木曜日, 7月 13, 2017

第20回チェロキー寄席(ほたる & 市弥)

昨日(12日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で柳家ほたると柳亭市弥出演の「チェロキー寄席」を聞いてきた。チェロキー寄席も今回で20回目とか。それを記念してかどうか解らないが、開演前にこの寄席の発起人ともいうべき入船亭扇辰師匠が「幟ができました〜。今後もよろしく」とご挨拶。(幟写真を撮らなくてすみませ〜ん)

柳家ほたるは落語界の重鎮・柳家権太楼の弟子。柳亭市弥は落語協会会長・柳亭市馬の弟子。ということで、二人は共に五代目柳家小さんの孫弟子にあたる。演目は下記の通り。

柳家ほたる 『祇園会』
柳亭市弥  『紙入れ』
 〜 仲入り 〜
柳亭市弥  『のめる』
柳家ほたる 『幽霊の辻』

1席目は「祇園会」(ぎおんえ)。京都を訪れた八五郎は源兵衛という男に会う。ところが、この源兵衛は京都の酒は美味しいだの、京都の火事といえば応仁の乱の事を言うだのやたら京自慢をする。そして、それにキレた江戸っ子・八五郎は江戸自慢で対抗していく。聞き所は祇園祭と三社祭の対比するところの祭囃子の形態模写。柳家ほたるをそれを淀みなく演じて好演。

2席目は「紙入れ」。新吉が知人の髪さんから今日は亭主が留守だからと誘いを受けて、いい仲になろうとひょいひょいと出掛けたら、急に旦那が亭主が帰ってきたので裏口から逃げるものの、新吉はその知人からもらった紙入れを忘れてしまう・・・。柳亭市弥はまだ線が細いところがあるが、その線の細さを上手く逆手に取る形で髪さんを超エロっぽく演じる。これには会場の7割を占めた女性客に大ウケだった。

3席目は「のめる」。これは口癖である「のめる」と「つまらねえ」を言う男同士が、その口癖を言ったら罰金を取るという一般にもよくあるお話。柳亭市弥はこれを軽快かつ洒脱に演じる。彼には意外にこうしたべらんめえ口調的な噺が似合っているかもしれない。その意味においては1席目にほたるが演じた「祇園会」を市弥が演じたら面白いかもしれないと思った。

4席目は「幽霊の辻」。初めて聞く落語である。堀越村に手紙を届ける途中であった老婆にいろいろな怪談話を聞いてしまった男が、恐々と村に向かうという怪談噺。柳家ほたるはその風貌からして、怪談噺向きではないと思えるが、老婆のドロドロした怪談と男の滑稽さを巧みに使い分けながら、観客をぐいぐいと噺に引きづり込ませていく。その芸はもはや二つ目の領域を通りこしている。で、終演後近くで一杯呑んでから、帰ってこの噺をネットで調べたら、なんとこの話は1977年に2代目桂枝雀のために書かれた落語で、東京ではほたるの師匠である柳家権太楼が演じると。う〜ん、なるほど。ほたるには枝雀、権太楼の芸風を受け継いでいってもらいたい。

さて、次回(9月13日夜8時開演)のチェロキー寄席は入船亭小辰(入船亭扇辰一門)と春風亭朝之助(春風亭一朝一門)の2人。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

水曜日, 7月 05, 2017

都議選における簡単な得票数分析

下記の得票数は2013年の都議選と今回(2017年)の都議選における得票数の変移もしくは変動である。

2013年→2017年

都民フ 188万票+38万票=226万票(35%+5%)
自民党 163万票 → 126万票(23%) 37万減
共産党 61万票 → 77万票(14%) 16万増
公明党 63万票 → 73万票(14%) 10万増
民進党 69万票 → 38万票(7%)  31万減
維新  37万票 → 5万票(1%)  32万減

都民ファーストの会は公認候補で188万票獲得していると共に無所属の推薦候補で38万票も獲得している。ということで、全体の40%の投票を得ているのである。驚きの数字である。いくら前回選挙で民進党や自民党で立候補して、今回は都民ファから鞍替えした人が多くいるとはいえ、この数字は特筆すべきものがある。ちなみに小池百合子が都知事選挙で得た得票数は291万票で得票率は44.49%だったのだから、それよりは少しはマシだったかもしれないが・・・。

