月曜日, 1月 28, 2008

書きやすい地名と書きにくい地名

小学校のクラス会名簿作成のために、久しぶりに数多くの宛名書きを手書きで行っている。そのおかげで、地名や人名には書きやすい字と書きにくい字があるもんだなぁ、ということを改めて認識した。

私の小学校名である「鷹番」という字は非常に書きづらい。パソコンでは「たかばん」(私はローマ字入力だが)と打って変換するだけだが、「鷹」という字は广を書いて、ふるどりを書いて、また鳥という字を書く。この字はバランスが非常に悪く、書きにくい字の見本のようなものである。小学校の習字のときに、学校名を書くときは誰もが「鷹番小学校」とは書かず「广番小学校」と書いていた。

この話を例の行きつけの飲み屋で話すと、誰もが「鷹番」という地名は素晴らしい名だが、書くのはつらいよ、と言う。そんななかで、その鷹番から品川に引っ越しした人が「目黒という字も面倒だった」という。「それに比べて、品川という字がいかに書きやすいことか」とつけ加えた。

品川という字ほど書きやすい東京の区名はないだろう。この地名はまだ字を書けない子供でも書ける。「丸三つ描いて♪、セン三本♪」である。品という字は別に「口」という字を書かなくても「○」を上に一つ、下に二つ描けばいい。ただ、これが一字だけだと「品」とは読みづらい。しかし、これに縦線を三本引いて「川」という字もどきを描けば、不思議なことに「品川」と読めてしまう。もしかしたら、江戸時代の人はこう書いていたかもしれない。

東京では「北」がもっとも字画が少ない区名だろうが、バランスでは「品川」の
方が書きやすい。一方、最も書きにくい区名は「葛飾」であろう。「豊島」や「練馬」という区名も字画は多いが、「葛飾」という字は難しい上にバランスが悪い。葛飾区にいる人はさぞやこの文字に苦労しているのではないだろうか。

今日では郵便番号が7桁になったので、宛先に都道府県名を書く人は少なくなったが、それでも市町村名を書くのは一般的である。そのために、難しかったり、こみいった地名に住んでいる人は筆無精になりがちかもしれない。しかし、地名には歴史と文化があるので、くれぐれも地名をないがしろにはしないで、しっかりと書いてもらいものである。

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