昨日(19日)は国立演芸場で開かれた《噺小屋》卯月の独り看板「桂吉弥」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。
春風亭いっ休 「やかん」
桂 吉弥 「仔猫」
〜 仲入り 〜
桂 吉弥 「たちきり」
春風亭いっ休は春風亭一之輔の3番弟子。前日も一之輔の4番弟子が前座だった。一之輔の弟子はみんな売れっ子で上手い。なおいっ休は11月からは二ツ目に昇進。
桂吉弥はかなり派手な蛍光うす緑の着物で登場。いきなり「笑点のメンバーを狙っているわけではありません」と語る。さて、初めて聞く「仔猫」。タイトルは可愛いが、話の内容はどんでん返しでかなりキワドイ。少なくとも猫好きにはおすすめできない。う〜ん、小猫から猫八を襲名した江戸家猫八もこの噺は苦手であろう。
「たちきり」は上方落語の傑作。100日間蔵に押し込まれた若旦那が、出所後に行ったのは好きな小糸がいる置屋。しかし、小糸はすでにこの世にはいない。若旦那は位牌と三味線に手を合わると、若旦那が好きな地唄の「雪」が流れてくる。この歌声と三味線(恩田えり)が侘しく切ない。東京でもこの落語を演じる人は多いが、やはりこれは船場を舞台にした上方落語の方がいい。桂米朝、桂吉朝の直系である桂吉弥はそれを見事に継承しているのではないだろうか。
最後は少し余談になるが、昨年の公演も前座&鳴り物が春風亭いっ休と入船亭遊京という京大出身コンビで、三味線が恩田えり社中だった。今回は恩田えりの三味線だけでなく、出囃子の笛と太鼓も素晴らしかった。特に笛は玄人はだしで秀逸。誰?
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