お召し列車(おめしれっしゃ)とは天皇・皇后・皇太后が乗車する特別臨時列車のことをいう。皇太子など他の皇族が利用するための列車は御乗用列車(ごじょうようれっしゃ)と呼ぶそうである。
戦前の話である。私の母親は鎌倉に住んでいた。その家は田圃を挟んで横須賀線が見える家であったらしい。昭和天皇が葉山の御用邸もしくは軍港があった横須賀へ行くときに、お召し列車が横須賀線をよく走ったそうである。そして、そのときには事前に警官か町会の人が来て「お召し列車が通るときは、洗濯物を出さないように」と伝えていったそうだ。
洗濯物を出さないようにというのは外観の問題と共に、洗濯物の陰からの狙撃などを恐れていたと思われる。また、場所によっては2階の窓も閉めるようにと言われたそうだ。これは2階から見下ろすのは不敬にあたるという理由からであったが、こちらも防犯上の理由があったに違いない。そして、お召し列車が通るときは全ての踏切には警備のために警官が立ち、また線路沿いに何百メートルおきに警官が立ったそうである。
今ではこのようなことはないと思うが、高校生の頃に原宿駅北側にある宮廷ホーム(原宿駅側部乗降場)からお召し列車が出る光景を偶然に見たことがあるが、そのときの警備は厳重で原宿駅にも相当数の警官がいた。
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