昨日(8日)はめぐろパーシモンホールで開かれた「林家木久扇・三遊亭好楽・林家たい平 新春爆笑三人会」を聞いてきた。平日の昼公演ということもあり、客席のほとんどは後期高齢者。ただし残念ながら空席も目立った。出演者と演目は下記の通り。
三遊亭好也 『子ほめ』
林家たい平 『二番煎じ』
〜 仲入り 〜
三遊亭好楽 『女ぐすり』
林家木久扇 『彦六伝』
開口一番の三遊亭好也は三遊亭好楽の7番弟子。滑舌はいいが演じ分ける時の声色の変化が乏しい。もう少し工夫があるべきではなかろうか。まだまだ勉強である。
林家たい平は上手い。今の『笑点』メンバーのなかでは彼が一番落語が上手いのではないだろうか。枕は『笑点』の楽屋ネタを次から次へと披露して、観客をリラックスさせる。そして、それと分からずに本題に流れ込む。巧みな術である。そして、噺のなかで小唄も披露するのだが、その歌声が艶やかで粋である。これに渋みも加われば言うことなしだろう。
たい平と比較するのはなんだが三遊亭好楽は真面目すぎる。まあそれが彼の一つの売りではあるのだろうが、新春落語会なのだからハメを外していいと思う。所作は畏まっているし、噺にもメリハリがない。途中客席から大きなイビキが聞こえたのも無理はない。
林家木久扇は今年78歳になるが元気である。『笑点』ではアホなキャラクターを演じているが、実際の落語はかなり妙味がある。枕は2年前に患った喉頭ガンについてだったが、真面目な話に笑いを巧みに入れる。そして、本題は彼の十八番ともいうべき「彦六伝」だったが、師匠の林家彦六、立川談志らの声帯模写や形態模写をしながら、修行時代の話を自由奔放に進めていく。今や彼のように枠にとらわれない破天荒な噺をする落語家は絶滅危惧種なのだろうか。
2年前の新春落語会(円楽、昇太、たい平)は昨日同様に平日の昼にもかかわらずチケットは完売だったが、今回は空席がかなり目に付いた。ひょっとすると『笑点』メンバーだけによる落語会にも少し陰りが出てきたのかもしれない。
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