金曜日, 3月 14, 2008

出石の永楽館が今夏柿おとし

兵庫県出石町(現在は豊岡市出石)を訪れたのは2000年春のことだったが、出石城の隅櫓を見事な桜が彩っていた。出石は江戸時代に五万八千石の城下町として栄え、いまでも悠久の流れと情緒あふれる町並みが並び「但馬の小京都」と言われている。

出石には永楽館という近畿地方に唯一残る芝居小屋がある。私が訪れたときは見た目は廃屋同然であったが、回り舞台、花道、奈落など昔ながらの舞台機能が全て残っていて、回り舞台のための奈落の木々もまだまだしっかりしていて、私は是非とも復元してほしいと思った。

その永楽館が一昨年より復旧工事が行われていて、今年の夏には終了して、8月に片岡愛之助主演による「永楽館柿落大歌舞伎」と題して「三番叟(さんばそう)」などが演じられる予定になっているという。

永楽館は1901年(明治34年)に建てられ、当初は歌舞伎を主体に剣劇、新派劇などの芝居興行が行われた。大正時代に入ると活動写真も上映されるようになり、昭和初期にはレビュー公演も行われ、地元の人々の娯楽の場として親しまれていた。しかしながら、テレビの普及や人口流出で観客が減少して、 1963年頃に閉じられたという。永楽館という名は出石城主・仙石氏の家紋「永楽銭」にちなんで名付けられた。

現在、日本には昔ながらの伝統的な木造建築による芝居小屋は20余り残っている。ただ、実際に劇場として使用されているところは、秋田県小坂町の康楽館、愛媛県内子町の内子座、福岡県飯塚市の嘉穂劇場、熊本県山鹿市の八千代座などその数は10とないだろう。永楽館が復元されると、年間100万人以上が訪れるという観光地・出石にとって、新たな観光名所が誕生する上、芝居興行のたびに数多くの人が訪れるに違いない。そして、現代劇、大衆演劇、落語、能&狂言などに使われて、新たなる文化基盤として発展してもらいたいと願うばかりである。

写真上:道に面した太鼓櫓からは興行があるときには太鼓を鳴らした
  下:廃屋同然だった2000年当時の内部

出石の永楽館
http://www.city.toyooka.lg.jp/eirakukan/index.html

近畿最古の芝居小屋 「復原」大詰めへ(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000837831.shtml

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匿名 さんのコメント...
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