自民党は惨敗といえども126万票も得ている。いかに神社本庁(日本会議)を中心とした宗教団体、自衛隊や警察官などの公務員、医師会・商店街・町会などの組織力が強いかを物語っている。惨敗の最大の敗因のは共倒れであったが、候補者を絞って再度公明党と選挙協力を結べば、次回選挙では50議席ぐらいの復活は可能である。結局のところ公明党頼みの自民党ということである。

共産党は当初の予想(多くのマスコミは10議席程度と)を裏切って19議席を獲得。もちろん票数も前回より16万も上積みされた。これは反自公民、反小池といった保守に反対するリベラル層からの票を得たものと言えるのではないだろうか。

公明党が前回より10万票数を伸ばしたのは信じられない。自民党支援者から流れたのか、それとも創価学会が増えたのかわからないが、カルト教団を支持母体する政党は明らかに憲法20条違反であり、こんな政党に投票する人間が全有権者1125万の約6.5%、つまり15〜16人に1人もいるのかと思うと恐怖すら感じる。東京はこれほど公明党(=創価学会)に蔓延もしくは汚染されているのである。

民進党は多くの候補者を都民ファーストに取られて、最初から苦戦をしいられることは分かっていたが、それにしても票数を半数近く減らし、立候補者23人のうち当選は5人とはもはや壊滅状態である。今後どのような姿勢を示すのか分からない。ただ、大所帯になった都民ファーストはいずれ内部分裂(バースト)することが予想されるので、その受け皿となるべく辛抱するのが得策なのかもしれない。

最後に都民ファーストが圧勝した都議選とは、投票率はたったの51.28%である。有権者数の半数近くは投票に行っていないのである。私は投票率は最低でも60%を越えなければ、真の民意を反映した選挙(=真の民主主義)ではないと思っている。それゆえに、今後も微力ながら「一票の格差是正」と共に「投票率向上」を心がけていきたい。

月曜日, 7月 03, 2017

投票率が低すぎる

昨日行われた都議会議員選挙。結果はご存知のように「都民ファーストの会圧勝、自民党惨敗」であった。私が住む目黒区も下記のような結果となり、私が望んだように自民党現職議員が共倒れとなった。

目黒区 定員3 立候補者数5 
有権者数 229,319人 投票率 50.36% 開票終了

伊藤 悠 (都フ元) 47,674 41.93% 当選
斉藤 泰宏(公明現) 19,077 16.78% 当選
星見 定子(共産新) 18,572 16.34% 当選
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栗山 芳士(自民現) 14,455 12.71%
鈴木 隆道 (自民現) 13,912 12.24%

確かに結果的には良かったもしれない。しかし、投票率が低すぎる。
(注:都議選全体の投票率は51.28%)

投票に行った人は2人に1人であり、半分の人は投票に行っていないのである。いくら高齢者社会となり、介護施設にいる私の母親のように投票に行けなかった人もいる。しかし、今回の選挙もおそらく20代・30代の投票率は40%前後しかないだろう。こんな状態でいいのだろうか。1票の格差是正も大事であるが、それと共に投票率の向上も大事である。そうでない限りにいつまで経っても日本に真の民主主義は根づかない。

木曜日, 6月 22, 2017

7月2日の都議会議員選挙

明日告示される7月2日に行われる都議会議員選挙に関する私のスタンス(思考もしくは立場)は下記の通りです。
 
東京都の有権者の皆さん、今度の都議選で自民党および公明党候補者には絶対に投票してはいけないと思います。なぜならば、それは安倍をはじめとする現政権の独裁国家主義者および内田茂などの東京都のハイエナ的既得権益者たちの存在を認めることになるからです。また国政では共謀罪を自民党と一緒に成立させるなど自民党にべったりなのに、都政では小池都知事と組みしている節操のない公明党にはとてもでないが投票はできません。
 
