『雲霧仁左衛門』は現在BS時代劇で放送中。原作は池波正太郎の同名小説で1972年から1974年にかけて「週刊新潮」に連載された。私はこれまで池波の『剣客商売』シリーズなどを読んでいたが、これはまだだったので、いい機会だと思って読んでみた。
上下巻1300頁余の長編。ただし、読み始めるとすぐに話に没入することができ、1週間で読み終えることができた。前編は雲霧一党が名古屋の薬問屋の金蔵を襲う話で、雲霧一党を主体に書かれている。一方、後編は名古屋で煮え湯を飲まされた火付盗賊改を主体に書かれている。
結末では雲霧仁左衛門の正体などが明かされるものの、尾張藩隠密と関口雄介の関係や、そもそも関口とはいかなる人物(テレビには出てこない)かなど謎も多く、仁左衛門の行方も明かされることはない。
このようにちょっと消化不良というか、完結することなく余韻を持たせて終わるのは小説の常道ではあるが、でもやはりその結論を知りたくなってしまう。しかしながら、池波正太郎は1990年に江戸に旅立ってしまった。
BS時代劇 雲霧仁左衛門2
http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/kumokiri2/index.html
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