水曜日, 6月 30, 2010

悪しき伝統にサヨナラが嬉しかった

私の当初の予想はカメルーンに勝てても、オランダとデンマークの2チームには勝てないであった。しかしながら、岡田ジャパンは2勝1敗で決勝トーナメントに進出、そしてパラグアイにPK戦での惜敗と予想以上の結果を残した。そのことに対して、岡田ジャパンに慎んでお詫び申し上げます。

それにしても、私が一番嬉しかったことは中田英以来の悪しき伝統ともいえる中盤で球回しばかり行い、FWにパスして「お前、決めろよ」的サッカーにサヨナラしたことである。本田、松井、大久保らの強引とも思える突破や前線での積極的なディフェンスは、これまでの日本代表になかったガムシャラなサッカーでとても好感がもてた。

そして、今回の日本代表のシュートの多くがゴールの枠内を的確にとらえていたことも評価したい。日本のサッカーといえば、シュートを打ってもいつも明後日の方向で、キーパーに触れることすらないシュートが多かった。ところが、今回は5割以上がゴール枠内に入っていたように思える。このことは、今後の決定力不足を解消する礎になるだろう。つまり、決定力を高めるために、今後は高校サッカーやユースサッカーから、シュート数を「枠内シュート」「枠外シュート」などと詳細に分類するべきである。

ただ、日本がここまで勝てた要因のひとつとして、飛ぶボールの存在を忘れてはならない。今回採用されたボールは明らかにこれまでのボールより飛んでいる。予選リーグでは参加チームのどこもがクロスボールをあげても、ボールが頭上を通過してヘディング・シュートができなかった。それはあまり背が高くない日本チームにはラッキーだった。

今回の活躍でFIFAランキングが上がることは間違いないだろうが、そんなことに驕ることなく協会も選手もJリーグおよび海外リーグで切磋琢磨してもらいたい。

火曜日, 6月 29, 2010

日本相撲協会を処分すべし

日本相撲協会が名古屋場所開催を決めた。賭博問題の処分については7月4日の臨時理事会で決め、番付発表は5日は行うという。外部有識者による特別調査委員会からの勧告を受け入れ、形式上は全面降伏である。

朝日新聞社が26〜27日に行った世論調査(電話)よると、63%が大相撲名古屋場所開催中止に賛成と答え、中止に反対は23%だったそうだ。また、NHKに寄せられた視聴者意見では、中継反対は6割、賛成は1割になっているそうだ。

ただ、私は名古屋場所を開催するべきだ思っていた。というのも、名古屋場所が開催されなければ、また相撲協会お得意の隠蔽工作が行われ、次の場所でまた同じ力士や親方が登場するのである。これでは全く意味がないので、ここは名古屋場所を開催して、謹慎処分を受けた力士や親方たちを東京に滞在させて、謹慎させる方が得策だと思ったからである。もし開催されないようならば、幕下以下で頑張っている力士や、これまで大相撲を支えてきた外国人力士に対して失礼である。このことは、名古屋場所の準備をしている関係者に対しても同様である。

ただし、テレビ中継に関しては絶対に反対だ。ましてや受信料を取っているNHKが5億円もの放送権料を払ってを行うべきではない。また、ここぞとばかりにCSを含む民放が出し抜けに中継することも自粛すべきである。放送は「大相撲ダイジェスト」だけにしてもらいたい。

以前より何度も書いているが、大相撲は江戸時代から続く「興行」であり、地方巡業では興行元のひとつである反社会的勢力抜きに行うことはできない。もし、大相撲が「スポーツ」というならば、少なくとも現在の協会理事は全員退任して、全く新たな体制を作らなければならない。ただ、そのような自浄能力が今の相撲協会には到底あるとは思えない。ならば、管轄省庁である文部科学省は、大相撲が勝手に「国技」と言うことを止めさせ、相撲協会の公益法人としての認可を取り消すべきである。大相撲は所詮「興行」なのだから。

月曜日, 6月 28, 2010

もっともっと人が動く政策を

本日(28日)0時から一部の高速道路無料化が始まった。これは民主党が掲げたマニフェストの一つであり、経済活性化がなされるかどうかの社会実験でもある。ただ、こうした物流的および観光的な活性化だけでなく、もっともっと人が動く政策を行うべきではないだろうか。

