月曜日, 12月 27, 2010

参議院選挙制度改革にオブジェクション!

先日(22日)参議院の選挙制度改革について西岡武夫参院議長が全国を比例9ブロックにする改革案を参議院各会派に提示した。その内容は都道府県単位の選挙区を廃止して、全国を比例9ブロックにするというもので、一票の格差を1.16倍以下まで抑えることができるというものである。

しかしなが、この提案は定数を現状の242のままにして「定数削減と1票の格差の両立は至難の業だ」と居直って、自分たちの保身を最優先にしている。私は1票の格差も大事だと思うが、それ以上に参議院選挙制度改革で必要なことは下記の3つだと思っている。

・無所属議員の尊重(法の下での平等)
・定数削減(国庫負担の軽減)
・地域性の重視(地方の声の尊重)

そもそも参議院というのは「良識の府」といわれる存在であり、衆議院に対するチェック機関でもあり、政党の人間ばかりが優位な選挙制度になることがおかしい。今回の西岡案では「無所属の個人の立候補については認めるかどうかは今後検討する」などとしていて、まったく参議院の理念を葬り去っている。

定数は現行の242議席から200議席に減らすことが絶対条件である。自分の身を削らずにしての改革など国民は納得しない。「定数削減と1票の格差の両立は至難の業だ」と述べて、格差是正を優先する考えを示したが、先にも述べたがこれは権力者たちの保身以外の何ものでもない。今ここで定数を削減しなければ、いつ定数を削減するというのだろうか。定数削減のない選挙制度改革など絶対に認められない。

参議院はやはり地域性を重要するべきである。全国を9ブロック(北海道、東北、北関東信越、南関東、東京、関西、中国四国、九州沖縄)と分けるのだが、ただ、このブロック割りはあまりにも地域性を無視している。中国と四国を一緒にするなどは信じられない。それでなくとも、選挙区が広いと選挙にお金がかかりすぎることになり、違った問題の発生源になる。また、広域選挙では組織をもたない無所属候補には圧倒的な不利でもある。

そこで、私は下記のように地域性を重視した15ブロック案がいいのではないかと考える。定数は200にして有権者数で偶数分けして、もっとも1票の格差がないようにすればいい。こうすれば、1票の格差は西岡案の1.16倍よりは高まるであろうが、無所属議員の尊重、定数削減、地域性の重視の目的がすべて整い、「良識の府」としての参議院が再度生まれる可能性があるのではないだろうか。一方で、衆議院は地域性などに関係なく徹底的に1票の格差をなくしてもらいたい。

◆西岡案による9ブロック案の区分け◆
<北海道>北海道
<東北>青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
<北関東信越>茨城、栃木、群馬、新潟、長野
<南関東>埼玉、千葉、神奈川、山梨
<東京>東京
<中部>富山、石川、岐阜、静岡、愛知、三重
<関西>福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
<中国・四国>鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知
<九州・沖縄>福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

◆私が考えた15ブロック案の区分け◆
<北海道>北海道
<北東北>青森、秋田、岩手
<南東北>宮城、山形、福島
<北関東>茨城、栃木、群馬
<南関東>埼玉、千葉、神奈川
<東京>東京
<甲信越>山梨、新潟、長野
<北陸>富山、石川、福井
<東海>岐阜、静岡、愛知、三重
<北関西>滋賀、京都、兵庫
<南関西>大阪、奈良、和歌山
<中国>鳥取、島根、岡山、広島、山口
<四国>徳島、香川、愛媛、高知
<北九州>福岡、佐賀、長崎、大分
<南九州・沖縄>熊本、宮崎、鹿児島、沖縄

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