そして、つい先ごろまで自民党籍を離れなかった小池百合子が率いる都民ファーストの会も「?」です。というのも、小池は築地市場移転問題を「石原叩き」で政治利用して、結局のところは具体性もない築地も利用しながら豊洲に移転させるという「豊洲移転」という結論だったのです。こんなご都合主義的な事を言う代表の政治団体を信用するわけにはいきません。安倍自民党と全く変わりませんね。
 
私は共産党支持者ではありません。これまでに共産党候補者に投票したことはおそらく一度もないと思います。しかし、現在の都議会の構成を考えると、今回は共産党に投票するしかないでしょう。自民党にしろ都民ファーストの会にしろ、どちらかが公明党を抱き込んで過半数を取ったとしても、現在の都政を改革して、築地移転をストップをできるのは共産党(もしくは民進党)しかないでしょう。
 
ということで、7月2日の都議会議員選挙では共産党候補者に1票を投じようと思っています(私の選挙区には民進党候補者がいない)。このことはもちろんファシスト安倍に対するノーという意志表示でもあります。そして、すべての東京都の有権者が、自民党、公明党、都民ファーストの会以外の候補者に投票することを願ってやみません。
 
あとは、議会で汚いヤジを飛ばす議員は絶対に選ばないようにしましょう。

木曜日, 6月 01, 2017

美味しい料理ばかり食べて、芸術・スポーツにまったく関心のない安倍晋三


日本の新聞のいいところに、前日の首相の行動「首相動静」が書かれていることがある。これは世界的にはかなり珍しいことであり、新聞が持つ矜持の一つと言っても過言ではない。そんな「首相動静」を読んでいると、いかに現在の首相である安倍晋三がロクでもない資質の男であるかというのがよく分かる。

下記が先月(5月)の首相の「夜の動静」である。

31日(水) 官邸。
30日(火) 南麻布の日本料理店「有栖川清水」で葛西敬之JR東海名誉会長、古森重隆富士フイルムホールディングス会長らと会食。
29日(月) 赤坂の居酒屋「うまいぞお」で読売新聞東京本社の田中隆之編集局総務、前木理一郎政治部長らと会食。
28日(日) 私邸
27日(土) イタリア
26日(金) イタリア
25日(木) イタリア
24日(水) 赤坂の日本料理店「古母里」でテレビ朝日の早河洋会長、篠塚浩報道局長と会食。
23日(火) 銀座のステーキ店「銀座ひらやま」で自民党の高村正彦副総裁、二階俊博幹事長、河村建夫衆院議員らと会食。
22日(月) 公邸で坂元一哉大阪大大学院教授、細谷雄一慶大教授、国際政治学者の三浦瑠麗氏と会食。
21日(日) 麻布十番の日本料理店「幸村」で俳優の津川雅彦氏らと会食。
20日(土) 私邸
19日(金) アルゼンチンのマクリ大統領との夕食会。
18日(木) 銀座の日本料理店「新ばし金田中」で辻本憲三カプコン会長らと会食。
17日(水) ニュージーランドのイングリッシュ首相との夕食会。
16日(火) 公邸
15日(月) 日比谷の中国料理店「日比谷聘珍樓」で大久保好男日本テレビ社長、秋山光人日経映像社長らマスコミ関係者と会食。
14日(日) 私邸
13日(土) 私邸
12日(金) 六本木のANAインターコンチネンタルホテ内の宴会場「プロミネンス」で衆院自民党秘書会総会に出席。
11日(木) 東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪内の日本料理店「和食 清水」で長谷川栄一首相補佐官らと食事。
10日(水) 新幹線移動。私邸。
9日(火) 公邸
8日(月) 銀座の日本料理店「銀座ろくさん亭」で山本幸三地方創生担当相、林芳正元農林水産相らと会食。
7日(日) 私邸
6日(土) 富士河口湖町の中国料理店「異彩中国菜館 湖宮」で渋谷耕一リッキービジネスソリューション代表取締役、松崎勲森永商事社長、昭恵夫人らと食事。
5日(金) 別荘
4日(木) 別荘にて昭恵夫人、萩生田光一官房副長官、長谷川栄一首相補佐官、秘書官らとバーベキュー。
3日(水) 富士吉田市の中国料理店「蓮」着。長谷川栄一首相補佐官、秘書官らと食事。
2日(月) 新幹線移動。私邸。
1日(月) 宇田川町の焼き肉店「ゆうじ」で増岡聡一郎鉄鋼ビルディング専務、昭恵夫人と食事。