現在の日本の経済活動低迷の元凶のひとつに「引き蘢り」「家飲み」といった言葉に代表されるように、人が動かない状況がある。

ちょっと比較としては無理があるかもしれないが、アメリカ人は年に1人あたり5〜6回映画館に足を運ぶ。ところが、日本人は1回である。具体的なデータはないが、家族が外食に出かける回数にしても、おそらくアメリカは日本の数倍以上あると思われる。アメリカ人は外出好きなのである。また、アメリカ人は2〜3年に1回は引っ越しをするとも言われている。人が動くということはお金が動くということでもあり、これがアメリカ経済の原動力になっている。

アメリカまでは無理としても、それにしても、日本は動かない人が多い。会社と家だけを往復する人。全く外食を楽しまない家庭。こうした重い腰の日本人を上げるための政策を行うべきではないだろうか。

例えば、「家飲み」を減らすために飲み屋などの業務用ビール樽の酒税を軽減してみてはどうだろうか。そうすれば、現在飲み屋で1杯500円〜600円の生ビールが350円〜400円になり、飲み屋へ足を運ぶ人が増えるのではないだろうか。

ファミレスやレストランで家族割引をうけられるクーポン券を配布してみてはどうだろうか。旅館やホテルなどでは60歳以上の人には入湯税やサービス料などを免税してみてはどうだろうか。他にもまだまだ人を動かす政策はいっぱいあるだろう。

高速道路無料化による社会実験も結構だが、もっともっと人が動くような政策することが急務ではなかろうか。

金曜日, 6月 25, 2010

いったいFIFAランキングとは・・・

大方の予想(私もその一人)を覆して、ワールドカップで日本が決勝トーナメントを進出を決めた。まあ、それはそれで喜ばしいことなのだが、それにしても、今回のワールカップを見ているとFIFAランキングって一体何?と思ってしまう。

番狂わせというのどんなスポーツでもあるものだが、今回のワールドカップほど番狂わせの多い大会はないのではないだろうか。ただ、それは誰もが FIFAランキングに惑わされていたからだろう。

FIFAランキングとはFIFA(国際サッカー連盟)が独自の規定によって毎月発表するランキングだが、このランキングはどうみてもヨーロッパ偏重でならない。現在のランキングで20位までのチームのほとんどが今大会に出場しているが、そのなかで5位のイタリア、10位のフランス、12位のギリシャ、16位のセルビア、19位のカメルーン、同率20位のナイジェリアとオーストラリアはすでに予選敗退が決まっている。これで2位のスペインまでもが決勝トーナメントに行けなくなると、もうFIFAランキングなんてあってないようなものである。

そもそも日本(45位)にしても、今年になってホームで2回も負けている韓国(47位)より上というのが解らない。もし、このFIFAランキングみたいなのが野球にあれば、1位は日本、2位は韓国、3位はアメリカ、4位がキューバになるのだろうか。

いずれにしろ、ワールドカップ終了後のFIFAランキングが楽しみであると共に、次のFIFAの総会ではランキングの規定が問題視されることは間違いないだろう。

火曜日, 6月 22, 2010

消費税増税よりも宗教法人に課税を

参議院選挙を前に菅直人首相は2〜3年後には消費税を10%とぶちかました。選挙対策としては完璧なマイナスなメッセージをあえて言ったことは評価するが、それだけでなく消費税増税と共にはっきりと宗教法人にも課税すると言ってほしかった。

先日の週刊朝日(6月4日号)によると、宗教法人の優遇税制を改善すると3.5兆円以上の税収が見込まれると書かれていた。これは消費税増税の1.5%ぐらいにあたり、これならば、消費税は10%でなく8.5%で済む。また、仙石官房長官は2兆円程度の無駄使い削減は可能と発言しているのだから、これで消費税分の0.5%から1%はカット可能である。

