一昨日(4日)新宿末広亭で開かれた10月上席・夜の部「橘家文蔵襲名興行」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。
〜 仲入り 〜
・襲名口上
(柳家喬太郎、五明楼玉の輔、桂藤兵衛、文蔵、春風亭一朝、柳家小さん)
三増紋之助 曲ごま
柳家喬太郎 『ウルトラマンジャックの由来』
桂藤兵衛 『狸賽』
ダーク広和 手品
〜 写メ・タイム 〜
橘家文蔵 『子別れ』
落語界随一のコワモテとして有名な橘家文左衛門が三代目橘家文蔵を襲名。その襲名披露興行が上野鈴本演芸場に始まり、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場の5か所で50日間にわたって行われている。
襲名口上は喬太郎が司会のもと玉の輔、藤兵衛、一朝、小さんが挨拶というか文蔵にまつわる暖かいコケおろし話を披露。そして、小さん師匠の音頭のもと三本締め。客席は8割程度の入りだったが、盛大な拍手が会場に鳴り響いた。
トリの文蔵が一席話す前になぜか写メ・タイム。最初は師匠1人だけだったが、途中から楽屋にいた出演者たちが登場。缶ビール片手の喬太郎は「I ♥ Ikebukuro」のTシャツ。(笑)最後は裏方さんも登場して2〜3分の撮影タイム。誰かが「おいおい、こんなにみんな写真撮るの」と驚いていたが、周囲を見渡すと誰もスマホかデジカメで撮影していた。確かにあんなに一堂に会して写メが行われる光景は私も初めて見たかもしれない。
『子別れ』は大工の熊五郎が別れた女房のおみつと息子の亀と再会するという人情噺。文蔵はこの有名な演目を、時にドスの効いたコワモテを取り入れながら、しっとりと聞かせる。女房おみつを演じる時の仕草は色っぽい。また酒を止めて精進直した熊五郎の鯔背な感じもいい味を出している。そして、亀を演じるときは何か楽しそうでほのぼのとする。
文左衛門という名が消えるのちょっと惜しい気がするが、文蔵という名は落語界の名跡の一つであるから、今後は師匠には新しい文蔵という名をを作り上げ、広めていってもらいたい。
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