藤沢周平(鶴岡市出身)の本を愛読し、祖父が酒田市(旧八幡町)出身という私にとって、映画「おくりびと」がアカデミー賞・外国語映画賞受賞して、そのロケ地である山形県庄内地方がクローズアップされていることは正直嬉しい。
受賞のおかげでロケ地になった銭湯「鶴乃湯」は取材が殺到して、今や日本一有名な銭湯になってしまった。そして、限定酒の「初孫 純米吟醸 おくりびと」という日本酒も大変な売れ行きのようである。また、本木雅弘が演じる納棺師がチェロ奏者として所属するオーケストラのメンバーは、山形交響楽団(山形市)の楽団員が演じていて、山響も注目を浴びるようになっている。
こうした喜びに湧く山形県とは反対に、滝田洋二郎監督の出身地・高岡や、台本の出発点となった「納棺夫日記」を書いた入善町出身の青木新門が暮らす富山県では地団駄を踏んでいるという。なんと県議会委員会で「同じ雪国なのに、なぜ(ロケが)富山でなかったのか」と質問が飛び出したというのだから、ちょっと異常な気もする。
さて、こんなことを書きながら、私はまだ映画を観てもいないし、庄内地方へ行ったことがない。しかし、以前よりこの夏に先祖の墓参りに行こうと思っていた。ただ、「おくりびと」のアカデミー賞受賞でクローズアップされた後に、酒田へ墓参りに行くことになるとは、なんか出遅れたような複雑な気持ちでもある。
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