こうなると、机上の空論に過ぎないかもしれないが、消費税は7.5%程度で可能なのである。消費税増税論議もいいが、次の国会では税制制度の最大の不平等として、宗教法人の優遇税制についても論議でもらい、優遇税制の全廃を決めてもらいたい。そうでないと、消費税増税については一般の人はとても賛成することはできないだろう。

土曜日, 6月 19, 2010

京都ブライトンホテルに苦言を呈す

京都へ行くと大概は京都ホテルに泊まるようにしているが、今回は諸事情により京都ブライトンホテルに宿泊した。

京都ブライトンホテルは京都御所の西側にあり、地下鉄の駅からも遠く、京都観光の立地条件としてはさほど良い場所とはいえない。それでも、広い部屋にサービスの良さが評判になり、一時は京都でもっとも予約が取りにくいホテルといわれた。

ところが、私が泊まった部屋(251号室)は良くなかった。あろうことか、天井から足音が聞こえてくるのである。そのことに気がついたのは、部屋に入ってシャワーを浴びてしまってからだったので、「部屋を代えてくれ!」と苦情も言いづらかった。

この足音、ほぼひっきりなしに聞こえてくるのだ。部屋には配管工事のために◯時から◯時の間はご迷惑をおかけします、と書かれた案内文が置かれていたが、それでも朝7時や真夜中に工事をする業者などありえない。おそらく階上にリネン室かスタッフ・ルームのような部屋があり、その部屋の床がタイル張りか板張りなのであろう。その為に靴の踵の音が四六時中伝わってくるのである。

これまで各地のホテルに宿泊して、エレベーターの振動音、廊下からもれる声、配管の音などいろいろな音を聞いてきたが、絨毯敷が基本なホテルでこれほど足音が聞こえたのは初めてである。さすがに最後の最後は堪忍袋の緒が切れてしまい、チェックアウトの前に支配人宛に苦情の手紙を書いて置いてきた。そして、どのような返事が戻ってくるのであろうかと思っていたが、2週間経っても何の音沙汰もない。

金曜日, 6月 18, 2010

東京ドームに空気の流れが解るリボンをつけよ

プロ野球交流戦はオリックス・バッファローズが優勝して、上位6チームをすべてパリーグ球団が占めるという、パリーグ圧勝で幕を閉じた。パリーグ・ファンとしてはこれほど嬉しいことはない。

来年からはプロ野球公式戦のボールが1社に統一されることになった。また、低反発のボールにしてホームランが出にくいようになるという。このことについては、もう口が酸っぱくなるほど言い続けたり、書いたりしてきたので、やっとという思いである。

さて、先日も書いたがやはり巨人は東京ドームでしかホームランが打てなかった。交流戦全24試合中、巨人は41本のホームランを打ったが、そのうちの28本が東京ドームで、パリーグの球場では13本しか打てなかった。つまり、東京ドームでは1試合につき2.33本、他球場では1.08本なのである。ちなみに、東京ドームでパリーグのチームが打ったホームラン数は21本で、1試合につき1.75本だった。

東京ドームは天井の高さを維持するために下から空気圧で押し上げている。つまり、下から上に向かって風が吹いているのである。またドーム球場ということもあって乾燥している。そのために、他球場よりホームランが出やすいのは仕方がない。しかしながら、以前より巨人の攻撃のときに風が吹きホームランが出やすくなっているという疑惑が言われて続けている。

その象徴といもいうべきものが、巨人 vs 楽天戦の阿部慎之助のホームランだった。初回、2アウトランナー2・3塁でマーくんこと田中将大が投げた外角低めの直球をバッター阿部はちょっと擦ったようなバッティングだったのに、打球はフラフラと上がってそのあとはレフトスタンド前列席に入ってしまったのだ。こんなホームランは他球場ではあり得ない。仮に風がレフト側に吹いていてもありえない。というのも、風が吹いていたら打球はあんなにまず上がらないのだから。

こうなると、東京ドームの巨人のホームランはオカシイもしくはインチキと言われても仕方がない。もし、このようなことは絶対にないと言うならば、巨人は左翼および右翼のポールの上、バックスクリーン脇、そして天井に空気の流れが解るためのリボンを垂らすなりして証明してもらいたい。

