柳家緑助 『たらちね』
柳家喬太郎 『禁酒番屋』
〜 仲入り 〜
柳家三三 『蛙茶番』
柳家花緑 『天狗裁き』
開口一番の柳家緑助は花緑10番目の弟子。花緑はまだ40代半ばだが、10人(以上?)も弟子がいるとは驚きである。それでも前座の身ながらも大きなホールに起用されるとは、それなりの才覚があるのかもしれない。滑舌はしっかりしているものの、所作や間の取り方などはまだまだ。今後の精進に期待したい。
喬太郎のマクラは泣き上戸、笑い上戸、謝り上戸、壁塗り上戸など、酔っ払いの様を見事に演じわける。喬太郎は落語界でもかなりのイケる口らしいが、飲兵衛の割には酔っ払いの形態模写が実に上手い。これには場内大爆笑で自分だけではなく落語会全体の掴みを取っていた。そして、さり気なく本題の『禁酒番屋』に入るが、この噺は酒を取り締まる関所みたいなところのエピソードが主。ここでも酔っ払いの様を見事に演じる。マクラでは新作をやるのかなと思わせたのに、しっかりと古典を演じる。喬太郎は只者ではない。そして、飲兵衛としては一度一緒にお酒を飲んでみたいとも思わせる芸人さんでもある。
三三にしては珍しいかもしれない下ネタ噺。三三はフンドシを締め忘れ男の噺を畳み掛けるような語っていくが、ちょっと噺に追いついていくのが大変。もう少し一服入れるなり、間をうまくつかせるなどの工夫がほしい。
花緑がマクラを話していると、突然にスピーカーから破裂音。そして、再びマクラを話し始めるとまたもや破裂音。このために一旦幕が降りるというハプリング。しばらくして、幕が上がるが、高座には花緑が笑顔で座っている。ハプリングのおかげで、すっかり何を話していいのか分からなくったという師匠(そりゃそうだろう)、かけるつもりだった『不動坊火焰』を急遽『天狗裁き』に変更する。噺初めはおっかなびっくりの様子だったが、客席が師匠を盛り立ててつつ、場内はどんどん大爆笑に。師匠には貴重な体験だったかもしれないが、観客にとっても貴重な体験。落語は話し手と観客が一緒に作っているのだとも実感した落語会。ライブはそういうものである。そして、喬太郎、三三、花緑、三者三様の愉しさを味わえる落語会でもあった。
来年も是非ともめぐろパーシモンホールにお越しください。(by 地元民)
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