月曜日, 8月 20, 2018

第八回春風亭正太郎の冒険

昨日(19日)はめぐろパーシモンホール(小ホール)で「春風亭正太郎の冒険」を聞く。春風亭正太郎は1981年目黒区生まれ。春風亭正朝に入門して13年。地元での落語会も今回で8回目。定員200人の会場は満杯で7〜8割は女性。そして、その半分近くは年配の方で、彼女らはまるで自分の子供の晴れ姿を見るかのよう。(笑)

演目は下記の通り。

金原亭駒六  「元犬」
春風亭正太郎 「棒鱈」
       「鰻の幇間」
 〜 仲入り 〜
林家二楽    紙切り
春風亭正太郎 「景清」

開口一番の前座・金原亭駒六は金原亭馬生の弟子。面長でインテリ風な顔立ち。その話し方も落ち着いている。馬生師匠のお弟子さんということから、正統派落語の王道を歩まれるのではないだろうか。

「棒鱈」は隣座敷になった酔っ払いの町人と田舎侍のドタバタを描く噺。落語にはお酒にまつわる噺はいくつもあるがこれはその代表的な滑稽噺。春風亭正太郎はとにかく声がいい。滑舌は当然のことながら、その使い分けが上手い。この噺においても単に酔っ払いの声だけでなく、奇声を使って下手な歌をところなど絶品である。

「鰻の幇間」は幇間の一八が鰻を食べたいがために、太鼓持ちをするが逆に客に逃げられてなけなしの10円(明治時代は大金)を払う羽目に合う情けないお噺。登場人物は幇間の一八と客の二人だけということもあり、キャラクターを明確に分けて演じる。ただ、どうも正太郎には幇間が似合わない。育ちの良さからだろうか、それともその体型からだろうか・・・。

ゲストは紙切りの林家二楽。まずはハサミ試しに桃太郎を切った後にリクエストに応える。1つ目は「両国の花火」。花火と力士を艶やかに描く。2つ目は「カピバラ」。カピバラは春風亭正太郎の愛称もしくは別名であり、二楽師匠はその辺をちゃんとわきまえていてカピバラと正太郎を一緒に描く。そして、最後は弟子(実の息子でもある)の林家八楽を呼び寄せて「ネコ」を親子で紙切り。完成させたのは「ドラえもん」と「ドラミちゃん」。鮮やかな共演である。

「景清」は個人的に好きな演目の一つ。盲目の定次郎が願掛けのために100日続けて観音さまに通うが、満願の日になっても目は開かない。ところが、そこに雷鳴が響いて定次郎は失神。そして、気がついたら目が見えるという人情噺。春風亭正太郎にとって今回がネタおろし(初演)だったが、そんなことを微塵も感じさせず、ぐいぐいとお客を話に引きづりこんでいく。是非とも「十八番」の一つにしてもらいたい。頑張れ、カピバラ。

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