先週の水曜(20日)は銀座ブロッサムで開かれた「如月の三枚看板 喬太郎 + 文蔵 + 扇辰」を聞いてきた。この会も今年で10年目。チケットは完売。
橘家門朗 『道灌』
柳家喬太郎 『次郎長外伝・小政の生い立ち』
入船亭扇辰 『一眼国』
〜 仲入り 〜
橘家文蔵 『ねずみ穴』
開口一番の橘家門朗は橘家文蔵の弟子。滑舌もしっかりしているし、背筋もピンと張っていて話しっぷりも堂にいっている。しかし、登場するや否やマクラもなく自分の芸名すら名乗らず話し出すとはちと如何なものか。
柳家喬太郎の「小政の生い立ち」は講談ネタ。お伊勢参りの帰りに立ち寄った浜松で、次郎長と森の石松が後に小政となる子供の政吉に出会った時のエピソード。次郎長が「我々は『商売往来』にも載っていない稼業だ」というと政吉が「噺家」と答えたり、「清水は春風亭昇太の生まれたところがいけない」など軽いチャチャを入れながら、ほんの15分程度だが次郎長と政吉の話をじっくりと進めていく。なんか続編も聞きたくなるような話だった。
入船亭扇辰の『一眼国』は見世物小屋の香具師が珍しいものを探しに旅に出て、一つ目の少女を見つけて喜ぶがそこは一つ目ばかりの世界。江戸時代の見世物小屋のインチキさ加減を風刺したお話。
橘家文蔵は羽織をつけず登場。踊りでも披露するのかと思ったら、大ネタの『鼠穴』をスタートさせる。『鼠穴』は三文の元手から10年で大きな身代を築いた男の話。6代目三遊亭圓生、立川談志、柳家小三治らが得意としている。文左衛門から3代目文蔵を襲名して2年半。もはや強面の文左衛門でなくすっかりその名跡に恥じない実力の持ち主。あっぱれである。
ただ最後に苦言を一言。今回の終演時間は予定より10分早い20時50分。10年目の節目の年を期待していた客には少しあっさりしすぎていた。
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