木曜日, 5月 10, 2018

柳家ほたる & 春風亭正太郎@第26回チェロキー寄席

昨日(9日)は学芸大学「Cherokee LIVE TAVERN」で柳家ほたると春風亭正太郎出演の「チェロキー寄席」を聞いてきた。

落語家というのは多彩な趣味(もしくは芸)を持つ人がいる。なかでも音楽や踊りを得意とする人は多い。また今回出演の2人のように絵を得意とする人もいる。柳家ほたるは猫の絵を、そして春風亭正太郎は似顔絵を得意とする。その意味において今回の二人会は「画伯の会」もしくは「絵師の会」でもある。w さて、演目は下記の通り。

柳家ほたる  『たらちね』
春風亭正太郎 『たがや』
 〜 仲入り 〜
春風亭正太郎 『看板のピン』
柳家ほたる  『幾代餅』

1席目。マクラは師匠(柳家権太楼)と一緒に行った熊本での出囃子の曲を間違えるという気のきいた(?)おばちゃんの話。「たらちね」は長屋の八五郎と言葉使いが馬鹿丁寧なお清との珍問答を繰り返すという噺だが、柳家ほたるはこれをほとんど淀みもなく語る。ただ、八五郎に比べてお清のインパクトが薄い。もっともっと大袈裟に表現してもいいのかもしれない。

2席目。両国の川開きの日(5月28日)に両国橋の上で、たがや(桶や樽などを竹で絞めるロープのようなものを売る商売)と侍の一行の経緯を描く話。基本的に町人が武士を揶揄する話。春風亭正太郎は情景描写が上手い。川開きでごった返す両国橋の情景というか状況を上手く語る。ただ、逆にたがやが侍を討ち果たす描写が少し生々しく滑稽さがない。これではオチに面白みがでない。難しい落語である。

3席目。「看板のピン」は博打の話である。オチが聞いている人にも想像がつくという話なので、いかに独自の話術で話を進めていくかという落語である。春風亭正太郎は軽妙かつスマートに話を展開していく。ただ、壺振りのシーンをもっと誇張した方がオチに面白みが出るような・・・。

4席目。「幾代餅」は個人的には大好きな演目。つき米屋(精米店)の奉公人清蔵が吉原の花魁・幾代太夫を娶るという、ある意味夢物語のような廓噺。清蔵の実直ぶりと花魁の艶かさの対比をいかに描くかで話の良し悪しが決まる。柳家ほたるはその風貌からして、清蔵の実直ぶりは無難にこなすが、幾代太夫の吉原にいる悲哀というか憂愁が今ひとつ。これを克服すれば、十八番にできるのではないだろうか。

それにしても、今回の会は長かった。仲入りまでに1時間10分あった。普通の落語会なら普通だが、チェロキーだと長く感じてしまう。というのも、木の椅子に長時間直接座るとお尻が痛くなる。せめて座布団もしくは小さなクッションが欲しい。

さて、次回(6月13日)のチェロキー寄席は入船亭小辰と入舟辰之助の「扇辰弟子の会」。東急東横線沿線でお時間のある方は是非とも足を運んでみてください。

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