月曜日, 3月 08, 2010

虫や鳥の鳴き声を愛でる文化

大河ドラマ『龍馬伝』のなかで香川照之演じる岩崎弥太郎が虫籠や鳥籠を背負って行商している姿が印象的だったが、そう言えば、最近は虫籠や鳥籠を売っている店をほとんど見かけなくなってしまった。

日本には虫や小鳥の鳴き声を愛でるという文化がある。こうした文化のある国は世界のなかでも珍しい。

日本でこのような文化がいつから始ったかという詳細は知らないが、おそらく平安時代の貴族ではないだろうか。それが、江戸時代になって武家は小鳥の鳴き声を、町人は虫の鳴き声を愛でる風流を作り出していったと思われる。それゆえに、江戸時代は弥太郎のように(実際の弥太郎は違うらしいが)虫籠や鳥籠を、または小鳥や虫を売る行商人が多かったみたいである。

こうした文化は明治時代に入っても続き、昭和30年代になっても自宅の縁側に鳥籠を吊るしてインコなどを飼ったり、夏から秋になると縁側に虫籠をおいて、コオロギやスズムシなどの鳴き声を楽しむ家は多かった。

しかしながら、縁側のある家が少なくなり、核家族化がすすむにつれて、こうした文化が廃れてしまった・・・。

0 件のコメント: