人と、上方からはやしや絹代の計9人。太鼓は桂やまと。笛は三遊亭伊織。司会&解説はさん喬師匠。

構成はだいたい下記の通り。

・オープニング(8挺の三味線による「越後獅子」)
・さん喬師匠の挨拶
・寄席落語家出囃子集(10人の名跡たちの出囃子)
・出囃子クイズ
・近世出囃子いろいろ(新作落語家たちの出囃子)

お囃子は上手4人(松尾あさ組)下手4人(岡田まい組)に分かれて、1曲ごとに交互に演奏するのだが、最後の三遊亭白鳥師匠の出囃子「白鳥の湖」だけは8人がいろいろなパートに分かれて演奏。これは滅多に聞けることができない演奏。もし白鳥師匠が聞いていたら号泣しているか、飛び跳ねていたに違いない。それぐらい圧巻だった。

ここで一旦幕が降りて、舞台には上方のお囃子はやしや絹代と金原亭馬生が登場。上方では落語に三味線が入る「ハメモノ」が多いので、それを馬生師匠と絹代師匠が「宿屋の仇討」「百年目」で体現。上方落語に鳴物が多いことは知っていたが、それでもこんなに多いとは驚き。

・上方ご存知噺家出囃子(上方落語再興の4師匠の出囃子)

 〜 仲入り 〜

前半は黒門付の着物で登場だった8人が水色や黄緑色などの薄色系の艶やかな着物で登場。

・寄席地囃子メドレー(寄席独特の囃子)
・紙切り(林家正楽)

8人のお囃子連に囲まれた正楽師匠はご機嫌。さん喬師匠のリクエストによる「勧進帳」、続いて観客からの「クリスマスツリー(と)トナカイ」「富士山」を切る。最後にお囃子連が弾く曲に合わせて切るというリクエスト曲紙切りに。師匠は「知らない曲だったら・・・」と少したじろぐが、お囃子連が弾き始めたイントロに反応して「ゴジラ」を完成する。これ、なかなか面白いアイデア。今度、寄席でもやってみてはどうだろうか。

・大神楽(鏡味仙志郎、仙成、翁家和助)

コマ回しはお囃子が入るものだが、お囃子抜きと入りで全然違うのがよくわかる。鏡味仙志郎も冷や汗もの演技。翁家和助は土瓶の芸を行うが普段と違うお囃子に悪戦苦闘。お囃子が違うだけで、芸に影響が出ることが立証される。

・寄席踊り(かっぽれ、奴さんなど)

最後はさん喬師匠と馬生師匠による踊りとお囃子の合奏でお開き。とにかく楽しく、そして勉強になったコンサートだった。さん喬師匠、ご苦労さまでした。



木曜日, 10月 27, 2022

来年もブロムシュテットを聴けるぞ N響第1967回定期公演Bプログラム(1日目)

昨日(26日)はサントリーホールで開かれたN響第1967回定期公演Bプログラム(1日目)を聴いてきた。ピアノはオリ・ムストネン。指揮はヘルベルト・ブロムシュテット。演目は下記の通り。

グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
ニルセン/交響曲 第3番 作品27「広がり」

1曲目。オリ・ムストネンは譜面を置いてのとても丁寧な演奏なのだが、なんかピアノ本体がいただけない。高音は妙にキンキンするし、低音は温かみも深みもない。これってピアニストの好みなのか調律師の問題なのか。いずれにしろ、30分間の演奏はどことなく表面的というか、慈しみというか愛らしさを感じることができなかった。

2曲目はおそらく初めて聴く曲。ニルセンはデンマークの作曲家。題名の「広がり」は広い世界へ歩んでいこうという前向きな姿勢の意味らしい。第1楽章は人間として生まれた意義を伝えているような楽章で快活で明るい。第2楽章はバリトン(青山貴)とソプラノ(盛田麻央)を入れて、生命の大切さと生きる喜びを表現する。第3楽章はスケルツォながらも人の葛藤を表現。第4楽章は人は前へ進んで歩いていくんだという「広がり」を表す。とにかくポジティブな人生を歩もうという曲であった。

そして、演奏ではあるが、指揮のブロムシュテットは先週のNHKホールでのシューベルトの時より指揮幅が広がり、以前のように手刀を切るかのようにキレッキレ。それはまるで「ニルセンは俺にまかせろ、俺についてこい」のようであり、オーケストラをグイグイと引っ張っていく。とても95歳とは思えない驚愕の指揮。

先日のシューベルトのときは、ブロムシュテットを聴くのは今年で最後になるかもしれないなあと感慨深げになってしまったが、昨日の演奏を聴くと、これは来年も聴けるぞ、に変わった。まさにタイトル通りの「広がり」を実践してくれたブロムシュテットだった。




火曜日, 10月 25, 2022

新宿末広亭10月下席・夜の部 春風亭柳枝初主任(初トリ)公演

昨日(24日)は新宿末廣亭で開かれている10月下席・夜の部(30日まで)4日目を聞いてきた。主任(トリ)は春風亭柳枝(27日は休演)。柳枝は真打昇進から1年半余で寄席のトリを務める。これはかなりの早さ。料金は通常は3,000円(シニア2,700円)のところ、下記のチラシ画像を見せると2,500円に割引される。500円(私は200円)とはいえかなりのお得感。是非ともご利用を。

出演者と演目は下記の通り。

林家木りん   「力士の春」
ホームランたにし(漫談)
柳家さん喬   「真田小僧」
三遊亭萬窓   「伽羅の下駄」
マギー隆司   (奇術)
桂ひな太郎   「三方一両損」
古今亭菊寿   「悋気の独楽」
翁屋社中    (太神楽)
柳家小満ん   「宮戸川」

 〜 仲入り 〜

古今亭志ん五  「魚男(つれない旅行)」
すず風にゃん子・金魚(漫才)
春風亭正朝   「町内の若い衆」
林家たけ平   「西行」
林家正楽    (紙切り)
春風亭柳枝   「徂徠豆腐」

春風亭柳枝の「徂徠豆腐」を聞くのは3回目。最初はこのネタは彼には合わないのではないかと思ったが、2回目でああこういう演じ方もあるんだなと納得した。そして、3回目の今回、過去2回に比べてデフォルメというか、大きく演じるようになった。本来ならば、もっと緻密にしっとりする人情噺のはずだが、柳枝は節々に笑いを入れながらも、それでいて人情噺の道を外さないで、大らかにラストまで持っていく。どうやら十八番にしたようだ。

池袋演芸場では三人集の新真打昇進襲名披露興行、鈴本演芸場では喬太郎師匠の10周年企画と企画興行などが並ぶなかでの末広亭なので、客の入りは今ひとつだったが、それでも晴れがましい舞台を柳枝はしっかりと務め上げた。できれば週末あたりもう1回行ってみようかと思う。

