今朝の新聞で、元(げん)さんこと山元清多さんが亡くなったことを知った。71歳だった。
元さんは劇団黒テントの座付き作家兼演出家として、数多くの戯曲を書き演出を行い、また数多くのドラマや映画の脚本を手がけた。
元さんは東京大学卒業後に通信社の記者になり、1968年の黒テントの創立に参加。1983年に「比置野(ピノッキオ)ジャンバラヤ」で岸田國士戯曲賞を受賞。舞台では黒テントだけでなく、オペラシアターこんにゃく座、流山児★事務所などにも台本を提供。また、テレビではTBSドラマの『ムー一族』『はいすくーる落書』『カミさんの悪口』などの脚本を書いた。
元さんといつ知り合いになったかはよく憶えていないが、元さんの仕事場(私の仕事場の近くだった)に台本をもらいにいくと(大概は途中まで)、元さんは特有の口調で「小松よぉ、お前は台本取りにくるだけだからいいよ。俺はなぁ、ない頭をつかって書いているから大変なんだよぉ」といつも愚痴を言っては、最終稿はわざわざ私の仕事場まで持ってきてくれて、「終わったぞぉ。これ以上は書けん」と言って締切を厳守する素晴らしい作家だった。
私が最後に製作を手がけた舞台『心中天の網島』(演出:篠井英介、主演:七瀬なつみ)も元さんに書いてもらった。元さん、本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
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