昨日(8日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で春風亭正太郎出演の第17回「チェロキー寄席」を聞く。
春風亭正太郎は生まれも育ちも目黒区。現在の住まいも目黒区という私同様の生粋の目黒っ子。最近は東横線沿線のよしみか柳家喬太郎の落語会に助演したり、また地方から単独で呼ばれることも多く、その実力と共に売れっ子街道まっしぐらである、かも。
1席目は「ふぐ鍋」。十返舎一九の笑話集から上方落語の二代目林家染丸(1867年〜1952年)が作った落語と言われ、上方では広く演じられているが関東では演じるする人は少ないらしい。私は初めて聞く。
お話はふぐ鍋を前にお互いに躊躇するある家の主人と幇間の大橋さん、そこへ現れたおこもさん(=乞食)に毒味をさせようとするも、結局は自分たちが先に食べてしまうという単純明快な滑稽噺。登場人物が主人、幇間、乞食の3人だけということもあり、正太郎はそれぞれのキャラクターを明快に描き上げ快活に噺を作っていく。正太郎はこうした滑稽噺が得意である。東京湾でもトラフグが獲れるようになった今日であるから、関東でもこの噺をどんどんと広めていってもらいたい。
2席目は「紺屋(こうや)太夫」。神田紺屋町の染物職人・久蔵が吉原の三浦屋・高尾太夫に恋患いをしてしまう。それを医者の竹之内蘭石の助言により3年間あくせく働き10両を貯めて彼女と会う。そのあとは聞いてのお楽しみの一席。「幾代餅」も似たような噺だが、「紺屋太夫」の方が登場人物や吉原の描写が難しそう。正太郎もまだしっかりとこの噺をモノにしているとはいえず、所々で噛んでしまう。そういう意味においては少し背伸びをしているのかもしれないが、真打を目指そうという落語家たる者、難しい噺にどんどん挑戦すべきであり、いつの日にか吉原を舞台にした大ネタ「松葉屋瀬川(雪の瀬川)」を演じられる落語家になってもらいたい。
さて、次回(3月8日)のチェロキー寄席は春風亭正太郎と二人会を行っている入船亭小辰(師匠は入船亭扇辰)。東横線沿線の皆さん、お時間のある方は是非とも足を運んでみてください。
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