一国の首相であるから、昼は公務で忙しい。それゆえに、夕方には美味しいものを食べたいという気持ちもわからなくない。ところが、夕方以降のこの男の行動はあまりに偏っている。つまり、高級店で飯ばかり食っている(それもおそらく全てが官房機密費で)。そして、その相手がマスコミ関係者だったり、御用学者だったり、財界人であったり、芸能人であったりとこれまた妙に忙しい。

しかし、この首相、美味しい料理は食べるものの、映画・演劇・音楽といった芸術鑑賞には行かない。また、休日もゴルフをするぐらいで相撲・野球に行くなりのスポーツ観戦も皆無なのである。つまり、この男の頭にはグルメという人間の三大欲望(食欲・性欲・睡眠欲)の1つしかなく、芸術・スポーツといった心を育むという意識もしく意欲はないのである。漢字も読めない、英語も喋れない、ヤジを飛ばすだけのアホ首相と言われても仕方がないのである。

月曜日, 5月 29, 2017

『みをつくし料理帖』(高田郁)を完読

約ひと月かけて『みをつくし料理帖』(著・高田郁)【10巻】を完読した。

時代は文化年間(1804年〜1818年)の江戸。大阪から江戸に来た主人公・澪が蕎麦屋の店主だった種市に雇われて「つる屋」の料理人となる。そして、次々と上方料理をアレンジした創作料理を作り出していき、「つる屋」は江戸でも評判の店に成長していく。また、その間の彼女の恋の遍歴や幼なじみと友情、常連客や大店の人たちと関係なども描いていくという話である。


これまで、いろいろな時代小説を読んできたが、この本の面白みは単に創作料理を作り出すというだけではなく、風変わりな常連客、吉原にいる幼なじみ、謎の浪人、実直な医者、そして吉原に関わる大店の店主たちとの人情話ではないだろうか。

10巻を読破するのはそれなりの時間と体力が必要だが、江戸時代の料理と市井の人々に興味ある方は是非とも読んでいただきたい。

金曜日, 5月 12, 2017

世論調査という名の思想調査・世論誘導

先日、世論調査の電話がかかってきた。で、その内容を録音したので紹介しよう。なお、一部録音が途切れているところがあり、完璧に再現されているわけではないが、大方は間違ってはいないと思う。

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こちらは世論調査センターです。本日は自動録音による調査で失礼しますが、7月の都議会議員選挙に関する質問をさせていだきます。(※ここまでは録音なしなのであくまでも推測)

最初の質問です。あなたは安倍内閣を支持しますか?支持しませんか?
1・支持する、2・支持しない、3・わからない

あなたは小池百合子東京都知事を支持しますか?支持しませんか?
1・支持する、2・支持しない、3・わからない

あなたは今どの政党を支持されていますか?
0・支持政党なし、1・小池知事率いる都民ファーストの会、2・自民党、3・民進党、4・公明党、5・共産党

あなたは都議会議員選挙(目黒区)で誰に投票しようと思いますか?
1・都民ファーストの会候補者名、2・自民党の候補者名、3・自民党の候補者名、4・公明党の候補者名、5・共産党の候補者名、6・その他、7・まだ決めていない

東京都の築地市場を豊洲に移転する計画について伺いします。現在土壌の安全性などを理由に移転が延期されています。豊洲への移転を今後も目指すべきだと思いますか。豊洲への移転を目指すべきだと思いますか?
1、豊洲移転を目指す、2・やめるべきだ、3・その他・わからない

