一昨日(26日)は国立小劇場で開かれた第661回落語研究会を聞きに行ってきた。落語研究会は以前はほぼ会員制だったので、私は過去に1回しか行ったことがなかった。それがコロナのせいで予約制となり、10数年ぶりの鑑賞となった。出演者と演目は下記の通り。
柳家小はぜ 「狸鯉」
桂宮治 「道灌」
古今亭志ん輔 「小猿七之助」
〜 仲入り 〜
入船亭扇遊 「きゃいのう」
春風亭一朝 「菊江の仏壇」
落語の演目数はどれぐらいあるかという愚問がある。
落語には古典落語と新作落語がある。古典落語は基本的に江戸から明治に作られたものをさし、新作落語は大正もしくは昭和以降に作られたものを言うが、ただ一般的には現存する落語家もしくは落語作家が作ったものを新作と言うような気がしなくもない。
さて、その愚問であるが、現在演じられている古典落語は500とも800とも言われる。ただ、主に寄席などで演じられる馴染みの噺は200ぐらいではないだろうかと言われている。新作に至っては昨日何処かで初めて演じられた演目があるかもしれないので、数えようがない。
さて今回の落語研究会の演目は「狸鯉」「道灌」の2演目は馴染みの演目だが、「小猿七之助」「きゃいのう」「菊江の仏壇」はあまり演じられることがない珍しい演目。私もこの3演目は初めて聞く。
「小猿七之助」は講談ネタなのだがそれを立川談志が落語化したらしい。よってこれが古典になるのか新作になるのかどちらか分からない。まあどっちでもいいのだが、噺の内容はさほど面白くない。
「きゃいのう」は舞台役者の悲喜交交を描く滑稽噺。歌舞伎の舞台裏を小まめに描写しながらの噺。入船亭扇遊ならではの粋で鯔背(いなせ)な話芸が冴える。
「菊江の仏壇」は上方落語の大ネタ。若旦那が自分の嫁に似た妾を囲うという噺。内容はかなり陰湿になりかねないものだが、春風亭一朝は持ち前の江戸弁をうまく活かして明朗に進めていき、明るい怪談噺に仕立てあげる。
最後に余談になるが、桂宮治がマクラで述べていたが、「笑点」と「落語研究会」では楽屋も高座も温度差が違うとか。落語研究会はまだまだ敷居は高いようだ。(笑)
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