日曜日, 4月 13, 2014

インターネットが宗教を脅かす?

アメリカのMIT Technology Reviewというサイトが「インターネットはアメリカの宗教を遠のけている」と題した記事を載せている。その内容は、1990年にはアメリカでは無宗教の人は約8%にすぎなかったのが、2010年には約18%にもなり、約2500万人が宗教に対して無関心になったという。そして、その最大の理由はこの20年間で増大したインターネットが無神論者を増やしたのではないかというのである。一方で、そうした相関関係は推測にすぎず、宗教とインターネットの因果関係を証明するものとは限らないという人もいると、書いている。

大変興味深い記事だ。確かにインターネットは実在空間とは異なる架空空間を作り、その場において人間関係を構築するようになってきた。その結果、これまであった媒体や媒介の存在が薄れていくなり崩れている。そして、宗教もその1つなのかもしれない。もともとアメリカでの宗教は家族の繋がり、地域の繋がりにほぼ必須の存在である。ところが、インターネットは同好の士や価値観の似た者同士の結びつきを強くするようになり、こうした過程において、家族や地域といった関係性を崩していった、としてもおかしくはない。それゆえに、宗教に無関心な人が増えたという可能性はあるように思える。

それでは、日本ではどうだろうか。相変わらず新興宗教をはじめとして宗教団体は強力で、高齢者や薄幸な人を中心に根強い結束力をもっている。しかし、日本でも若者の間では宗教は関心ごとから薄らいでいるのではないだろうか。日本にはアメリカのような調査があるかどうか知らないが、インターネットやスマホに夢中の若者がこのまま成長していくと、日本でも宗教に無関心の人が増えていく可能性がある。ただ、宗教に無関心だけならいいが、政治や社会生活まで無関心な無関心主義や事なかれ主義の人が増加するのだけは勘弁してもらい。

MIT Technology Review
http://www.technologyreview.com/view/526111/how-the-internet-is-taking-away-americas-religion/

インターネットは無神論者を増やす?
http://it.slashdot.jp/story/14/04/08/0225242/

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