あなたが都議会議員選挙で投票する際に豊洲問題をどの程度考慮しますか?
1・大いに考慮にする、2・考慮する、3・考慮しない

あなたは都議会議員選挙にどの程度関心がありますか?
1・大いに関心がある、2・関心がある、3・関心がない

最後にあなたのことについてお聞きします。あなたの性別は?
1・男性、2・女性

あなたの年齢は?
1・18〜19歳、2・20代、3・30代、4・40代、5・50代、6・60代、7・70代以上

最後までご協力いただき誠にありがとうございました。

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以上である。

この調査をどこが依頼したものか解らない。この内容からすると都民ファーストの会もしくは自民党だろうか。はたまたマスコミのどこかだろうか。まあ、常識的に考えれば都民ファーストの会であろう。というのも「どの政党を支持?」という質問でわざわざ「小池知事率いる」と言ったり、候補者のトップに都民ファーストの会の候補者をもってきたり、なぜか「支持政党なし」を0番にしていたり、と恣意的かつ誘導的な工作が行われるているからだ。

それにしても、都議会議員選挙の調査というのに、なんで冒頭に「あなたは安倍内閣を支持しますか、しませんか」という設問があるのだろうか。それゆえに、私はこの世論調査は世論誘導的であり思想調査でもあると思っている。電話をかけてきた世論調査センター(050-3085-XXXX)は間違いなくこちらの電話番号を登録している。その上で、性別・年齢を特定しているのだから、その家の誰かはおおよそ見当がつく。これでもしもこの情報が流れようものなら、私は個人情報法保護法違反として当然ながら裁判をする用意がある。

私は以前より世論調査の真偽については疑いをかけているが、今回の電話で世論調査は思想調査であり、かつまた世論誘導であることをはっきりと確認できた。

木曜日, 5月 11, 2017

伸三&一蔵@チェロキー寄席

昨日(10日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で桂伸三と春風
亭一蔵出演の「チェロキー寄席」を聞いてきた。チェロキー寄席はこれまでは毎月1回で1人の独演会形式だったが、今回から隔月1回で2人出演の2人会形式に。

桂伸三は昨年10月の「チェロキー寄席」で初めて聞いた噺家だが、新作と古典を滑稽かつ滋味に演じて好感。春風亭一蔵は春風亭一朝の弟子で、兄弟子には今売れっ子の春風亭一之輔がいる。

春風亭一蔵 『鷺とり』
桂伸三   『宿屋の仇討』
 〜 仲入り 〜
桂伸三    踊り「かっぽれ」
春風亭一蔵 『阿武松(おうのまつ)』

1席目は「鷺とり」。初めて聞く噺。あまりに仕事がなく鳥取りを生業にしている男が失神させた鷺を腰に何羽を巻いたところ、鷺が一斉に起きて男を空高く連れて行ってしまうという滑稽噺。春風亭一蔵は「趣味はダイエット、特技はリバウンド」というだけはあり、優に100キロは超える巨漢で、汗ダラダラになりながらもユーモラスに伝えていく。

2席目は「宿屋の仇討」。神奈川宿の宿屋で静かに泊まりたい侍と、やたら騒ぎまくる3人の町人、その間を取りもたざわるをえない使用人(客引き)の駆け引きを描く有名な古典落語。桂伸三は侍と客引きのツカミこそ上手く話を持っていくが、3人の町人(源兵衛、清八、喜六)の部分が意外にあっさりだった。それで話のメリハリをつけようとしたのかもしれないが、今回はちょっと裏目に出たような気がする。この人には実力があるので時間をかけてもっとじっくりと話を聞かせてもらいたかった。

余興の「かっぽれ」の後の3席目は「阿武松(おうのまつ)」。これはちょっと秀逸というか白眉。能登の漁村生まれの若者・長吉が相撲取りになるべく武隈文右衛門に入門するも、あまりの大食漢のために破門。そして、郷里に帰る途中の板橋宿で宿屋の主・橘屋善兵衛に拾われて、今度は錣山(しころやま)喜平次に入門。その後はあれよあれよと出世街道を邁進して、前親方である武隈文右衛門と相撲を取ることになるという講談調の噺。春風亭一蔵は、時に田舎気質を思わせるべくおっとりと、時に江戸気質を見せるべくせっかちというか軽妙にと、上手く使い分けながらテンポよく話を進めていく。加えて、一蔵の愛嬌のある巨体がこうした相撲噺をマッチさせていく。彼には土俵上の立会いと同じように落語に対する真摯な姿勢が感じられる。今後の活躍が楽しみな二つ目だ。

