木曜日, 5月 20, 2010

給食のパンを届けに行く

古い話である。昭和30年代〜40年代の話である。私が小学生のときの話である。学校を休んだクラスの子の家に、近所に住んでいる子や帰り道の子が給食のパンを届けていた。

この給食のパン届けは「どうしてなんだよぉ〜」とか「なんでなんだよぉ〜」と思うときもあれば、届け先が女の子だったりすると「どんな家に住んでいるんだろう」とか内心ドキドキするときもあった。また、パンを届けたお礼にお母さんからそのパンやジュースをもらったりとお土産を期待したりもした。

なぜ、この休んだ子の家にパンを届けるという慣習があったのか明確な理由は知らない。昔は今ほど食生活は豊かでなかったので、給食のパンひとつでも重要な栄養物であった。また、クラスの仲間意識を作るためでもあっただろう。ただ、根底には病気の具合やズル休みでないかを、教師に代わって調べさせる目的もあったのではないだろうか。

しかしながら、この給食のパンを届けにいくという慣習も、給食にご飯が出るようになって、次第になくなってしまったようである。

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