追伸:さん喬師匠の「真田小僧」は絶品だった。ハロウィーン仕様の金魚師匠も。



月曜日, 10月 24, 2022

4回東京競馬7日目@東京競馬場 菊花賞はドンピシャ的中

東京競馬場の座席指定席券が当たったので、昨日(23日)は3年ぶりに東京競馬場に竹馬の友と足を運びました。昨日は阪神競馬場でG Iの菊花賞が行われ、東京競馬場では重賞レースもなかったために、さほどの人出ではなくゆったりとした感じで観戦することができました。そして、何よりも快晴無風という素晴らしい天気に恵まれて、午前中の第4レースから最終12レースまでたっぷりと遊ぶことができました。

昨日の東京競馬場のメインレースはブラジルカップでしたが、それを的中することはできませんでしたが、阪神競馬場での菊花賞は私の対抗馬(2番人気のアスクビクターモア)・本命馬(7番人気のボルドグフーシュ)が1・2着となり馬連をドンピシャで当てることができました。ただ、東京競馬場のレースは意外に人気馬が勝つ堅い決着が多く、穴党の私には向いている成果を得ることができませんでした。

それでも、寒さ対策のために持っていった上着を一度も着ることもなく、快晴無風のもとで心地良く競馬を楽しむことができました。来月もチャンスがあれば行こうかなあと思っています。(笑)




金曜日, 10月 21, 2022

小田和正コンサート「こんど、君と」@さいたまスーパーアリーナ

一昨日(19日)はさいたまスーパーアリーナで開かれた小田和正の「こんど、君と」のコンサートを聴きに行く。

私が小田和正を聴きに行くことを訝しがる人もいるかもしれない。基本的には”お供”なのですが、実は私は古くからの小田和正、いやオフコースのファンなのです。今はもう高円寺にある知人の中古レコード店に上げてしまったが、オフコース時代のドーナッツ盤レコード『夜明けを告げに / 美しい世界』(1971年10月発売)がお気に入りで、高校時代によく聞いていました。このシングルA面『夜明けを告げに』は作曲が加藤和彦だが、B面の『美しい世界』は作曲が小田和正で、これが彼の作曲家デビューの曲でもあった。

今回のコンサートのチケットは飲み屋仲間の人に手配をお願いした。するとなんとアリーナ席の正面のかなり良い席を手配してくれた。もつべきは友達であり、飲み屋仲間です。(笑)これにはお供も驚きでした。

さて、コンサートは完全に満席(25000人ぐらい?)のさいたまスーパーアリーナで約2時間半行われました。小田和正は齡75ということもあり、正直お顔は少し崩れてしまった感があるが、歌声はまだまだ艶があり、トータルで24曲を歌いきった。『愛を止めないで』や『ラブストーリーは突然に』などの有名どころの曲はもちろん演奏されたが、オフコース時代の名曲『秋の気配』(1977年8月発売)が歌われた時には、ちょっと涙腺が熱くなってしまった。



火曜日, 10月 11, 2022

入船亭小辰改め十代目入船亭扇橋真打昇進襲名披露興行@新宿末廣亭

昨日(10日)は新宿末廣亭で行われている10月上席・夜の部(10日目)を聞いてきた。今回の上席は落語協会の新真打3人の真打昇進襲名披露興行。この日は入船亭扇辰門下の入船亭小辰改め十代目入船亭扇橋の真打昇進襲名披露が行われた。これで3人(一蔵、小燕枝、扇橋)の披露興行を順番通りにすべて見たことになる。

この日は末廣亭の千秋楽ということもあり、また休日ということもあり、若いお客さんが多く詰めかけ、2階席を開放するまでの大入り満員。出演者と演目は下記の通り。

入船亭辰ぢろ 「子ほめ」
三遊亭伊織  「花色木綿」
すず風にゃん子・金魚(漫才)
柳亭小燕枝  「短命」
五明樓玉の輔 「    」
松旭斉美智 美登(奇術)
三遊亭歌る多 「宗論」
入船亭扇遊  「蜘蛛駕籠」
翁家社中(大神楽)
柳亭市馬   「雛鍔」

 〜 仲入り 〜

真打昇進襲名口上

米粒写経(漫才 トレンディドラマの話)
春風亭一蔵  「幇間腹」
入船亭扇辰  「権兵衛狸」
林家正楽   (紙切り)
入船亭扇橋  「大工調べ」

真打口上は客席から見て左の下手側から司会の五明楼玉の輔、前日に還暦を迎えた三遊亭歌る多、主役の十代目入船亭扇橋、師匠の入船亭扇辰、入船亭扇遊、落語協会会長・柳亭市馬という顔ぶれ。口上なので誰もが扇橋の門出を祝う言葉だが、なかでも先代入船亭扇橋の惣領弟子である入船亭扇遊の口上に心を打たれる。あくまでも推測だが、扇遊師匠は先代から十代目はお前らが決めろと言われていたのではないだろうか。本来ならば扇遊師匠が十代目を継いでもおかしくはないのだが、それは「先代は39歳で扇橋を、小辰は38歳で受け継ぐ」という言葉に表れているように、名跡を大きくしてもらいたいがために若い世代に託したのはではないだろうか。最後の三本締めは市馬師匠の音頭で盛大に行われる。

新真打・入船亭扇橋は豊島区生まれ。実家は北大塚にある升民酒店。トリを勤める時に後ろ幕はその実家から贈られものだった。新真打は日大芸術学部落研を経て、2008年(平成20年)2月に入船亭扇辰に入門。私が彼を初めて聞いたのは今から6〜7年前。当時は上手なのだが妙にこじんまりとした話し方で、扇橋を継ぐ器量も技量も持ち合わせていなかった。ところが、この2〜3年で何処となく引き篭もっていた殻を破り、落ち着きながらもところどころに粗忽な味わいを出す落語家になってきた。この日は「大工調べ」を通しで演じ、前半では粗忽者の大工と棟梁の馬鹿馬鹿しい掛け合いを、後半は奉行と大家と棟梁の3人の微妙なやりとりをしっかり話し分け、噺に膨らみをもたせる。これだけの技量を見せてくれたので、観客は誰もが彼が大名跡を受け継ぐのに納得したに違いない。今後の活躍が楽しみである。



木曜日, 10月 06, 2022

柳亭市弥改め八代目柳亭小燕枝真打昇進襲名披露興行@新宿末廣亭

昨日(5日)は新宿末廣亭で行われている10月上席・夜の部(五日目)を聞いてきた。今回の上席は落語協会の新真打3人(春風亭一蔵、市弥改め八代目柳亭小燕枝、小辰改め十代目入船亭扇橋)の真打昇進襲名披露興行。この日は落語協会会長・柳亭市馬門下の柳亭市弥改め八代目柳亭小燕枝の真打昇進襲名披露が行われた。出演者と演目は下記の通り。

