昨日(26日)は横浜にぎわい座・のげシャーレで開かれた「第3回柳枝百貨店よこはま店」を聞きに行ってきた。横浜に落語を聞きに行くのは初めてだったが、その近さというか早さに少し驚き。最寄りの学芸大学から横浜までは自由が丘で特急に乗り換えで25分。そして、横浜で根岸線に乗り換えて、にぎわい座のある桜木町まで3分。乗り換え時間を加えてもトータルで35分で着いてしまった。これだと普段落語会が行われている日本橋界隈に行くのと時間的には大差がない。しかし、柳家喬太郎師匠ではないが、なんで東横線は桜木町へ行くのを止めてしまったのだ・・・ブツブツ。
で、出演者と演目は下記の通り。
春風亭柳枝 「もぐら泥」
春風亭柳枝 「佐々木政談」
〜 仲入り 〜
春風亭柳枝 「死神」
マクラは寄席で泥棒の噺をしたいのになぜか先に誰かに演られてしまってできない、と。今日はその鬱憤を晴らしたいということで「もぐら泥」へ。これはある店に入った間抜けな泥棒の噺だが、その形態の仕方や演じ方がかなり難しい。決して大ネタの噺ではないが、落語の醍醐味を十二分に味わえる噺でもある。そこを春風亭柳枝を軽妙かつおおらかに描写する。冒頭から熱演だった。
マクラは春風亭一蔵・柳亭市弥・入船亭小辰の「三人集」でも出てきた甲子園球場での話。とにかく柳亭市弥の酔っぱらい度が凄いらしい。ここから先は市弥の名誉のために書かないが、一緒に行ったみなさんは落語会のマクラでどんどん話していただきたい。(笑)「佐々木政談」はお奉行ごっこ、白洲ごっこをしていた子供と南町奉行佐々木信濃守の噺。特に奉行と子供(四郎吉)との掛け合いが面白い。春風亭柳枝はこの掛け合いをかなり丁寧かつ上品に伝えるが、情景描写にもう一つ手を加えてほしい気がした。
マクラはある外国人俳優が日本で厄祓いを受けたという話と、厄年になった自分も川崎大師で厄除けをしたが、川崎大師ともなると「次は何番の方」と目まぐるしいと。「死神」は三遊亭圓朝の作品で漫画「落語心中」でも大きく取り上げらえた。この噺、演者によってかなり異なる。柳家喬太郎のように少し怖い話にする人もいれば、桃月庵白酒のように完全な笑い話にする人もいる。演者の舌先三寸、いや胸先三寸である。で、春風亭柳枝はというと、後半にちょっと演出を加えるなど怖い話仕立て。この演出はかなりシンプルなので、私のような演劇畑上がりにはもの足りない。ただ落語なのであんまり派手にやるわけにはいかないので、そのへんの匙加減は大変だと思う。しかし、今はほとんどやらなくなった芝居噺仕立てになったら、どうなるなんだろうかと思ってしまう。なお、お決まりの呪文「アジャラカモクレン、○○○○、テケレッツのパー」はマクラで述べた外国人俳優の名が入った。
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