水曜日, 4月 19, 2023

春風亭一花勉強会「一花繚乱」(三枚起請の巻)

昨日(9日)は赤坂会館で開かれた春風亭一花の「一花繚乱」を聞きに行ってきた。演目は下記の通り。

春風亭貫いち 「ZIN-仁」
春風亭一花  「馬大家」
春風亭一花  「三枚起請」
 〜 仲入り 〜
春風亭一花  「大工調べ」

前座の春風亭貫いちは春風亭一之輔の4番弟子。彼を初めて聞いたのは2年前の春風亭柳枝の「芝浜落語会」だったが、その時に余りの上手さに驚いたが、今回は新作落語(それも2回目とか)を引っ提げて熱演。噺の筋みちはとても分かりやすいのだが、ちょっとドラマ「JIN-仁」に頼りすぎかな。それでも起承転結 + αはしっかりしているので創作力は十二分に持っている。将来有望な噺家だ。

「馬大家」は初めて聞く。午年生まれの大家が午年の店子ばかり集める長屋に、午年生まれの男が借家を借りにきた。そして、二人は馬と午に纏わる話を始める・・・。途中しっかり自分の旦那である金原亭馬久の名も入れる。私も午年生まれなのでこの長屋に住めそうだ。(笑)

「三枚起請」は吉原の花魁が3人の男に起請文を渡すという、騙す女も悪ければ騙される男も悪いというお話。この噺、3人の騙される男の特徴を色分けるのが難しいのだが、春風亭一花はそれを無難に演じ分けて、最後には花魁の啖呵を切らせるところまで、勢いよくしっかりと聞かせていく。ネタ下ろしとは思えないほど充実していた。

一花は浅草橋出身で師匠は江戸弁に精通する春風亭一朝ということもあり、気風のいい噺を演じると見事にはまる。「大工調べ」はまさにそんな噺である。申し訳ないが一花にはあまり色気のない噺の方が似合っているのではないだろうか・・・。m(_ _)m



金曜日, 4月 07, 2023

ここは何処? 日本語より英語を喋っている方が多かった

3日(月)から2泊3日の箱根旅行を楽しんできましたが、とにかく驚いたのが外国人観光客の多さでした。その多さ、宿泊した山のホテル(3月の外国人宿泊数は過去最高を記録したらしい)では5割以上が外国人観光客。駒ヶ岳ロープウェイでは7割ぐらい。遊覧船にいたっては日本人は乗っているの?と思うぐらいの数で、船内は英語、ドイツ語、フランス語、タイ語、中国語(台湾)、韓国語が飛び交わっていて、もはやここは何処という感じでした。

こうなると、私も日本人観光客だと思われなくなり、英語で話しかけられるようになり、箱根滞在中は日本語より英語を話している時間の方が長かったような気がします。そんな外国人観光客との会話の中でわかったのが、日本の物価の安さです。

山のホテルの宿泊費はかなりレベルの高い朝食と夕食付きで平日は1泊約40,000円ぐらいですが、これは約300ドルなります。この価格はインドからの人には「バーゲンだよ」と言われ、ロンドンから子供2人連れで訪れていた夫婦には「アンビリーバブルだよ」「ヨーロッパのリゾート地だったら宿泊費が500ドルで、あの食事がついたら最低でも朝食で50ドル、夕食で200ドルいやもっとかもしれない」と言っていました。また、遊覧船で会ったロサンゼルスから来ていた人は「朝1番の新幹線で芝のホテルから来たけど、電車もバスも時間通り。信じられない。こんなリゾート地を日帰りできるなんて」と驚きを禁じえなかった。

今、日本はお花見シーズンであり、円安および日本の物価安では外国人が訪れるのも当然のような気がします。つまり、外国人観光客に「日本を訪れるのはいつがいいですか」と聞けば、「今でしょ」と答えが返ってくるに違いないでしょう。



月曜日, 3月 13, 2023

侍ジャパンのダグアウト(ベンチ)に注目しています

WBC(ワールドベースボールクラシック)。予想通りというか予想以上に強い日本代表(侍ジャパン)。テレビや新聞、ネットではいろいろな話題が出ていますが、私が注目しているのはダグアウト(ベンチ)での侍ジャパンの首脳陣の立ち位置。

日本が攻撃のときは栗山監督のだいたい右横には肩にマイクを掛けている城石コーチ(内野守備・走塁兼作戦担当)が、左横には村田バッテリーコーチもしくは吉村打撃コーチが立っている(共にジャイアンツ出身)。一方で、守備の時は左に白井ヘッドコーチ(攻撃時は3塁コーチ)、右に吉井ピッチングコーチが立っている。

