火曜日, 4月 17, 2012

瓦礫の広域処理に反対な方はまず現地を訪れよう


瓦礫の広域処理の反対理由、それは最初は放射能拡散だった。それが次に利権絡みの反対(これは一理ある)、その後はなぜ瓦礫を広域処理しなければならないのか、なんでそんなに急いで処理しなけらばならないのか、なんで税金を使って瓦礫を運ぶのか、と変わっていった。こうなると、最初に反対ありきで理由はなんでもよくなっている。

そもそもこうした反対理由を高らかに述べる人たちのほとんどは、被災地の瓦礫の山を見ていないし、現地の状況を把握しているとは思えない。もちろん現地で線量測定もしていないだろう。そして、瓦礫が復興への足かせになっていることを知る由もない。ただ頭の中で京都の大文字焼き騒動による「東北=放射能」という固定概念が出来上がってしまい、あとはツイッターなどに蔓延する反対理由を盲目的に信じていくだけになってしまっていった。

たとえば、阪神大震災の瓦礫(約2,000万トン)がすべて兵庫県で処理されたというツイッターなどによる誤った情報に、多くの人が乗ってしまった。しかし、実際は兵庫県生活文化部環境局環境整備課(http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf)の報告書によれば、百数十万トンが広域処理されている。

また、反対している人たちは政府の言うことを信用しないと言うにもかかわらず、阪神大震災の瓦礫と東日本大震災の瓦礫の総数があまり変わりないという政府発表をそのまま鵜呑みにしている。東日本大震災の瓦礫は推計(東北3県で2,252.8万トン。岩手・宮城2県で2,044.6万トン)だが、今後も取り壊されるであろう建物や土台などの数字は入っていない。阪神大震災でも上記の報告書によれば、最初の推計は1,280万トンで、次の推計が1,800万トンだった。

いずれにしろ、テレビなどでは阪神大震災と東日本大震災を比較する人はいなくなったのに、まだまだ多くの人がこうした比較論でしか判断できない。もういいかげんに阪神大震災との比較は止めようではないか。

震災からすでに1年過ぎてしまったが、残念ながら瓦礫はまだまだ出る。そして、岩手・宮城の両県が広域処理をお願いしている瓦礫の量は約400万トンである。瓦礫の広域処理に反対の人はまずは現地の瓦礫の山を見てから発言しようではないか。瓦礫問題は会議室で起きてるんじゃない、現地で起きているのだから。そして、現地を訪れることは最大の被災地支援にもなるのだから。

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