金曜日, 11月 22, 2013

日本のワインの進化に“驚き桃の木葡萄の木”

私は日本酒に関してはちょっとウルサいが、ことワインとなると全くの無知で、フランスへ行ったこともなければ、ボルドーがどの辺の地方なのかすら知らない。またボルドーとブルゴーニュの瓶の違いは知っていても、中味の違いなど解らない。

私が家で飲むワインは安いカリフォルニアかチリのものばかりで、フランスワインなどめったに口にすることはない。それゆえに、一流のレストランに行ってもいつも同行者もしくはソムリエの意見に従い、それに応じるようにしている。しかし、先日行ったレストラン(レフェルヴェソンス)ではちょっと私のわがままを通した。

「今日はちょっと日本のワインを飲んでみたいんだけど、どうかなあ」と私が声をかけると、同行者は「え〜、日本のワインに挑戦するの〜、それも赤?」と怪訝そうな顔。続けて「白なら解るけど、赤は・・・」とまったく乗り気でない。そこで、私が「今日飲んでみたいワインは、実はそこで日本酒も作っていて、これが絶品なんだよ」とか「手に入れるのも大変なワインなんだよ」と誘ってみたものの、彼女はまだ乗り気にならない。

そこでソムリエに小布施ワイナーのソガについて尋ねてみると、彼は次ぎから次へと語る、語る。「ソガさんはかなりこだわりを持っている方のようです」「おそらく年間3000本ぐらいしか出荷しない小さなワイナリーで入手するのも大変なんですよ」「私どもも1年に6本入るか入らないかです」「ワイナリーは家族経営みたいなところのようで、葡萄も自分で育てて、まさに手造りのワインです」「弟さんも北海道でワインを造られているみたいです」などなど。

とソムリエの力強い言葉に、同行者もやっと納得して「ドメーヌ・ソガのカベルネ・フラン2009」を頼み、私がまずテイスティングをした。ところが、一口目を口にした瞬間「じぇ、薄い」と思わず口にしてしまった。ところが、二口目三口目と口にすると唇などに残っていた渋みが重なりあっていき、二重三重とハーモニーのように美味しさが重なりあい、それがふくよかな香りと共に口のなかに広がっていき、楽しい気分にしてくれる。そして、彼女も飲むうちに「料理に合うし、美味しいわね」と納得してくれたようであった。私は心のなかで「一流のフランス料理店でワインリストに入れているのだから、美味しいに決まっているだろう」と思っていたが。(笑)

さて、日本のワインはこの2〜3年でとても美味しくなっていると言われる。上記の小布施ワイナリーのようにこだわりを持ったワイナリーがあちこちに出来てきたからであろう。ソムリエの話では、山梨県の八ヶ岳近くにあるワイナリー「BEAU PAYSAGE(ボーペイサージュ)」も品質も高いワインだとすすめてくれた。

日本のウイスキーが「Japanese」として世界に認められるようになるまで100年かかった。ワインも同じように世界に「Japon」として認知されるまでにあと何十年かはかかるだろう。もしそうなったりすると、生産量に限りがあるから、相当価値のあるワインになるのではないだろうか。そうなって欲しいためにも、これからは機会があれば日本の美味しいワインを飲んで応援していきたいと思う。

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