水曜日, 6月 16, 2010

休耕田の多さに愕然とする

今回の京都旅行は実は飛行機を使って羽田と伊丹を往復した。理由はマイレージの有効期限が迫っていたのでそれを利用しただけである。

そのためかというわけではないが、予約は早めにして行きも帰りも窓際の席を確保して、空の旅を楽しんだのだが、愕然としたのは眼下に見える日本列島の休耕田の多さである。以前、冬に福岡へ行くときに富士山の麓に雪でくっきり白く浮き上がるゴルフ場の多さにも驚嘆したが、今回の休耕田の多さは日本の自給率の低さを象徴しているかのようで愕然とせざるを得なかった。

午後4時に伊丹空港を飛び立った飛行機はいったん大阪湾近くまで出て左旋回する。眼下には大阪城から生駒山までの大阪平野が見渡せる。この大阪平野にはほとんど緑がない。住宅だらけである。大きな公園や緑地がないのである。これにも少し驚きを覚える。

生駒山を過ぎると、奈良から三重にかけて深い森林というか紀伊山地の上を飛んでいき、その後鳥羽上空から伊勢湾に入る。答志島や三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台となった神島が見え、そこから愛知県の渥美半島上空になる。

ここで愕然としたのである。渥美半島は愛知県でも最大規模の農業地帯で、ここでは米だけでなく多くの野菜や果物が穫れる。上空から見ると、田んぼには緑が映え、西日をうけているビニールハウスは銀色っぽく輝いている。ところが、茶色だらけの土地がかなり見える。畑もあるだろうがかなりの休耕田があると思われる。

現在の日本の休耕田の広さは埼玉県の面積ほどある、と言われて「嘘だろう〜」と思ってしまったが、この上空からの光景を見ると、それは「本当なのだなぁ」と納得をせざるをえなかった。東海道新幹線に乗っていても休耕田の多さにちょっと吃驚するが、日本の自給率低下を阻止するためにも、新政権はぜひとも休耕田の活用を考えてもらいたい。

休耕田を活用してほしい
http://k21komatsu.blogspot.com/2009/07/blog-post_05.html

月曜日, 6月 14, 2010

「京みやげ」と言えば

「京みやげ」と言えば、お菓子、お茶、ちりめん山椒、清水焼、扇子、友禅などいろいろあるが、今回は京都の食文化の一つ、漬物を「京みやげ」として買ってきた。まあ、お土産といってもそのほとんどは飲み屋へ持って行ったものだが・・・。(笑)

一般的に京の漬物といえば、あっさりして上品な味わいという。なかでも、千枚漬、しば漬、すぐきが代表的な漬物だが、今は千枚漬のシーズンではないので、写真にあるように、みぶな、茄子の浅漬、山芋、かぼちゃ、すぐき、すいかの奈良漬(京みやげ?)などを買ってきた。京都には近清、近為など有名漬物店がいくつもあるが、今回は錦小路にも店舗がある打田のものを買ってみた。

そして、家で、飲み屋でこの「京みやげ」を食べているが、母親はすいかの奈良漬を、飲み屋の店主は茄子の浅漬を、私は山芋の漬物が美味しいと言っている。まあ、どれもこれも美味しいのだが、ただ、こうしたお土産もオンラインショップで買えるような時代になり、少し有り難みに欠けてしまう感じがする・・・。

打田漬物
http://www.kyoto-uchida.ne.jp/

木曜日, 6月 10, 2010

世襲政治に完璧なピリオドを!

菅直人新総理大臣は就任記者会見で、自らの内閣を「奇兵隊内閣」と名付けて、世襲政治に対する批判を行った。そこで、平成以降の歴代首相の世襲度を改めてチェックしてみた。それにしても、平成以降にこんなに首相が粗製乱造されていたとは今さらびっくり。