入船亭扇ぱい  「たらちね」
柳亭市若    「狸の鯉」
ジキジキ    (夫婦漫才)
春風亭一蔵   「芝居の喧嘩」
五明楼玉の輔  「ざいぜんごろう」
松旭斎美登・美智(奇術)
三遊亭円歌   「    」
入船亭扇遊   「子ほめ」
翁屋社中    (大神楽)
柳亭市馬    「粗忽の使者」

 〜 仲入り 〜

真打昇進口上

米粒写経     漫才(群馬県、福島県)
入船亭扇橋   「あくび指南」
入船亭扇辰   「千早ふる」
江戸家小猫   (ものまね)
柳亭小燕枝   「死神」
        (踊り「イケメンかっぽれ」)

真打口上は客席向かって左側の下手側から司会の五明楼玉の輔、入船亭扇辰、主役の柳亭小燕枝、師匠の柳亭市馬、三遊亭圓歌、入船亭扇遊という顔ぶれ。それぞれの口上はもちろん小燕枝への門出を祝う言葉だが、なかでも三遊亭圓歌の口上が一番熱く、風刺もきいてフィットしていた。口上の最後は扇遊師匠の音頭取りで場内も揃って盛大な三本締めが行われる。

新真打・柳亭小燕枝は世田谷区生まれ。鹿児島県生まれの圓歌師匠の同郷の小原国芳が創設した玉川大学出身でイケメン。ただし、師匠の市馬曰く「最近は崩れはじめている」と。もちろん、小燕枝(市弥)は、一蔵、扇橋(小辰)と同期で、二ツ目時分はよく「力の一蔵、技の小辰、愛嬌の市弥」と何処となくその実力を軽視されがちだったが、この2〜3年その実力も単なる愛嬌だけではなく、噺の展開を緩急自在に操り、自分の型を作りつつある。

この日の演目「死神」も彼のキャラクターには合わないように思えたりするが、これが意外や意外、登場人物を見事に演じ分けて明朗快活な怪談噺に仕立て上げていく。鮮やかな出来だった。今後もこうした意外な一面を見せながら、実力ある落語家になってもらいたい。



月曜日, 10月 03, 2022

鮭、牛、茶だけでない村上の屏風まつり 地方の歴史文化に保護を


新潟県村上市は江戸時代は城下町として栄え、戦災を受けなかったおかげで、現在でも江戸、明治に建てられた町屋や神社仏閣が残り、往時の面影を大変数多く見ることができる。そして、村上は江戸時代に鮭の産卵・増殖を生み出したところでもあり、現在でも鮭は数多く獲れる。また、北限の茶どころとしても有名で、現在は村上牛という美味しい牛も生産している。

そんな村上市の町屋通りを中心に毎年秋に屏風まつりが開かれている。今年は9月15日(木)から10月15日(土)の開催で、一昨日(1日)数多くの屏風が飾られている町屋巡りをしてきた。正直、屏風そのものにお宝的価値があるかどうかは分からない。しかし、100年以上も経つ町屋の中に先祖代々が維持してきたことは大変なことであり、またその意義はとても尊いことであり、これこそが歴史文化の継承である。

その意味において、国宝だの重要文化財と同等であり、国はこうした地方の隠れた文化財に対しても保護をするべきであり、また一般市民も京都や奈良などの文化財だけでなく、こうした地方の文化財にももっともっと目を向けるべきだと思う。

木曜日, 9月 29, 2022

春風亭一蔵真打昇進披露興行@鈴本演芸場

昨日(28日)は上野鈴本演芸場で開かれている9月下席・夜の部(八日目)を聞いてきた。今回の下席は落語協会の新真打3人(春風亭一蔵、市弥改め八代目柳亭小燕枝、小辰改め十代目入船亭扇橋)の襲名昇進披露公演。この日は3人の兄貴分である春風亭一朝門下の一蔵の真打昇進披露が行われた。出演者と演目は下記の通り。

三遊亭わん丈  「孝行糖」
翁屋社中    (大神楽)
三遊亭円歌   「お父さんのハンディ」
春風亭柳朝   「平林」
ホンキートンク (漫才)
鈴々舎馬風   (漫談)
柳亭小燕枝   「湯屋番」
柳亭市馬    「目黒のさんま」
江戸家子猫   (ものまね)
柳家さん喬   「締め込み」

 〜 仲入り 〜

真打昇進口上

立花家橘之助  (浮世節)
入船亭扇橋   「高砂や」
春風亭一朝   「雑俳」
柳家喬太郎   「ウルトラのつる」
林家正楽    (紙切り)
春風亭一蔵   「寝床」

会場入口横に物販コーナーが設けられていた。これが賑やかというか騒々しい。春風亭一朝門下の落語家たちが必死になってTシャツ、キーホルダー、チケットなどを売っている。そして、仲入りの時には春風亭一之輔まで登場して完全に押し売り状態。(笑)私は何も買わなかったが、お客さんが100人ぐらいだったにもかかわらずTシャツが25枚も売れたとのこと。一之輔販売員の努力が報われたようだ。

真打口上は客席向かって左側の下手側から司会の喬太郎、落語協会常任理事のさん喬、本日の主役・一蔵、師匠の一朝、最高顧問の馬風、落語協会会長の柳亭市馬という豪華な顔ぶれ。それぞれの口上は一蔵への門出を祝う言葉と落語家お得意の内輪揉めを絡めながらにぎにぎしく進められ、最後は市馬会長の音頭取りのもと盛大に三本締めが行われる。

トリの新真打・春風亭一蔵は本当に堂々とした落語家になった。私が初めて一蔵を聞いたのは2016年2月のチェロキー寄席だったが、その時は身体がやたらデカく、芸も勢いはあるものの荒削りでまだ海のものとも山のものともつかない状態だった。あれから約6年半。身体は引き締まりもはや単に豪放磊落だけではなく、噺を膨らませる技術もしっかり身につけ、自分の落語スタイルを確立しつつある。近い将来(2〜3年)寄席(定席)でトリを務めるに違いない。



日曜日, 9月 18, 2022

文春落語 柳家喬太郎の同期会【ひるの部】

一昨日(16日)は渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホールで開かれた文春落語 柳家喬太郎の同期会【ひるの部】を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

柳亭左ん坊  「道具屋」
柳家喬太郎  「擬宝珠」
入船亭扇辰  「麻のれん」
 〜 仲入り 〜
対談(喬太郎・扇辰)
柳家喬太郎  「お若伊之助」

柳家喬太郎、入船亭扇辰(【ひるの部】のゲスト)、林家彦いち(【よるの部】のゲスト)は1989年(平成元年)に落語界に足を踏む入れた同期。それから33年、喬太郎は古典と新作を操る二刀流として、扇辰は古典の王道を歩み、彦いちは新作まっしぐらと、三者三様の落語人生を歩んでいる。

柳家喬太郎は弟子を取らないので、柳家系の落語会に行くと最近は開口一番はいつも柳亭左ん坊。左ん坊は静岡県出身で立命館大学退学後、2018年3月喬太郎の弟弟子である六代目柳亭左龍に入門。2019年7月21日に前座になる。大学では落語研究会に所属したこともあり、滑舌や仕草などの基本はしっかりしている。ただ、前座ということで当然ながら自分の型はまだできていない。今後に期待である。

