お店は2015年の4月にオープンにもかかわらず、あっという間にミシュランガイドの1つ星を獲得。というのも、オーナーシェフの浅岡達矢さんはタテルヨシノ芝のシェフを務めていて、2つ星を獲得した立役者と言われた辣腕シェフだからだ。お店はカウンター12席、テーブル6席という作り。テーブル席は個室にもできるようだ。で、いただいたコースメニューは下記の通り。
・食前のお楽しみ
・カブのブランマンジェと手長海老のマリネ
キャビア添え
・コンソメ・ラビオリ・カルパッチョ
鹿を様々なスタイルで 〜モマン風〜
・フォラグラのお料理
チョコートソース
・的鯛のポワレ
サフラン風味のフヌイユ 季節の温野菜添え
・黒毛和牛フィレ肉のポワレ
ソース ボンドレーズ
・スパイスと柑橘類でマリネした洋梨の温かいソテー
グラスキャラメルとココアのシガー添え
・コヒーまたは紅茶
・小菓子・自家製パン
最初の食前のお楽しみ(アミューズ)は、グジェールというチーズを練り込んだシュー生地のパンのようなもの。これを食べていたらなぜか昔アメリカにいた時のバターたっぷりのクロワッサンを思い出してしまった。中はふんわり外はサクサク。こういう食べ物は好物である。
2品目は手長海老のマリネが入った魚介のゼリー、カブのブラマンジェ、フヌイユのピュレの上にキャビアがトッピングされている。これはかなり絶妙というか巧妙な取り合わせ。ガラスの器がちょっと高すぎなのが難点だったが、味は言うことのなし。
3品目はイタリアンと中華の合体したフレンチのスープ。メニューにも「〜モマン風〜」と書かれているようにオリジナリティのある一品。鹿の臭みはほとんどなく、ジビエならでは歯ごたえをも楽しむ感じの一皿である。
メインの魚料理は的鯛のポワレ(蒸し焼き)。ふっくらした的鯛に甘い香りと苦みのフヌイユのソースがマッチ。いろいろな温野菜の彩りも美味。肉料理もポワレ。茨城県産の牛がめちゃくちゃに柔らかくなって登場。赤ワインの香りが漂うボンドレーズソースは見た目ほど濃厚ではなく、さっぱり感があり、私のような薄味好みには嬉しい。
デザートは温かい洋梨、冷たい塩キャラメルのアイス、そして、ココア味のシガーが一緒になって登場。スイーツ好きには溜まらない取り合わせかも。私にはよく分からないが。(苦笑)小菓子はアーモンドの焼き菓子、グレープフルーツの砂糖漬け、きな粉のマシュマロ。
料理は申し分ない美味しさだった。またパン屋さんの跡地にできたからというわけではないが、焼きたての自家製パンはとても美味しかった。ただ、難点を挙げれば相方が「もう少し料理の説明が欲しかった」と言うように、パンと一緒に出てくる「オリーブオイルは◯◯産」とか「キャビアは◯◯キャビア」とか「野菜は◯◯農園のもの」と言った食材に関する詳しい言葉が欲しかった。そうでないと、サービスマン or レディとの会話が弾まないし、カルパッチョ、ポワレ、ソテーとか通り一辺倒の説明では面白味がない。料理は食べるだけでなく会話も愉しむものなのだから、特にディナーは。今度は人気のランチにぶらりと訪れてみたいと思う。
ル・モマン
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