宇野宗佑  世襲度1 実家は造り酒屋
(昔は酒屋は名家で数多くの政治家を輩出した)
海部俊樹  世襲度0 実家は写真館
宮澤喜一  世襲度7 父親は衆議院議員、叔父は衆議院議員
細川護煕  世襲度3 先祖は藩主。祖父は近衛文麿元首相
羽田 孜  世襲度5 父は衆議院議員
村山富市  世襲度0 実家は漁師
橋本龍太郎 世襲度5 父は衆議院議員
小渕恵三  世襲度5 父は衆議院議員
森 喜朗  世襲度2 父親は元根上町町長
小泉純一郎 世襲度10 祖父は元逓信大臣、父は衆議院議員
安倍晋三  世襲度10 祖父は岸信介元首相、父は元外務大臣
福田康夫  世襲度9 祖父は町長、父は福田赳夫元首相 叔父は参議院議員
麻生太郎  世襲度10 祖父は吉田茂元首相、父は実業家にして衆議院議員
鳩山由紀夫 世襲度10 祖父は鳩山一郎元首相、父は元外務大臣
菅 直人  世襲度0 実家はサラリーマン

この世襲度は私の勝手な判断だが、世襲度0は15人中、海部俊樹、村山喜市、菅直人の3首相しかいない。いかにこれまで世襲政治がまかり通っていたかがよく解る。世襲がすべて悪いとは言わないが、このなかには世襲でなかったら総理大臣になれなかった器の人が何人もいることは間違いない。早く「地盤、看板、鞄」という言葉を死語にしてもらいたい。

水曜日, 6月 09, 2010

見事な裏切りに拍手(『JIN-仁-』映画化でなく続編化)

昨年の民放ドラマドラマ最高視聴率を記録したテレビドラマ『JIN-仁-』が来年4月に続編として放送されると、6月8日付のスポーツ新聞各紙が報じた。

2月の日記にも書いたが、このドラマは映画化されると一時報道された。そして、私もいろいろな理由を書いて映画化されるだろう、と書いた。しかしながら、TBSおよび石丸彰彦プロデューサーは、この続編をもって完結して、映画化の可能性はないと語ったそうである。また、続編には、西郷隆盛、徳川慶喜、中岡慎太郎といった歴史的人物が新たに登場するそうだ。

社民党の政権離脱や菅政権の誕生はある程度予想できたが、この予想は見事に外してくれた。偉い! 久しぶりにTBSに拍手をおくりたい。テレビ局というものは、映画製作会社ではないのだから、「ヒットドラマ → 映画化」という図式を壊したことは賞賛に値するだろう。

『JIN-仁-』は映画化されるのか、されないのか(2010年02月16日日記)
http://k21komatsu.blogspot.com/2010/02/jin.html

火曜日, 6月 08, 2010

京都の町家・秦家を訪ねる(6月4日)

今回の京都への旅の目的は町家めぐりであった。最低でも3〜4軒の町家見学をするつもりでいたが、初日の鞍馬から貴船への山道の疲れとその夜の飲み屋めぐりの疲れのために、結局2軒しか訪問することができなかった。

秦家は江戸時代中頃から昭和61年まで続いた薬屋さんで屋号を「松屋」といい、小児薬「太子山竒應丸」を製造・販売していた。この「太子山竒應丸」は虚弱体質、ひきつけ、嘔乳、夜泣などに効くとされた丸薬で、明治初期の京都売薬番付では堂々大関の地位にあり、相当評判の高い薬であったようだ。

現在の建物は明治2年に再建されたもので、店舗と住居を2つの庭でつなぐ「表造り形式」と言われる町家で、京都市登録有形文化財に指定されている。その家をこの家に嫁いで50年以上になり、現在もお住まいの御婦人に案内していただいた。

訪れたのは6月4日で、本来ならば内装は夏仕様にしているそうだが、今年は比較的気温も穏やかで湿度もあまりないということで、障子に襖という普段と変わらない生活空間を見ることができた。そして、御婦人からは「床下は完全に吹き抜けで、奥庭から外の道が見えますよ。庭には時にはイタチも来るんです」などと楽しいお話をたくさん聞かせていただいた。

家の作りは町家としてはこじんまりしている方だと思うが、町屋のなかに漂う空気は今でも居住空間として使われているので有機質で心地良い。加えて、風通しも良く気持ちがいい。そしてなによりも京の町家の伝統をしっかりと保存して凛とした御婦人が素晴らしい。感謝。

