
出石には永楽館という近畿地方に唯一残る芝居小屋がある。私が訪れたときは見た目は廃屋同然であったが、回り舞台、花道、奈落など昔ながらの舞台機能が全て残っていて、回り舞台のための奈落の木々もまだまだしっかりしていて、私は是非とも復元してほしいと思った。
その永楽館が一昨年より復旧工事が行われていて、今年の夏には終了して、8月に片岡愛之助主演による「永楽館柿落大歌舞伎」と題して「三番叟(さんばそう)」などが演じられる予定になっているという。

現在、日本には昔ながらの伝統的な木造建築による芝居小屋は20余り残っている。ただ、実際に劇場として使用されているところは、秋田県小坂町の康楽館、愛媛県内子町の内子座、福岡県飯塚市の嘉穂劇場、熊本県山鹿市の八千代座などその数は10とないだろう。永楽館が復元されると、年間100万人以上が訪れるという観光地・出石にとって、新たな観光名所が誕生する上、芝居興行のたびに数多くの人が訪れるに違いない。そして、現代劇、大衆演劇、落語、能&狂言などに使われて、新たなる文化基盤として発展してもらいたいと願うばかりである。
写真上:道に面した太鼓櫓からは興行があるときには太鼓を鳴らした
下:廃屋同然だった2000年当時の内部
出石の永楽館
http://www.city.toyooka.lg.jp/eirakukan/index.html
近畿最古の芝居小屋 「復原」大詰めへ(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000837831.shtml
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