火曜日, 6月 17, 2014

新国立競技場の骨子は有名無実だ

先月末に新国立競技場の完成予定の骨子が「国立競技場将来構想有識者会議」という有害無益な会議によって決まった。

 


写真を見ればわかるように、競技場の大きさは縮小された。写真左が最初のデザイン、右が今回発表されたデザイン。

概要は下記のようなものである(毎日新聞記事)

 ◆建物概要
 地上6階、地下2階の鉄骨造りで、延べ面積約21万平方メートル。スタンドは3層構造となる。建物の高さは昨年11月時点の案から天井部分のアーチの形状をなだらかにするなどして70メートルに抑えた。景観への配慮を求める建築家グループらの指摘を踏まえた変更で、森喜朗委員(元首相)は「関係者の違和感を緩和するため、きちんと説明していかなくてはならない」と、今後も柔軟な対応を求めた。

 ◆特徴
 臨場感を高めるためグラウンドにせり出す可動席をラグビーやサッカーで1万4774席、陸上で7668席設ける。収容人数はサッカー、ラグビーで8万137人、陸上で7万2634人。車いす席は120席だが一般席の取り外しで400席まで対応する。
 コンサートなどで利用できるように遮音性の高い開閉式屋根も設置。積雪の荷重対応で、電気ヒーターによる融雪装置を付ける。芝の育成のため南側の固定屋根部分5面に透過率70%の透明材を使用。日射量や通風を補うため芝生促成用照明、大型送風機も使う。

 ◆概算工事費
 本体整備約1388億円、周辺整備約237億円の計1625億円。別に解体費67億円がかかる。当初の総事業費は1300億円だったが、イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディド氏の壮大なデザインでは3000億円にも上る可能性が出て、昨年11月に立体通路などを縮小して費用を抑えた。ただ現在の試算は昨年7月時点の単価で、その後の建築資材の高騰や、消費税アップで更に上積みされる可能性もある。

ということである。

しかし、まだまだ問題点が解決されているとはとても思えない。可動席を設けても使われるのはオリンピックのサッカー決勝やラグビーのときだけではないかという懸念がある。つまり、その後のJリーグの試合などで、可動席にするにはお金がかかるとか言って使われないのではないだろうか。それではまったく宝のもちぐされになる。それでなくとも、サッカー、ラグビーで8万137人、陸上で7万2634人という収容人員の競技場が必要であろうか。

そして、工事費である。1625億円(別に解体費67億円)で本当に済むのであろうか。この予算は単なる見込み中の見込みでしかなく、決算のときにこれを大幅に超えたら、予算を作った人たちは責任をとって辞めるのだろうか。その点をはっきりしてくれ。加えて、維持費に年間どれぐらいかかるのかといった見積もだされていない。だいたい、この工事費を見積もった連中たちが誰なのかその名をしっかり公表してもらいたい。

ということで、この新国立競技場の骨子は虚礼虚文または空理空論なものでしかない。

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