「擬宝珠」は明治時代に活躍した初代三遊亭圓遊(1850年〜1907年)の作品。この作品は一時期時代の波に埋もれてしまったが、柳家喬太郎が10年以上前に掘り起こし、現在では他の落語家も演じている。噺は塞ぎ込んでいる若旦那を幼馴染みの熊五郎がその悩みを聞きにいくというもので、このあたり出だしは「崇徳院」や「千両みかん」を思わせるが、それがなんと浅草寺の五重塔の擬宝珠を舐めたいという答に熊五郎は驚く。ところがそれを大旦那に伝えると、なんと大旦那も擬宝珠好きだった・・・。つまり、話の内容はフェチというか異常愛についてであるのだが、喬太郎は正常者(熊五郎)と異常者(若旦那)を淡々と対比させて、落ちへと持っていく。その意味において、この演目は演者の気量がかなり問われるような気がする。

「麻のれん」は按摩の杢市に関わる滑稽噺。杢市は腕の良い按摩だが、ちょっとお酒好き。そして大の枝豆好き(私もです)。そんな杢市の麻のれんと蚊帳にまつわる取り留めない話だが、入船亭扇辰は目の見えない杢市がお酒を美味そうに飲み、枝豆を美味しそうに食べる姿を見事に演じ、その後ろに町屋の家の内が見えてくるような錯覚に陥いる。落語が単なる喋るだけの話芸でないことを知らしめてくれた。

「お若伊之助」は三遊亭圓朝の作品。別れたはずのお若と伊之助だったが、いつの間にか再度密会を続けて周囲に悟られる。その結果、伊之助は銃に撃たれるが、そこに残っていたのは狸の死骸。そして、お若は孕っていることがわかる・・・。正直、話の辻褄がよく分からない怪談噺だが、柳家喬太郎は硬軟緩急巧みな言葉を使いながら話を進める。ただ、怪談噺としては「死神」の方が完成度は高いし面白い。喬太郎の演じる「死神」はかなり怖く面白い。



金曜日, 9月 16, 2022

規定投球回数を上回ることはとても大変なのだ(大谷翔平とアーロン・ジャッジのMVP争い その2)

メジャーリーグで大谷翔平が規定投球回数を上回るかどうかが話題になっている。なぜならば、この規定投球回数を上回ることがとても大変だからだ。

メジャーリーグの規定投球回数というのは162イニング。これは全試合と同じ回数であり、こんなことは絶対にありえないが、仮に1試合1イニングを毎試合投げたとすると、規定投球回数に到達する。しかし、先発投手というのはどのチームも5〜6人いて、中4日もしくは5日で投げることが通常で、1年間に先発するのは30試合前後になる。つまり、30試合に先発した場合でも、平均5.4(≒5回1/3)イニング投げなければ規定投球回数を達成することができない。

大谷はメジャーではアメリカン・リーグに所属しているが、昨日時点でア・リーグでは規定投球回数を上回っている投手は25人しかいない。ア・リーグは全15球団なので、1球団に1人もしくは2人しかいないことになる(3人いるチームもあるが)。エンジェルスでは大谷だけである。ちなみに日本では昨日時点で規定投球回数に達している投手はセ・リーグが7人、パ・リーグが9人しかない。

このように規定投球回数に達するかは投手としても難しい。大谷はその規定投球回数と規定打席を同時に達成しようとしている。こんな選手は過去にもちろんいない。もし達成すれば歴史的なことである。それゆえに、仮にアーロン・ジャッジが三冠王(打率、打点、本塁打)になったとしても、過去に三冠王を獲った選手はいるので、大谷の方がMVPにふさわしい。。。




水曜日, 9月 14, 2022

新美南吉の童話「あめ玉」を創作落語にした柳枝百貨店赤坂支店

昨日(13日)は赤坂会館で開かれた「柳枝百貨店赤坂支店」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

春風亭枝次  「雛鍔」
春風亭柳枝  「片棒」
春風亭柳枝  「あめ玉」
 〜 仲入り 〜
春風亭柳枝  「茶金」

私にとって昼の落語会はちと辛い。というのも、私は普段昼寝をする習慣があるので、午後1時30分開演という落語会は眠くてたまらない。開口一番を務めた春風亭枝次は春風亭百栄の弟子で、11月上席より二ツ目に昇進する。そんな枝次だがいきなり「柳枝師匠はただいま鈴本演芸場を出てこちらに向かっております」と業務連絡。それまでの間、20分は務めろと。ということで、前座噺としては比較的長い「雛鍔」を一生懸命に披露。一方でこちらは睡魔との闘い。枝次さん、ごめんなさい。m(_ _)m

春風亭柳枝の最初のマクラは上野鈴本からここまで着替えずき他のだが、雪駄を持ってくるのを忘れてしまい、運動靴に着物は恥ずかしいので、鈴本の前座雪駄を借りて来たという。高座に上がる時に手拭いや扇子を忘れるという話は何度も見たことがあるが、雪駄を忘れたという話は初めて聞いた。「片棒」は自分の跡を誰に継がせるか迷った大店の旦那が、子供3人それぞれに自分の弔いをどうするかを聞くという噺。柳枝は三者三様の考察をコミカルに話すが、三人のキャラクター付けが弱いような気がする。

マクラは先週末(10日)に行われた三人集(一蔵、小燕枝、扇橋)の披露パーティの話。これも浅草演芸ホールでの寄席があるために中抜けして、帝国ホテルから浅草演芸ホールへ行って戻ってきたと。売れっ子というよりは律儀である。「あめ玉」は初めて聞く噺。渡し船に乗った子供二人が些細なことで喧嘩をするが、同船して居眠りをしていた浪人が飴玉を一刀両断で二つに分けて、二人の喧嘩を仲裁するという話。オリジナルは昭和初期に早世した児童文学者・新美南吉の童話だが、この話を創作落語にした試みは素晴らしい。柳枝は子供を演じるのが上手いので、このような童話を落語にするという試みは今後とも続けていってもらいたい。

仲入り後のマクラは出囃子の話。柳枝の出囃子は「都囃子」だが、この時は主宰のオフィスエムズの加藤さんの計らいで故・桂米朝師匠の出囃子(三下り鞨鼓?)が流されたので、出囃子のちょっとした裏話を。で、演目は米朝師匠が復活させたという「茶金」(はてなの茶碗)へ。流石に目黒っ子の喋る京都弁は多少の無理があるが、江戸出身の油屋八五郎(オリジナルは確か大阪出身)との対比で話を盛り上げていく。今日、この噺をかける東京の落語家はいっぱいいるが、柳枝ならではの味を醸し出す演目として作り上げていってもらいたい。




