火曜日, 5月 25, 2010

「ざあます言葉」の由来は何でざあます?

現在は死語となりつつある「ざあます」言葉。もはや聞いたことのない人の方が多いと思うが、昭和40年代頃までは、東京・山の手(この場合は世田谷、杉並、目黒あたりをさす)では年配の御婦人が「ございます」の代わりに「ざあます」という言葉を使っていた。

この「ざあます」という言葉遣いは本来は丁寧語なのであるが、妙に上品ぶっていて、話す側はどう思っているか解らないが、聞く側は何か小馬鹿にされているようで好印象をうけなかった。

もともと「ざあます」は江戸時代の遊郭の花魁言葉「ざます」が転じたか、それとも「でございます」が「でござあます」になり、それがさらに短縮したものと言われている。いずれにしろ、明治時代に転じたもので、山の手(この場合は麹町、牛込、四谷、赤坂、麻布、小石川、本郷あたりをさす)に住む婦人たちが使いはじめたのが最初のようだ。

これはおそらく薩長土肥を中心とした明治政府官僚夫人や財閥夫人たちの多くが地方出身および花柳界出身だったために、自分の身分を隠すために使ったからだと思われる。そして、それが戦後まで受け継がれ、住む土地の山の手の場所が代わっても、受け継がれていったのではないだろうか。

ちなみに「ざます」「ざあます」が女性語なのに対して、「ざんす」は男性語で、この言葉も死語になりつつある。

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