さて、次回(7月12日夜8時開演)のチェロキー寄席は柳家ほたる(柳家権太楼一門)と柳亭市弥(柳亭市馬一門)の2人。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

月曜日, 4月 17, 2017

リモコンのデザインを統一してくれ

自宅には3台のテレビとCATVのチューナーが1台あるので、リモコンが4つもある。しかし、いつも戸惑うのが「選局」(チャンネル)と「音量」の位置。

パナソニックは右側に「音量」があるのに、シャープは「選局」がある。これってJIS規格とかないのでしょうか。最近は地図の記号をIOS規格にしようとしているが、その前にこうした身近なものの規格を統一してもらいたいもんだ。

木曜日, 2月 23, 2017

如月の三枚看板 喬太郎 + 文蔵 + 扇辰

昨日(22日)は銀座ブロッサムで開かれた落語会「如月の三枚看板 喬太郎 + 文蔵 + 扇辰」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

橘家かな文 『道灌』
橘家文蔵  『ちりとてちん』
柳家喬太郎 『抜けガヴァドン』
 〜 仲入り 〜
入船亭扇辰 『薮入り』

開口一番の 橘家かな文は前座で橘家文蔵の弟子。会場が広いためか客層が定席と少し違うためか、かなり上がった感じというか、観客の反応を掴むことなく一本調子で噺を進めていく。もっともっと場数と雰囲気を学んでいってもらいたい。

開演15分前ホール入口で相方が来るのを待っていると、私の前を汗だくで私服にバックを担いだ橘家文蔵が横切る。その文蔵師匠の枕はなんとパチンコで確変が止まらなくなったのに、後ろ髪を引かれる思いでこちらに駆けつけたと(出番が仲入り後だったら良かったのにねえ w)。その文蔵の演目は朝ドラでも有名になった「ちりとてちん」。かなり脚色を加えてオーバーアクションで噺を進め場内大笑い。これまで何度かこの演目を聞いてきたが、文蔵師匠の「ちりとちん」はもはや「チリトテチン」という趣きの落語であった。

柳家喬太郎の本来の出囃子は「まかしょ」である。それが「ウルトラQ」で登場。それなのに、喬太郎師匠は「古典をやります」と宣言。枕もなく『抜け雀』を演じ始める。ところがいつしか噺が喬太郎ワールドというかウルトラマンの噺に。これには場内唖然というより「待ってました」とばかりに拍手喝采。いまや円谷プロも公認の「ウルトラマン落語」。現代落語の大ヒット作である。ただ、誰か受け継ぐ噺家がいるかという懸念はあるが・・・。w

トリは「奇声を発する2人の後はもうイヤだよ」という入船亭扇辰がきっちりと古典落語を演じる。薮入りで一時帰宅する息子のことを待ちきれない父親の愛情を描く。冒頭の父親が眠れないながらカミさんと交わす会話。朝から落ち着かない父親の姿。そして、帰って来た子供とまともに顔を合わすことができない様子など、どこにでもあっただろう長屋での光景を作りあげる。ただ、いきなり15円と言われても解らない人も多いだろうから、時代背景をもう少しつけ加えた方がいいかもしれない。

タイトルに「如月の三枚看板」とあるが、この3人は落語協会60代の三枚看板である「大吟醸の会」の柳家さん喬 + 柳家権太楼 + 五街道雲助に並ぶ、50代の三枚看板と言っても過言ではないだろう。それにしても、三者三様の落語感を体で表した素晴らしい落語会だった。

補足:ガヴァドンは1966年(昭和41年)10月23日に放送された『ウルトラン』に登場する怪獣。

木曜日, 2月 09, 2017

春風亭正太郎@チェロキー寄席

昨日(8日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で春風亭正太郎出演の第17回「チェロキー寄席」を聞く。

