木曜日, 4月 16, 2015

柳の家の三人会@めぐろパーシモンホール

一昨々日(13日)はめぐろパーシモンホールで開かれた「柳の家の三人会」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

柳家緑君  『金明竹』
柳家喬太郎 『紙入れ』
 〜 仲入り 〜
柳家三三  『粗忽の釘』
柳家花緑  『二階ぞめき』

「柳の家の三人会」というのは柳家小さんの流れをくむ落語会であり、数多くある落語会のなかでも人気があり、チケットはほぼ毎回完売するという。今回も悪天候にもかかわらず客席はほぼ満席。

開口一番は柳家緑君。柳家花緑の弟子で二つ目。名前は「みどりくん」ではなく「ろっくん」。どういう名前の由来なのだろう。ロックンロールでもしていたのだろうか。で、この「ろっくん」、見習い1年前座3年二つ目としても5年というキャリアがあるだけあって、かなり堂にいっている。開口一番にもかかわらず『金明竹』を30分かけて演じる。

で、続いて登場した柳家喬太郎は「開口一番があんなに長いの珍しいですよね・・・。実は私が開演時間を間違えました」といきなり客席に向かって平謝り。その後は、間男話をいくつか絡めて不倫噺『紙入れ』をたっぷりと演じる。それにしても、喬太郎の女形語りは色っぽいというよりエロっぽい。そして、この人は新作を演っても古典を演っても、客を落語特有の胡散臭い世界に見事なまでに導いていく。本当に巧い落語家である。

柳家三三は十八番の一つ『粗忽の釘』をかける。長屋に住む大工が箒をかけるために釘を打つというたわいもない滑稽噺だが、三三はそれを語り手と演じ手を巧みに使い分けて、噺を飄々と進めていく。この飄々さが三三特有の世界である。前回『お化け長屋』を聞いたときは長屋の情景描写が希薄と感じたが、今回はしっかりと描写していて言うことなしであった。

柳家花緑は「祖父が永谷園のCMでお金儲けしてしまったので、私は祖父のように貧乏噺はできないけど、若旦那の噺なら祖父よりは上」と。ということで、自宅の二階に吉原を作ってしまうという『二階ぞめき』を熱演。落語界には二世三世が何人もいるが、彼も御多分に洩れず「親の七光り」的に脚光を浴びてきた。だた、それを徐々に脱却しつつある。スマートでありながらも泥臭さも身につけつつあるような気がした。今後の高座での活躍を大いに期待したい。

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