木曜日, 2月 26, 2015

松竹は歌舞伎の興行形態を見直すべし

歌舞伎界の主役たちが相次いで若くして他界している。市川団十郎、中村勘三郎に続いて坂東三津五郎である。彼らとは別に病魔と闘っている人もいる。なぜこのように歌舞伎役者が疫病神と接しなければならないかといえば、それはひとえに過密スケジュールによるものというしかない。

歌舞伎の興行はたった1週間の稽古で、約3週間の休みなし興行が続く。看板俳優というか売れっ子俳優は昼の部も夜の部も演目を変えて掛け持ちで出演している。休むひまなどまったくない。加えて、公演中は後援者との交際もしなければならない。

こうした状況では少し体調が悪かろうが、舞台を穴にあけてはいけないという使命感から無理をしてしまう。これではストレスはどんどん溜まり、酒やタバコの量が増える。そして、悪循環で診察をうけたり人間ドックのような定期健診を受けることすらできない。

このような状況を作っているのは、すべて興行元である松竹の責任である。ただ、観客ももはや分からないでは済まされない問題ではないだろうか。私が以前関わっていた小劇場演劇でも1週間に1日は必ず休演日がある。タカラヅカにしても商業演劇にしても1週間に1日は休演日がある。なのに、松竹歌舞伎には休演日がない。

今後もこのような興行形態が続くようでは、また新たなる犠牲者が出現するだろう。松竹はこうした興行形態および役者の健康管理を改善しない限り、自らの首を自らで絞めることになる。

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