クリスマス・イブの日は行きつけの飲み屋の忘年会だった。
常連客が10数人集まって、いろいろな酒を飲みながら和気靄々楽しい時間を過ごしていた。が、最後に店主がいきなり「来年からはお店は居酒屋形式でなく、食堂形式にする予定です」と挨拶して、座は一挙に冷えきってしまった。
お店は開店してすでに10年以上になる。最近は以前よりお客さんが少なくなり、常連客の何人かは引っ越しをして、店に通う回数も減っていたので、経営が少し苦しくなっているとは感じていたが、いきなりの発表だったので、誰もが驚いてしまった。
某大学文学部の先生などは「ここは居酒屋でなく文化だったのに」と嘆き、一番数多く顔を出していたオジサンは、早々と家路についてしまった。私も酔いがさめてしまったので、飲み直したい気分になり、お店を後にした。
常連客のあまりの反応に店主は少し戸惑っていたが、今後どうなるか正直見当もつかない。これから、新たに行きつけの飲み屋を探さなければならないかと思うと、寂しい思いにならざるをえない。
0 件のコメント:
コメントを投稿