現在、国会で審議されている2009年度補正予算案のなかに、文化庁は117億円をかけてアニメや漫画などを展示する美術館「国立メディア芸術総合センター」を2011年までに建設するという案を計上している。これは明らかに麻生総理大臣の若者向けのパフォーマンス選挙対策と、ハコモノ好き行政が合致した場当たり的かつ非建設的な計画である。
計画ではお台場を建設候補地として、来場者数を年間60万人とする。館内にはスクリーンを備え、常設および企画展示などを行い、将来を担う人材を育成するため公開講座も実施するという。運営は外部委託で、年間1億5000万円の入場料(見込み)、協賛金、グッズ販売など賄うという。
確かにこれまでにアニメや漫画の殿堂と言われるようなものはない。しかし、いきなりハコモノありきではないだろう。また、アニメや漫画はまだまだ現在進行形のものであり、もし国がお金をかけるならば、人材育成や作品助成ではないだろうか。そして、昭和中期以降に発展を遂げたアニメ・漫画より、それ以前の文化財産を保存するハコモノの方が先ではないだろうか。
現在、東京には江戸東京博物館があるが、残念ながら浮世絵、錦絵、水彩画、肉筆画など江戸時代の美術をしっかり保存、そして展示できる美術館はない。これは東京都が作るべきものなのかもしれないが、石原都知事は東京オリンピック誘致活動ばかりにお金をかけてうつつを抜かしてしるので、麻生総理大臣よ、麻生アニメ大臣などと言われないがために、アニメ美術館より先に国立江戸美術館を作ってもらえないだろうか。
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