木曜日, 9月 08, 2022

柳家喬太郎の「銭湯の節」が花を添えた小辰の寸法~さよなら感謝祭~

昨日(7日)は日本橋劇場で開かれた「小辰の寸法~さよなら感謝祭~」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。

入船亭小辰  挨拶(お礼とチケットのお願い)
柳亭左ん坊  「のめる」
入船亭小辰  「初天神」
入船亭小辰  「藪入り」
 〜 仲入り 〜
柳家喬太郎  「銭湯の節」
入船亭小辰  「不孝者」

左ん坊という前座名は柳家ではそれなり出世街道的前座名だ。初代は「さん坊」として現在の柳家喬太郎が名乗った。それを柳家喬志郎、柳家やなぎと柳家さん喬の弟子たちが受け継ぎ、現在は孫弟子が受け継いでいる。そんな左ん坊も前座3年になるが、この日はなぜか丸坊主で登場。何をしたのだかろうか・・・。

この日の入船亭小辰のテーマは「親子」だった。前半の「初天神」ではやんちゃな子供とそれに便乗する父親を軽やかに演じ、「藪入り」ではネズミ取りでお金を稼いだ健気な少年と早とちりする両親の対比を鮮やかに演じる。もう二ツ目は卒業です、と言わんばかりの出来だった。

仲入り後に登場したゲストの柳家喬太郎は先代入船亭扇橋師匠や小辰の師匠である扇辰師匠(喬太郎とは同期)の思い出話が次から次へと出てきて止まらない。これだけで20分以上は話していたが、中でも前座時代にある演芸場そばでのくつろいでいた時の話と、近くの酒屋で聞いた小辰が扇辰に入門をしたという話は興味深かった。喬太郎が新作を作る原動力はこうしたところにあるんだろうなあ、と思っていたら、その後に新作中の新作「銭湯の節」を披露した。

おばちゃんは銭湯が大好きだが、銭湯に行くと必ず男湯から下手な浪曲が聞こえる。それが好きなの嫌いなのかは別として、おばあちゃんはそれに掛け声をかけたいと言う。そんなおばあちゃんのために孫娘が人肌脱ぐ。この孫娘、大学では落研だったので、浪曲はできはなくないといい、なんと「芝浜」を題材にして浪曲にしてしまう。そして、会社のプレゼンも浪曲で行ってしまう。そして、二人で銭湯に向かう・・・

この新作は柳家喬太郎の浪曲に対する畏敬の念が抱かれている。以前、喬太郎の「歌う井戸の茶碗」を聞いたことがあるが、これも歌謡曲やウルトラマンへの愛に満ちはふれていた。喬太郎は落語という自分の土壌で、他の演芸、芸能に対してリスペクトと同時に応援のメッセージを送っている。こんな落語家はそうはいない。そんな意味でも「銭湯の節」は秀逸の新作だ。

入船亭小辰が扇橋を襲名すると聞いたとき、多くの落語ファンは驚いたに違いない。私は地元学芸大学の「チェロキー寄席」で以前より何度も聞いていたので、真打昇進の際はどんな名前にするのか少しは気になっていた。落語好きの掛かり付けのマッサージの先生ともそんな話をしたことがある。それがまさか大師匠である扇橋を継ぐとは。これは扇橋の惣領弟子である扇遊師匠をはじめ入船亭一門の推挙があったとはいえ、やはり驚きであった。

「不孝者」は芸者遊びにふける若旦那を迎えに行く大旦那がひょうんなことから昔の馴染みの芸者・欣弥とよりを戻すという人情噺。聞きどころというか見せ場はなんと言ってもよりを戻すシーン。大旦那の未練がましい体裁と、芸者の込み上げる感情が交差するところだ。こうした男と女の情感を演じ分けるのは難しいが、小辰は情感豊かにたっぷりと演じる。いや〜、参った。これだけの出来ならば先代扇橋師匠も名を継ぐのを許すに違いない。




木曜日, 9月 01, 2022

大谷翔平とアーロン・ジャッジのMVP争い

メジャーリーグ、アメリカ・リーグMVP争いが話題になっている。メジャーリーグ・ウォッチほぼ50年の私の予想は正直、現時点では分からないとしかいいようがない。ただし、大谷翔平とアーロン・ジャッジにはそれぞれ残された課題があることは間違いない。

まず大谷翔平。大谷にはすでにベーブ・ルース以来の2桁勝利2桁本塁打の二刀流としての成績は達成している。しかし、ルースもなし得なかった規定投球回数、規定打席の2つをクリアするにはいたっていない。それゆえに、大谷がMVPを獲るためには、最低限でも規定投球回数を投げ切る必要性がある。これを達成した上で、15勝(現在11勝)もしくは40本塁打(現在29本)を達成したら、ジャッジが仮に本塁打を70本を打ったとしても、大谷がMVPを獲得しなければおかしいと思う。

一方、アーロン・ジャッジであるが、彼が本塁打を60本以上打つのは間違いないだろう。ア・リーグで過去に60本以上本塁打を打った選手は1961年のロジャー・マリスの61本以来となる。またDH制が施行された1973年以降では2002年のアレックス・ロドリゲスの57本が最高なので、これをも上回ることになる。ただ、ジャッジの大谷を上回る優位点というのはチームの勝利数にある。つまりどれだけ勝利に貢献してたかである。少し前までのジャッジが所属するヤンキースはダントツの勝利数を誇っていたが、8月に入って下降線となり、チーム勝利数は西地区首位のアストロズを4つほど下回っている。このままで行くとジャッジのMVP争いでの印象は悪くなる。そのために、ジャッジがMVPを獲得するためには、ヤンキースは勝利数1位を得る必要がある。

ということで結論。MVPを獲るためには大谷は規定投球回数に達すること。ジャッジはチーム勝利数がリーグ1位になることが条件になると、私は考えている。





水曜日, 8月 31, 2022

林家正雀の怪談噺「江島屋騒動」がトリだった新宿末広亭8月下席・夜の部

一昨日(29日)は新宿末広亭で開かれていた8月下席・夜の部(九日目)を聞いてきた。主任(トリ)は林家正雀。正雀は林家彦六最後の弟子。彼は怪談噺を得意としていて、また今はほとんど演じられなくなった芝居噺(演劇仕立て)を行ったりする稀有な落語家。出演者と演目は下記の通り。

柳亭市遼    「狸の鯉」
古今亭佑輔   「つる」
ストレート松浦 (ジャグリング)
古今亭圓菊   「桃太郎」
柳家小せん   「金明竹」
アサダ二世   (奇術)
金原亭馬生   「あくび指南」
柳家三三    「看板のピン」
柳家小菊    (俗曲)
柳家花緑    「岸柳島」
 〜 仲入り 〜
鏡味仙四郎・仙成(大神楽)
三遊亭白鳥   「アジアそば」
春風亭一朝   「芝居の喧嘩」
林家正楽    (紙切り)
林家正雀    「江島屋騒動」
        〜「奴さん」