秦家
http://www.hata-ke.jp/

月曜日, 6月 07, 2010

鞍馬から貴船までの山道(6月3日)

出町柳から叡山電車鞍馬線に乗ること30分。鞍馬駅(標高250m)は鞍馬山の麓というよりも、すでに懐にあり、辺りは杉林に囲まれ、ひんやりとした風が 心地良い。駅を出た由岐神社前の参道には煮物屋さん、お土産屋さん、食べ物屋さんなどが並ぶ。

由岐神社は鞍馬一帯の氏神さまであり、毎年10月22日に行われる火祭は勇猛果敢な祭りとして知られ、数多くの観光客で賑わう。まずその由岐神社に参拝する。そして、ここから貴船への道は、普通ならば「九十九折」と言われる厳しい山道を登って鞍馬寺金堂へと行くのだが、私はいったん駅近くにある仁王門まで戻り、そこからケーブルカー(100円)に乗って多宝塔へ向かう。

ケーブルカーには1〜2分しか乗っていないが、かなりの急斜面でおそらく徒歩15分〜20分のエネルギー負担を節約(?)できたのではないだろうか。そのケーブルカーから鞍馬寺金堂までは比較的なだらかな道。しかし、この後の道はこれまでの参道とは違い険しい。

途中には木の根がむき出しになっている「木の根道」など難所もあり、年配の方が歩くのはなかなか難しい。また、脇道に入ると熊や猪の出没に注意なんて掲示もあり、鞍馬山は天狗どころか熊、猪、鹿などが住む自然の山であることがよく解る。

奥の院魔王殿(写真上)は650万年前に人類を救うため金星から降り立ったとされる魔王尊を祀っているそうである。ここまで来ると後は貴船までの約15分ほどの下り坂だが、その道も結構きつい。

叡山電鉄が出している「鞍馬・貴船イラストマップ」の散策コース例には、鞍馬駅→500m徒歩10分→由岐神社→600m徒歩15分→鞍馬寺金堂→900m徒歩18分→奥の院魔王殿→550m徒歩15分→貴船神社→2000m徒歩30分(またはバス)→貴船口駅、となっている。

しかしながら、そのアップダウンの凄さから健脚の人でもこの時間で歩くのはなかなか難しいのではないだろうか。もし行かれるならば、足をくじいたりすると大変なので、しっかりしたウォーキング・シューズで行くようにしよう。また、雨が降ったあとなど足場が悪いときは人によっては無理をしない方がいいかもしれない。

このルート、自然散策の好きな欧米人観光客に人気があり、ガイドブックにもしっかりと掲載されていた。

京阪電鉄のイラストマップ
http://www.keihan.co.jp/traffic/otoku/kibune_10/map.html

土曜日, 6月 05, 2010

タイムリーな発見、菅大臣神社

昨日(4日)菅直人が首相に指名されるか否かの国会が開かれている時間に、京都の町中を散策していたら、なんと「菅大臣神社(天満宮)」を発見。

ここには菅原道真(849年〜903年)の邸宅があり、道真生誕の地とも言われている。境内には産湯に使ったという井戸が保存されている。ホンマかいなぁ。

そして、翌日(今日)の朝日新聞関西版にはしっかりこの神社のことが記事になっていて、それによると、菅新首相は2003年秋に民主党代表として衆院選直前の必勝祈願と、当選後に妻とともに「お忍び」で訪れてお礼参りしたという。

一躍脚光を浴びることになった神社だが、境内はなぜかガレージだらけで、とても学問の神様を祭っている神社には思えなかった。

水曜日, 6月 02, 2010

続・菊地勝さんの個展

先日のブログでも書いたように、知人の陶芸家である菊地勝さんが29日(土)から6月6日(日)まで、碑文谷ダイエー前のHONDA碑文谷店並びにある「宙」(そら)で個展を開いています。

最初の土日に多くの方が来場したようで、なぜか作品が激減してしまいました。(笑)

本日追加出品をもってきたとのことなので、お近くの方、お時間のある方はぜひとも覗いてみてあげてください。「小皿、マグカップ、おちょこなど手頃な作品もありますよ」とのことでした。


http://tosora.jp/exhibit.html