春風亭正太郎は生まれも育ちも目黒区。現在の住まいも目黒区という私同様の生粋の目黒っ子。最近は東横線沿線のよしみか柳家喬太郎の落語会に助演したり、また地方から単独で呼ばれることも多く、その実力と共に売れっ子街道まっしぐらである、かも。

1席目は「ふぐ鍋」。十返舎一九の笑話集から上方落語の二代目林家染丸(1867年〜1952年)が作った落語と言われ、上方では広く演じられているが関東では演じるする人は少ないらしい。私は初めて聞く。

お話はふぐ鍋を前にお互いに躊躇するある家の主人と幇間の大橋さん、そこへ現れたおこもさん(=乞食)に毒味をさせようとするも、結局は自分たちが先に食べてしまうという単純明快な滑稽噺。登場人物が主人、幇間、乞食の3人だけということもあり、正太郎はそれぞれのキャラクターを明快に描き上げ快活に噺を作っていく。正太郎はこうした滑稽噺が得意である。東京湾でもトラフグが獲れるようになった今日であるから、関東でもこの噺をどんどんと広めていってもらいたい。

2席目は「紺屋(こうや)太夫」。神田紺屋町の染物職人・久蔵が吉原の三浦屋・高尾太夫に恋患いをしてしまう。それを医者の竹之内蘭石の助言により3年間あくせく働き10両を貯めて彼女と会う。そのあとは聞いてのお楽しみの一席。「幾代餅」も似たような噺だが、「紺屋太夫」の方が登場人物や吉原の描写が難しそう。正太郎もまだしっかりとこの噺をモノにしているとはいえず、所々で噛んでしまう。そういう意味においては少し背伸びをしているのかもしれないが、真打を目指そうという落語家たる者、難しい噺にどんどん挑戦すべきであり、いつの日にか吉原を舞台にした大ネタ「松葉屋瀬川(雪の瀬川)」を演じられる落語家になってもらいたい。

さて、次回(3月8日)のチェロキー寄席は春風亭正太郎と二人会を行っている入船亭小辰(師匠は入船亭扇辰)。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

火曜日, 1月 17, 2017

Shuhari yamadanisiki 2014

昨年のことになるが、あるお店で素晴らしい日本酒と遭遇。それは京都市伏見にある松本酒造が手がけた澤屋まつもと「守破離」特上山田錦(Shuhari yamadanisiki 2014)。

この日本酒、日本酒のようで日本酒でない。いや日本酒でないようで日本酒なのである。最初口にした時は酸味が強くなんかシャンパンかスパークリングワインを飲んでいるような感じになる。実際、ある日本酒通販サイトには「開栓時注意 ガス圧が強く蓋が飛ぶ可能性がございます」と書かれている。そして、その炭酸ガス感を味わった後は、すぐに透明感のあるマイルドな甘辛さが伝わってくる。おそらくかなり欧米人ウケする日本酒なのではないだろうか。というのも欧米人はガス入りの水を好むからだ。

これまでにもガスが強い日本酒(活性原酒)は飲んだことがあるが、これほど優しい味わいのある日本酒は初めて。ただ、残念なことにこの日本酒、限定500本らしく飲むチャンスは残念ながら少ない。なお、ラベルは杜氏自らの直筆によるもので、その気合のほどが表れている。いつか限定でない商品になることを願いたい。

金曜日, 1月 13, 2017

美食日記「モノリス」渋谷

昨年12月のことですが。

伊勢丹のシャンパン・フェアで買ったシャンパンを飲むために、持ち込みのできるお店をBYOのページで探したら、渋谷の名店「モノリス」があるではないか。前回訪れたのは3年以上前だが、なかなか再訪する機会がなく、これはチャンスとばかり電話して予約。

店内は黒を基調としながらも明るいモダンな雰囲気。3年前に訪れた時はもう仄暗くシックな感じだった。支配人に聞くと2015年4月に改装したとのこと。この日いただいたのは「クリスマス・メニュー」。