5月の鈴本演芸場へ行って以来だから約3ヶ月ぶりの寄席。寄席の醍醐味というか面白味は演者が何をやるか分からないところにある。その意味において昨日の末広亭は意外な人が意外な演目を演じるんだなあと思い知らされて興味深かった。

前座の柳亭市遼、二ツ目成り立ての古今亭佑輔にとってはまだまだ寄席は修業の場。本来ならば真打が登場する前に場を温めることをする役目だが、残念ながらそれはできず。その煽りを受けたのかジャグリングのストレート松浦は少しやりにくそうだった。しかし、古今亭圓菊の「桃太郎」からはそれぞれが持ち味を出すというか、演者誰もが寄席を楽しんでいて生き生きとしていた。

圓菊は昔話をめぐる親子の認識の違いというかズレをおもしろおかしく表現。柳家小せんは「金明竹」のクセのある関西弁のイントネーションを自らが楽しむかのように話す。金原亭馬生も「あくび指南」をこれまた楽しみながら快活に話し、コロナから復帰した柳家三三はとても堂々とした「看板のピン」を演じて、普段とは違う一面を見せてくれた。三味線の音色がいつも美しい小菊姐さんの後、前半のトリだった柳家花緑は、武士と町人の丁々発止を時に緊張感に満ち、時に弛緩的にと巧みに演じる。

仲入り後は大神楽に続いて、三遊亭白鳥が自作の「アジアそば」を披露。話の内容はインド人の蕎麦職人の噺。話の展開はだいたい想像がつくかもしれないが、宗教ネタも入れてシュールでかなりの秀逸な作品だ。春風亭一朝の「芝居の喧嘩」は幡随院長兵衛の一派と水野水野十郎左衛門の話。ただし、これは講談をちょっと茶化した噺でもある。紙切りの林家正楽の後はトリの林家正雀が怪談噺を「江島屋騒動」をかける。深川佐賀町で医者をしていた倉本玄庵。医者の不養生であっけなく亡くなる。残された美人妻と娘は故郷に戻るが、土地の者に悪さをされるという噺。初めて聞く私だった上に、結構難解な噺で理解するのが難しかった。ただし、正雀の怪談噺にかける姿勢には圧倒された。ところがなぜか口演後は「奴さん」を踊って明るくお開きとなった・・・!?。



日曜日, 8月 28, 2022

飯岡、銚子、佐原の旅(その3)

飯岡(千葉県旭市)は岩牡蠣の産地として有名であるが、それと共に東日本大震災で千葉県のなかで最も被害を受けた場所である。東日本大震災では東日本の海岸線(青森、三陸、仙台、福島、茨城)に大津波が押し寄せて、各地に甚大な被害をもたらした。そして、あまり知られていないが千葉県の旭市にも多大な被害をもたらしている。旭市では死者13人、建物の全壊334棟、半壊923棟の被害に見舞われている。そのほとんどが漁港のある飯岡町周辺であった。

それではなぜ飯岡に津波が集中したかというと、地形の起伏と水深の深さ、また何度も押し寄せてきた津波の押し寄せと引きなど、かなり複合的な関係によって起きたようである。写真にある「旭市の津波を被害を記録する会」の簡略なパンフを読んでも、正直明確に理解するのは難しい。


ただ、刑部岬展望台(風がめちゃくちゃ強い)に行ってみてわかったのが、銚子マリナーナから刑部岬まで約10km続く断崖(高さは40〜50m)の屏風ヶ浦と、飯岡漁港から南へ連なる九十九里浜(約66km)の地形にあることはなんとなく理解ができた。津波というのは遠浅のなだらかな海岸よりも、三陸のような入り組んだ水深の深い海岸線に押し寄せる。つまり、犬吠埼から周り込んできた津波は屏風ヶ浦に何度も押し寄せたが、その押し寄せと引きが重なりあい、屏風ヶ浦の隣にある飯岡に押し寄せてきたのではないだろうか。

飯岡の町ではお土産の魚介類を求めてタクシーで巡ったが、そのときに運転手さんがところどころで車を停めて「この辺の家はみんな被害を受けて、引っ越ししてしまったんです」「更地になっているところはいいですが、空き家になっているところもあるんです」「ここには中学校があったんですが、何年か前に内陸側に完全移転しました」などと説明してくれた。

百聞は一見にしかず、の旅だった。



飯岡、銚子、佐原の旅(その2)

佐原には20年以上前に俳優の榎木孝明さんと雑誌『旅』の仕事で行った。その当時は佐原を訪れる観光客といえば夏と秋に行われる佐原大祭ぐらいで、観光地としてはまだ穴場的なスポットであった。ところが、今回行ってみて町の様相はかなり一変していた。なんというか、洗練された観光地となっていたのである。

佐原といえばなんといっても伊能忠敬であるが、この20年以上の間に伊能忠敬に関連する映画やドラマが何本も公開された。またフィルムコミッション活動も盛んで、佐原周辺で撮影された映画、ドラマ、CMなどは数限りない。こうしたこともあり、佐原を訪れる観光客は年々増加していき、コロナ以前の2019年には埼玉の川越と並ぶぐらい「小江戸」観光地として人気を博するようになった。

では、なぜ佐原がここまで人気を博すようになったかといえば、それは若者に媚びなかったからであろう。川越には申し訳ないが、佐原にはクレープのような若者ウケするような食べ物屋がほとんどない。こうしたことによって街並みの景観は崩れることなく、今でもしっとりしている。それでも、以前に比べて多くのお店が店頭に幟や旗を出しているのには少々辟易した。

その佐原では20年前は行くことができなかった伊能忠敬旧宅と記念館を見学した。旧宅は名主だったという伊能家にしてはこぢんまりとした佇まいだった。そして、記念館はさほど大きいとはいえないが、伊能忠敬が幕府天文方の高橋至時(よしとき)に弟子入りした経緯や、蝦夷測量へ旅立ったことなどが詳しく展示されている。そして、もちろん忠敬らが作った日本地図の中図や小図などが展示されていて、歴史マニアだけでなく天文・地理・地学好きにはたまらない。やはり、佐原を訪れたならば、ここは絶対に訪れるべき場所である。20年の時を経て訪ねた甲斐があった。




飯岡、銚子、佐原の旅(その1)

少し前になるがお盆明け後に千葉県の飯岡、銚子、佐原と旅をしてきた。

なぜ飯岡なんて誰も行かないようなところへ行ったかといえば、飯岡は岩牡蠣の産地として有名であり、また東日本大震災で千葉県で唯一津波の被害を受けた場所でもあったからだ。銚子は飯岡から銚子に続く屏風ヶ浦を観てみたいのと、こちらも何か美味しいものを食べたいという目的であった。佐原は以前にも行ったことがあるが、その時に行けなかった伊能忠敬旧宅および記念館を訪れたかったからである。

