木曜日, 6月 22, 2023

林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」(鴻池の犬)

昨日(21日)は赤坂会館6階稽古場で開かれた林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」を聞きに行ってきた。会場は満員。演目は下記の通り。

林家つる子  「お菊の皿」
林家つる子  「JOMO」
 ~ 仲入り ~
林家つる子  「鴻池の犬」

つる子の演じる「お菊の皿」はそれなり怖い怪談噺なのだが、この日は短めバージョンなのかサクサク感に進んでいき全然怖くない。まあ最初の演目の場合はこういう方がいいだろう。

「JOMO」は上毛高校に入った主人公が「かるた部」へ入るが、そこはなんと「上毛かるた」部。上毛かるたは1947年(昭和22年)に作られた群馬を表現する郷土かるた。群馬県人ならみんな知っているそうだ。そんなかるた部に入った主人公が全国大会を目指すというお話。もう完全におバカを通り越した郷土愛に満ちはふれた作品。さすがぐんま観光特使だけのことはある。そんな噺のマクラがおかしかった。群馬では運動会では紅組白組などで分かれるのではなく、赤城山・榛名山・妙義山など群馬の山の名前をとって分かれるとのこと。また、列の数え方も1列・2列・3列ではなく、1の川(側?)・2の川・3の川と呼ぶそうである。いや〜、群馬県は可笑しい。

仲入り後は「鴻池の犬」。私の好きな演目だが、林家つる子がこれを演るとは驚いた。クロ、ブチ、シロの3匹の子犬の話で、大阪の鴻池にもらわれたクロに会いに行くシロが基本的に主人公。しかし、つる子は他の2匹にもスポットを当てて、3匹をほぼ平等に扱っているのが好感がもてる。特に大方の噺家ではブチは亡くなってしまうのだが、つる子は生きかえらせていて、完全なハッピーエンドの話としている。ただ、難点はシロがお伊勢参りの犬ハチとの道中の描写が見えてこない。桑名の宿での別れのシーンなどはもっと深掘りしてもいいのではないだろうか。柳家さん喬師匠と比較するのはコクかもしれないが、もっと情景が見えてくる語りにしてもらいたかった。



金曜日, 6月 09, 2023

内子、松山、今治の旅

6月4日から6日まで愛媛県の内子、松山、今治と旅をしてきた。旅にはいろいろと目的があるものだが、今回は単なる観光目的ではなく、私に少しばかり縁のある場所を訪れる旅を組み入れてみた。

愛媛県内子町にある内子座は、江戸後期から昭和初期にかけて作られた16の芝居小屋が加盟している「全国芝居小屋会議」のなかでも、もっとも有名な劇場と言っても過言ではない。ここでは歌舞伎、落語会、音楽会などが開かれ、この地域の住民にとって重要な文化拠点になっている。私も芝居に関わっていたことがあるので、ここへは以前より訪れたくて仕方がなかった。そして、内子町にはもう一つ訪れてみたいところがあった。私がよく飲みに行く学芸大学のお店が常に置いてある日本酒「京ひな」の製造元である酒六酒造が内子町があり、どんな酒蔵なのか知りたかったのである。

2日目の目的地は松山市の三津浜という港町であった。ここは目黒の行きつけのお店がコロナ前まで魚を取り寄せていた漁港で、こちらも以前より興味を抱いていた場所であった。三津浜は江戸時代は松山藩の藩港として栄え、明治から昭和初期までは海運の要衝として、とても賑わいのある町で競馬場まであったという。しかし、今では商店街はほぼシャッター街化してしまった。それでも往年の隆盛を誇った時代の建物がいくつも残っていて、散歩をするにはもって来いの場所だった。

そして、3日目の目的は今治タオル本店(今治タオルLAB)だった。30年ぐらい前まで自宅のすぐ近くに今治タオルの倉庫というか東京営業所みたいなものがあり、毎日大きな段ボールに入ったタオルを荷卸しをしたり、配送手配をしていた。そのおかげというか、私は何枚もおこぼれのタオル(多分廃棄処分になるような)をもらったりしていた。そういうこともあり、新しくできた今治タオル本店へ行き、お土産用のタオルを購入することにした。

このようにちょっとした縁のある旅も乙なものである。(笑)