・アミューズ(豚のリエットのエクレア風)
・人参のムース、ズワイガニ、イクラ、雲丹
 コンソメジュレ寄せ、柚子風味
・フォアグラのポワレとなめこを浮かべた栗のスープ
 茶碗蒸し仕立て
・イトヨリ鯛と海老のムースのクッション仕立て
 軽やかな甲殻類のソース
・黒毛和牛A5サーロインのロースト
 トリュフ風味のサラダ、ムスクランを添えて
・フォンショコラ、バニラアイスクーム添え
・コーヒーまたは紅茶
・サンタクロースのプレゼント

ここの驚くべきことはそのボリュームである。一品ごとの量には驚かさせられる。最初のアミューズは別にして、2皿目のムースは明らかに通常のフレンチのお店の倍以上はある。写真を見ると、このガラスの器は上げ底に見えるのだが、全然上げ底ではなく逆に底が深いぐらいだ。その分しっかりとムースが入っている。おそらく他店ではこの半分がいいところだろう。

その後に出てきた料理もボリューム感は半端でない。ただし、味は濃厚といった感じでなくどのお料理も味とボリューム感がマッチしていて飽きを感じさせることはない。少し時間はかかるもの綺麗に平らげてしまう。

最後にいただいた苺、生クリーム、チョコで作られた「サンタクロースのプレゼント」は可愛かった。相方はこれは使えると一生懸命写真を撮っていた。w 

「モノリス」はおそらくクラシック・フレンチのジャンルに入るのだろうが、その味というか感性はどことなくニューヨークのようなアーバンスタイルという印象だった。また美味しいシャンパンやワインを手に入れた時に一緒に美味しい料理を食べたいと思う。皆さんもBYOを楽しみましょう。


 

モノリスフレンチ / 渋谷駅表参道駅
 
夜総合点★★★★ 4.5


木曜日, 1月 12, 2017

春風亭朝之助@チェロキー寄席

昨日(11日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で、春風亭朝之助(ちょうのすけ)出演の第16回「チェロキー寄席」を聞く。

朝之助の師匠は江戸前落語家として有名な春風亭一朝(大河ドラマ『龍馬伝』の江戸ことば指導を行なった)。兄弟子には春風亭柳朝(6代目)、春風亭一之輔ら実力派がいる。

枕は落語界の正月の過ごし方というかお年玉などの裏話。落語界の正月は1ヶ月と長いというのは知っていたが、お年玉は楽屋とかだけでなく、街中であった時でも後輩の前座から「明けましておめでとうございます」と言われたら(お年玉を)渡さなければならないと。へえ〜。

1席目は「寄合酒」。酒が手に入ったのでみんなで肴は持ち寄って飲もうと。ただ、その肴はほとんどが近くの乾物屋から勝手に持ってきたものばかり。そして、オチは出汁の作り方も知らないという江戸前のお粗末な話。朝之助はテンポも良く噺をすすめていく。師匠譲りの江戸弁も快活で気持ちがいい。

2席目は「三方一両損」。有名な大岡裁きのお話。左官屋の金太郎が3両入った財布を拾い、落とし主の大工の吉五郎に届ける。しかし、吉五郎は落としたものは自分のものではないと言い張り、受け取らない。それを困った大家が奉行所に判断を委ねるように勧め、大岡越前は自ら1両を足して、2人に2両ずつを渡し、三方1両損として解決する。ここでも、朝之助は畳み掛けるように話を進める。大工を「デエク」といったり、左官屋を「シャカンヤ」というなど江戸言葉が頻繁に出てくる。ただ、難点を言わせてもらえれば、年配の大家の演じ方が今ひとつ弱い。もう少し口調を変えるか、姿勢を変えるとかの工夫が欲しい。最後の大岡裁きのシーンがピシッと決まっていただけに中間部の緩みがもったいなかった。

朝之助は二つ目になってまだ2年だが、実力派一門の技をしっかり受け継いでいる。今後も江戸弁に磨きをかけて古典落語の王道をしっかり歩んでいってもらいたい。さて、次回(2月8日)のチェロキー寄席は若手のホープ・春風亭正太郎。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。