飯岡の津波被害のことはいずれ書くとして、銚子の町の賑わいの無さというか寂しさには唖然とした。銚子出身の方には申し訳ないが、銚子が昔のような賑わいを取り戻すのはもはや不可能ではないかと思えた。

銚子港は今でも魚介類の水揚げ量日本一の漁港である(水揚げ額は4位。1位は焼津)。しかしながら、今年は全体の6割のイワシが不漁で漁獲量は半減近くになっているという。また、先週から始まったサンマにしても漁獲量は期待できない。そして、銚子の利根川挟んだ反対側にある波崎(はさぎ)に大型船が入れる港ができたので、そちらに船を取られるのではないかという懸念もある。となると、今年は11年連続水揚げ量1位の座を明け渡すかもしれない。

そして、銚子でいろいろな声を聞いた。

「銚子というと、漁師、農家、醸造(醤油)の3本の矢なんですが、これが仲が悪いんですよ。いつも足の引っ張り合いをしているんです」「駅前のシャッター街でもわかるように、どこもかも後継者不足なんです」「高校野球の影響もあるかもしれません。昔は銚子商が強くて街は一致団結していましたが、今は船橋や木更津に歯が立たず、ベスト8に行けるか行けない状態です」「なんで観光客しか乗らない銚子電鉄が走っているのも地元民として不思議です」

このように、地元民から出る声はほとんど愚痴ばかり。若者のひとりは言っていた。「銚子はマクドナルドはありますが、スターバックスはないんですよ。そんな街に誰が留まりますか」ちなみに、佐原にはマックもスタバもある・・・。



土曜日, 8月 27, 2022

第3回柳枝百貨店よこはま店

昨日(26日)は横浜にぎわい座・のげシャーレで開かれた「第3回柳枝百貨店よこはま店」を聞きに行ってきた。横浜に落語を聞きに行くのは初めてだったが、その近さというか早さに少し驚き。最寄りの学芸大学から横浜までは自由が丘で特急に乗り換えで25分。そして、横浜で根岸線に乗り換えて、にぎわい座のある桜木町まで3分。乗り換え時間を加えてもトータルで35分で着いてしまった。これだと普段落語会が行われている日本橋界隈に行くのと時間的には大差がない。しかし、柳家喬太郎師匠ではないが、なんで東横線は桜木町へ行くのを止めてしまったのだ・・・ブツブツ。

で、出演者と演目は下記の通り。

春風亭柳枝  「もぐら泥」
春風亭柳枝  「佐々木政談」
 〜 仲入り 〜
春風亭柳枝  「死神」

マクラは寄席で泥棒の噺をしたいのになぜか先に誰かに演られてしまってできない、と。今日はその鬱憤を晴らしたいということで「もぐら泥」へ。これはある店に入った間抜けな泥棒の噺だが、その形態の仕方や演じ方がかなり難しい。決して大ネタの噺ではないが、落語の醍醐味を十二分に味わえる噺でもある。そこを春風亭柳枝を軽妙かつおおらかに描写する。冒頭から熱演だった。

マクラは春風亭一蔵・柳亭市弥・入船亭小辰の「三人集」でも出てきた甲子園球場での話。とにかく柳亭市弥の酔っぱらい度が凄いらしい。ここから先は市弥の名誉のために書かないが、一緒に行ったみなさんは落語会のマクラでどんどん話していただきたい。(笑)「佐々木政談」はお奉行ごっこ、白洲ごっこをしていた子供と南町奉行佐々木信濃守の噺。特に奉行と子供(四郎吉)との掛け合いが面白い。春風亭柳枝はこの掛け合いをかなり丁寧かつ上品に伝えるが、情景描写にもう一つ手を加えてほしい気がした。

マクラはある外国人俳優が日本で厄祓いを受けたという話と、厄年になった自分も川崎大師で厄除けをしたが、川崎大師ともなると「次は何番の方」と目まぐるしいと。「死神」は三遊亭圓朝の作品で漫画「落語心中」でも大きく取り上げらえた。この噺、演者によってかなり異なる。柳家喬太郎のように少し怖い話にする人もいれば、桃月庵白酒のように完全な笑い話にする人もいる。演者の舌先三寸、いや胸先三寸である。で、春風亭柳枝はというと、後半にちょっと演出を加えるなど怖い話仕立て。この演出はかなりシンプルなので、私のような演劇畑上がりにはもの足りない。ただ落語なのであんまり派手にやるわけにはいかないので、そのへんの匙加減は大変だと思う。しかし、今はほとんどやらなくなった芝居噺仕立てになったら、どうなるなんだろうかと思ってしまう。なお、お決まりの呪文「アジャラカモクレン、○○○○、テケレッツのパー」はマクラで述べた外国人俳優の名が入った。



木曜日, 8月 25, 2022

一蔵、市弥、小辰の三人集 二ツ目ラストラン

月曜日(22日)は日本橋社会教育会館で行われた春風亭一蔵、柳亭市弥、入船亭小辰による「新版三人集」を聞きに行った。これが二つ目としては最後の会。

最初のトークは全員私服で登場。というのも、3人とも開演時間を15分間違えていて、それを前座の「気が利かない」せいにする。トークには九州でトラックの荷台に高座を設けて頑張っている橘家文太と、これから行われる3人の襲名披露興行の総番頭を務める古今亭始が登場。前座には仕打ちはするが、頑張っている二ツ目の後輩は観客に優しいという3人だった。

で、出演者と演目は下記の通り。

柳亭市助  「狸の鯉」
入船亭小辰 「いかけや」
古今亭始  「首ったけ」
 〜 仲入り 〜
春風亭一蔵 「天災」
柳亭市弥  「千早ふる」
 〜かっぽれ〜

柳亭市助は柳亭市馬の11番目の弟子。開口一番「気が利かない前座です」と挨拶した後本題へ。「狸の鯉」は狸の恩返しがあだになるという噺だが、市助は淀みもなくそつなくこなす。気が利かない先輩に気遣いなどする必要はない。w

マクラは高校時代に自分の学校(日大豊山)が甲子園に出場したので甲子園に応援に行ったがずっと寝ていたという話。「いかけや」(鋳掛屋)とは路上で鍋や釜などの鋳物製品の修理・修繕を行う仕事。昭和初期まではあった職業。噺はその鋳掛屋を悪ガキどもがからかい、その後に鰻屋へ行って看板を「ヘビ屋」にするなどイタズラをするという悪ガキの噺。この噺、あまり聞く機会はないが入船亭小辰に実にぴったり。悪ガキのこまっしゃくれた言い方がいい。ぜひとも十八番にしてもらいたい。

古今亭始は古今亭志ん輔の弟子。志ん輔は3代目古今亭志ん朝の弟子なので、始は志ん朝の孫弟子となる。ただ、始は現在38歳なので20年前に亡くなった名人のことは知らないかもしれない。マクラで3人の襲名興行の総番頭の話を聞いた時にはびっくりしたと。3人の一門(春風亭一朝一門、入船亭扇辰一門、柳亭一門)とは関係がないのにと・・・。「首ったけ」は吉原の花魁・紅梅に首ったけの男の噺。話の中で東洲斎写楽の役者絵「奴江戸兵衛」の形態模写するなどウィットにとんだ話し方をする。

