日曜日, 8月 28, 2022

飯岡、銚子、佐原の旅(その2)

佐原には20年以上前に俳優の榎木孝明さんと雑誌『旅』の仕事で行った。その当時は佐原を訪れる観光客といえば夏と秋に行われる佐原大祭ぐらいで、観光地としてはまだ穴場的なスポットであった。ところが、今回行ってみて町の様相はかなり一変していた。なんというか、洗練された観光地となっていたのである。

佐原といえばなんといっても伊能忠敬であるが、この20年以上の間に伊能忠敬に関連する映画やドラマが何本も公開された。またフィルムコミッション活動も盛んで、佐原周辺で撮影された映画、ドラマ、CMなどは数限りない。こうしたこともあり、佐原を訪れる観光客は年々増加していき、コロナ以前の2019年には埼玉の川越と並ぶぐらい「小江戸」観光地として人気を博するようになった。

では、なぜ佐原がここまで人気を博すようになったかといえば、それは若者に媚びなかったからであろう。川越には申し訳ないが、佐原にはクレープのような若者ウケするような食べ物屋がほとんどない。こうしたことによって街並みの景観は崩れることなく、今でもしっとりしている。それでも、以前に比べて多くのお店が店頭に幟や旗を出しているのには少々辟易した。

その佐原では20年前は行くことができなかった伊能忠敬旧宅と記念館を見学した。旧宅は名主だったという伊能家にしてはこぢんまりとした佇まいだった。そして、記念館はさほど大きいとはいえないが、伊能忠敬が幕府天文方の高橋至時(よしとき)に弟子入りした経緯や、蝦夷測量へ旅立ったことなどが詳しく展示されている。そして、もちろん忠敬らが作った日本地図の中図や小図などが展示されていて、歴史マニアだけでなく天文・地理・地学好きにはたまらない。やはり、佐原を訪れたならば、ここは絶対に訪れるべき場所である。20年の時を経て訪ねた甲斐があった。




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