平日の午後1時から5時ぐらいまでは基本的にテレビを観ない。この時間帯にやっている番組がロクでもないワイドショーばかりということもあるが、ラヂオをつけっぱなしにしたりCDをかけたりして、本を読んだり、昼寝したり、細々なことをしたりしているからでもある。
そんな昨日の昼下がり、ラヂオから『快傑ハリマオ』のテーマソングが流れてきて、思わず口づさんでしまった。
♪まっかな太陽 燃えている
果てない南の 大空に
とどろきわたる 雄叫びは
正しい者に 味方する
ハリマオ ハリマオ ぼくらのハリマオ
1950年代後半から1960年代前半のテレビは夕方5時から午後7時台にかけては子供向け番組がいっぱい並んでいた。その走りを作ったのは『月光仮面』だと思う。ただ、その『月光仮面』は1958年から1960年までの放送で、その当時家にテレビのなかった私には観た記憶がほとんどない。しかし、1960年に家にテレビが来てからは子供向け番組を夢中になって観た。時代劇の『隠密剣士』『矢車剣之助』『紅孔雀』『琴姫七変化』『白馬童子』などは後に歴史少年となる私にとってはたまらないないものがあった。
そして、後に海外少年ならぬ海外青年になる私に影響を与えたのが『快傑ハリマオ』や『少年ケニヤ』『ナショナルキッド』などで、こちらも夕飯そっちのけで観ていた。
『快傑ハリマオ』は『月光仮面』などを制作した宣弘社が手がけ、1960年4月から翌1961年6月まで日本テレビで放送された。原作は石森章太郎が「少年マガジン」で連載していた。そのストーリーは東南アジアの独立運動を手助けするハリマオ(= モデルはマレーの虎と呼ばれた谷豊)が、東南アジアを支配するある国の機関やそれに関係する死の商人やスパイ団と戦うという冒険活劇だ。
私はなぜかこの『快傑ハリマオ』を夢中になって観た。馬やゾウに乗ったりするハリマオがカッコよく、火山地帯でのドンパチが面白くてならなかった。後にその火山地帯というのが伊豆大島と知ってしまった時は、少し愕然としたものの、シリーズ最後の方ではタイ、香港、アンコールワット(カンボジア)でも撮影を行い、私を海外に目を向けるキッカケにもなっていたのかもしれない。ちなみに、この海外ロケが日本のテレビ史上初だったとか。
それにしても、三橋美智也が歌う主題歌は軽やかにして美しい。この時代の少年向けテレビドラマの主題歌は『月光仮面』『少年ジェット』『ナショナルキッド』などいいものがいくつもあるが、私は『快傑ハリマオ』(作詞: 加藤省吾 作曲: 小川寛興)が最高傑作だと思っている。
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