春風亭一蔵のマクラがめちゃくちゃにおかしかった。披露興行が近くなり色々なところに挨拶状を出しているのだが、自分は市弥や小辰と違って字を書くのは下手だし、慣れていない、と。しかし、「襲名披露前はとにかく宛名書きが大変のよ」と嘆く。なかでも「ワタナベさん」のナベの字、いったいどうなっているのと。これには私も大いにうなづいてしまった。そして、サイトウさんのサイの字もどうにかしてよ、と。分かります分かります。まったくどうにかしてほしい。ということで、本題の「天災」は割愛。w

トリは一蔵曰く「10年の想いを込めて」柳亭市弥が務める。マクラは襲名にするにあたってなぜ小燕枝になったかの経緯を披露(告白?)。「千早ふる」は在原業平の有名な和歌であるが、落語はこれを曲解する。この日の市弥は弾けていた。人によっては空回りしているように見えるかもしれないが、今回はしっかり「10年の想いを込めて」会場を沸かせてくれた。そして、最後は「かっぽれ」を踊る。途中から古今亭始も加わり、三人集最後の会を飾った。

それにしても3人というのはいいものだ。落語には二人会というのは星の数ほどあるが、三人会は非常に少ない。お笑い3人組、三ばか大将などお笑いには3という数字は吉なような気がする。三人集も今回が二ツ目最後になったが、真打になっても1年に2〜3回は続けてもらいたい。



金曜日, 8月 05, 2022

さん喬十八番集成 〜夏の夜噺〜

昨日(4日)は国立演芸場で開かれた「さん喬十八番集成 〜夏の夜噺〜」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。なお、この日は柳家さん喬師匠の74歳の誕生日。

柳亭左ん坊  「狸の札」
柳家さん喬  「ちりとてちん」
柳家さん喬  「禁酒番屋」
 〜 仲入り 〜
柳家さん喬  「長短」
柳家さん喬  「笠碁」 

寄席や落語会では通常は高座の後は無地の長屏風が置かれているものだが、この日の演芸場には屏風はなく、背景は簾格子戸で風鈴も飾ってあり、夏の風情の舞台美術。

柳亭左ん坊は前座になって丸3年。そろそろ二ツ目だが、その実力は着いたような着かないような・・・。

「ちりとてちん」はもともと「酢豆腐」を上方落語がアレンジされた作品。柳家さん喬は「腐った豆腐」のようでなくサラッと「酢豆腐」のように演じる。師匠曰く「最近は『酢豆腐』を演じる人は少なくなってしまった」と。テレビの影響力はすごいものだと感じる。

柳家さん喬は確か下戸のはずである。それゆえに飲み方や酔い方がとても上手い。「禁酒番屋」では水カステラの時は楽しそうに飲み、油の時はほど酔い加減で飲み、そして小便の時は完全にヘベレケになって飲む。この仕草はコミカルかつ細やかで感心させれる。名人芸だ。

「長短」は気の長いというかノンビリ屋と気の短い短気者の親友同士の噺。ここでもさん喬は饅頭を食べる仕草、煙草を喫(の)む仕草の長短の違いを見事に現す。後談として師匠は「フランスのパリ祭(文化祭)に呼ばれた時に何をやろうかと思ったのですが、『初天神』『長短』『死神』を選びました」と。観客には予めあらすじを教えての公演だったそうだが、受けた瞬間に「フランスは俺のものだ」と。(笑)

「笠碁」も「長短」と同じように仲のいい隠居同士の噺。ただし、こちらは「へぼ」「ざる」と罵り合うが、結局は元の鞘に収まるという滑稽噺。ここでは飲んだり食べたりの仕草ではなく、二人の心理描写を繊細かつ緻密に演じる。名人芸である。



火曜日, 8月 02, 2022

青森ねぶた祭 ねぶた作りを見学

札幌・青森の旅の直前に今年はねぶた祭をやることを知った。ねぶたは青森市民、青森県民の誇りであるから、コロナで2年も中止を余儀なくされたのはさぞかし悔しかったに違いない。

ねぶたはいつか見たいとずっと思っている。というのも、星の数ほどある日本の祭りのなかで、ねぶたほど格式と威厳がありながらも情熱的な祭りはないと思う。そもそも、日本の祭りのなかで飛び跳ねるなんて祭りはねぶた以外にない。

そんなねぶただからこそいつかは見たいと思っているのだが、この時期に宿をとるのは至難の技だ。そこで、今回は祭りを見ることはできないが、せめてねぶたを作っている場所を訪ねてみた。ねぶたは市内の北の「青い海公園」というところで作られている。ここにはボランティアのガイドさんもいて、いろいろな話を聞いた。

今年のねぶたは総数が18台。しかし、全てが毎日練り出せれるわけではない。今年は本日2日(火)から7日(日)までの6日間行われるが、1日目と2日目は11台。3日目と6日目は13台。4日目の金曜と5日目の土曜が17台ともっとも多い。このねぶた以外に先導用の前ねぶただったり、子供が扱う子供ねぶたというのがある。

ねぶたの製作費は2000万円余。それゆえに企業や団体の寄付がなければ作ることができない。ガイドさんの話によれば戦後復興の時からのスポンサーは日本通運と東芝だったのだが、今年は東芝が撤退してしまったとのこと。

なお、今年のねぶたは毎晩ネット中継がされるようで、テレビではBS11で5日(金)午後8時00分~58分に中継される。








月曜日, 8月 01, 2022

杉原誠人騎手、おめでとう

昨日(31日)の新潟1000m直線競馬、通称「千直」の重賞・アイビスサマーダッシュ。マスコミは藤田菜々子、今村聖奈の女性騎手対決で盛り上がっていたが、結果は「杉ちゃん」こと杉原誠人騎手鞍上のビリーバー号が勝った。杉原騎手は12年目にして初重賞勝利である。

杉ちゃんは3月に解散した藤沢和雄厩舎所属。名門藤沢厩舎では数多くの馬の調教に騎乗していたが、レースはいつもルメールが騎乗して、いい馬に乗る機会は余りなかった。しかし、どれだけ多くの競馬ファンが「杉ちゃん調教・ルメール騎乗」にお世話になったことか。

そして、杉ちゃんは短距離やダートで穴馬を持ってくる騎手としても有名で、私も3〜4回は彼のおかげで万馬券を当てさせてもらった。それゆえに、ずっと応援してきた騎手だけに初重賞勝利はとても嬉しい。ちなみに馬券は単勝と馬連をゲットした。今週も先週の札幌競馬に続いて若干だがいい気分にさせてもらった。

今後はフリーになった杉ちゃんが多くのいい馬の騎乗依頼を受けて、一流騎手になっていくのを楽しみにしている。