昨日(16日)は渋谷ユーロライブで開かれた「渋谷らくご・吉笑三題噺六日間 day6(千秋楽)」を聞きに行ってきた。出演者と演目は下記の通り。
林家つる子 「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(作:青山知弘)
柳亭小痴楽 「天災」
〜 インターバル(2分間) 〜
春風亭昇々 「不動坊」
立川吉笑 「ネグリジェ飛行機」
~飛行機・桜満開・ネグリジェ~
林家つる子は林家正蔵の弟子(二ツ目)。彼女を聞くのは初めてだが、これまで聞いた二ツ目の女流落語家のなかでもかなり上手い。マクラで本題の導入としてピッタリの両親の馴れ初め話で笑いをとり、本題の「「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」へと導く。「ストロベリー〜」は男女の別れ話なのだが、その場所がなぜかメイドカフェ。しっかりした構成で彼女にピッタリのよく出来た新作落語だった。
柳亭小痴楽は柳亭痴楽の次男にして弟子。父が没後は弟弟子・柳亭楽輔の門下に入り、2019年9月真打に昇進。「天災」は柳家小満ん師匠に習ったのことで、この日がネタ下ろし。取得したばかりということで、やはり少しアラがあったが、こう言ったら失礼かもしれないが、風貌に似合わず真摯に古典落語を取得しようとする姿勢に好感が持てた。
春風亭昇々は春風亭昇太の弟子で2021年5月に真打に昇進。人には得手不得手というものがあるが、申し訳ないが私には向いていない人なのかもしれない。本人がエキセントリックな落語家と言われていると言っていたが、エキセントリック(ちょっと変わった・風変わり)というより、妙なバリアーがある人という感じで、そのバリアーを破って聞き入ることができなかった。ごめんなさい。
立川吉笑は立川談笑の一番弟子の二ツ目。三題噺というのはお客さんから与えられた3つのお題を繋ぎ合わせて作る落語のことをいう。以前深夜に「らくごのご」という関西の番組があり、ここで桂ざこばと笑福亭鶴瓶が三題噺を競いあっていて興味深く観ていた。鶴瓶は大した三題噺はできなかったが、ざこばは3回に1回ぐらいはまともな噺を作りあげて関心した。
吉笑はタカシくんと藤堂くんがパイロットになるために紙飛行機争いをするという話を軸に「飛行機・桜満開・ネグリジェ」というお題を絡ませていく。最初に「飛行機のパイロットになる」と言ったところを単純に「パイロットになるために」とすませておけば「紙飛行機」という言葉はもっと引き立てたかも知れなかったが、それでも3つのお題以外の予選もれのお題まで絡ませながら、骨太にして情景描写を伝えながら面白い噺を作り上げた。それにしても、6日連続三題噺を行うという吉笑の意気込みは素晴らしい。真打昇進のあかつきには是非とも三遊亭白鳥師匠との三題噺対決を行ってもらいたい。
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