木曜日, 3月 14, 2019

春風亭正太郎 & 柳亭市弥@チェロキー寄席

昨日(13日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で開かれた春風亭正太郎と柳亭市弥出演の「チェロキー寄席」を聞いてきた。演目は下記の通り。

春風亭正太郎 『風呂敷』
柳亭市弥   『お見立て』
 〜 仲入り 〜
柳亭市弥   『芋俵』
春風亭正太郎 『はてなの茶碗』

マクラは先日武道館で行われた「落語カフェ」10周年記念公演の話。『ふろしき』は亭主のいない間にその女房が亭主の知り合いを連れ込んでしまうが、長屋の兄貴分が気転を働かせて男を救うというドタバタ劇。春風亭正太郎は端正かつ小ざっぱりと噺を進めるが滑稽さに欠ける。もう少し弾けても良かったのではないだろうか。

柳亭市弥はマクラでこの日の楽屋裏を暴露。春風亭正太郎との二人会ということで、始まる前に演目合わせをした時に、市弥が『厩火事』をかけようかと話したのに、最初に正太郎が似たような噺の『風呂敷』を演ってしまい、後輩ながらもちょっとご立腹。終演後本人曰く「少し取り乱した」と言っていたが『お見立て』を大熱演。『お見立て』は吉原の花魁にベタ惚れの杢兵衛大尽が生きている花魁の墓参りまでするという話。まあどうでもいいやけっぱちじみた廓噺だが、正太郎に裏切られた(笑)市弥が、その鬱憤をこれまたやけっぱちな勢いで汗をかきながら、楽しい取り乱した話しぶりに場内大爆笑。TPOによるかれもしないが、はじけ飛んだ市弥はめちゃくちゃ面白い。

後半は2人ともマクラ抜きで本題へ。『芋俵』は芋俵に身を隠して入った男が店の丁稚に芋を握られらるという滑稽噺。柳亭市弥は前半の『お見立て』で飛ばしすぎたせいか、こちらはあっさりと。

『はてなの茶碗』は上方落語の傑作で桂米朝が得意とした。京都で一番の目利きの茶道具商・金兵衛が首をひねったことから起こる騒動と顛末を伝える噺。登場人物は金兵衛こと茶金さん、茶碗に目をつけた油売りの男、茶碗の持ち主である茶店の主人、金兵衛の店の番頭、そして最後に公家の近衛公、天子さま、豪商・鴻池善右衛門と次々と出てくるが、春風亭正太郎はそれぞれの特徴を捉えるかのようにしっかりかつ鮮明に演じ分ける。落ち着いた重厚感のある正太郎はもはや二つ目とはとても思えない品格と貫禄を持ち備えている。感服。

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