このコーチ陣、栗山監督ともちろん縁のある人ばかり。特に白井ヘッドコーチと城石コーチは日本ハムの監督時代の名参謀と打撃コーチという間柄。吉井ピッチングコーチ(千葉ロッテ監督)も日本ハムで3年間コーチを務めていた。ブルペンの厚澤コーチも日本ハム時代の投手およびベンチコーチだった。あと1塁コーチも務める清水コーチ(外野守備・走塁)は栗山監督と直接の接点はないが、長く日本代表のコーチを務めていて国際大会に詳しい。

このように栗山監督はこうしたコーチ陣とうまくコミュニケーションしながら、試合を指揮している。

日刊スポーツより


月曜日, 3月 06, 2023

長崎・小倉旅行(明太子の巻)

長崎・小倉旅行の話もおそらくこれが最後。その最後を飾るのにふさわしいのはやはりお土産のことではないでしょうか。(笑)

長崎のお土産といったら、何が思い浮かぶでしょうか。やはりカステラでしょう。しかし、私の知り合いに甘党はまったくいないので長崎ではお土産を買い求めしませんでした。では、小倉ではとなると、今は「焼生ショコラ」が人気のようなのですが、これもほしそうな人がいないので、結局のところ小倉競馬で勝った資金で北九州空港で明太子を購入しました。

東京で明太子というと『ふくや』『やまや』『福さ屋』『かねふく』あたりが有名で手に入り易いのですね。そんななかで、私は九州へ行くといつも昆布漬けされた『かば田』を買ってきます。今は小田急線・経堂に直営店ができたので、小田急線沿線の方には馴染みがあるかもしれませんが、それ以外の地域では『かば田』はまだまだ知名度の低い明太子だと思います。


『かば田』の明太子は、昆布漬けされているのでほんのり甘い香りが漂いますが、味は深みがあるというかコクがあり、酒飲みにはたまらない一品です。もし手に入れるチャンスがあればぜひお買い求めください。

なお「博多辛子明太子の名店ランキングTOP15を地元民がガチまとめ【保存版】」というサイトのランキングでは『かば田』は3位になっています。15店は下記の通り。

1位 『島本』
2位 『福さ屋』
3位 『かば田』
4位 『ふくや』
5位 『やまや』
6位 『福太郎』
7位 『稚加榮』
8位 『まるきた水産』
9位 『あき乃家』
10位 『かねふく』
11位 『ひろしょう』
12位 『やますえ』
13位 『平塚明太子』
14位 『博多うち川』
15位 『鳴海屋』


金曜日, 3月 03, 2023

長崎・小倉旅行(西九州新幹線の巻)

今回の旅の目的の一つに長崎から小倉まで、西九州新幹線(長崎新幹線)、リレー号、九州新幹線に乗ることだった。まず長崎から「かもめ号」に乗ったが、これはさすがに新しいこともあり、揺れもほとんどなく非常に快適。あっという間に武雄温泉に着いてしまった。次のリレー号はもちろん在来線を走るためにガタンゴトンガタンゴトンで、吉野ヶ里遺跡など佐賀平野の景色を見ながら駅弁を食べた。続いて新鳥栖から小倉までは九州・山陽新幹線の「さくら号」に乗るが、こちらは普通の新幹線という感じで、100%近い乗車率で正直味気がなかった。

さて、そんな新幹線に乗って思ったのが「佐賀人が歩いた後はペンペン草も生えない」という言葉である。長崎を訪れていて驚いたのはこの「佐賀人が歩いた後はペンペン草も生えない」という言葉を3回も聞いたことです。

関東にも「甲州商人の通ったあとはペンペン草も生えない」なんて言葉があります。これは山梨県人のケチやセコさを表現している言葉といわれていて、実際に金銭トラブルが多いのは統計的には山梨県人だそうです。しかし、佐賀はそんなに金銭トラブルはさほどない。

それではなぜ「佐賀人が歩いた後はペンペン草も生えない」という言葉が長崎で多く聞かれたかとういうと、どうやら佐賀(鍋島藩)は江戸時代から倹約を奨励していた藩で、それが長崎や諫早など鍋島藩に知行を治められたところでは「鍋島藩士が通った所にはペンペン草も生えない」という揶揄する言葉に変わったようだ。

ただ、西九州新幹線に乗ってみて、なぜ佐賀は頑なに(頑として)西九州新幹線を通ることを拒絶しているのか目の当たりにすると、佐賀県人はやはりケチであり「ペンペン草しか生えない」と言われても仕方がないなと思ってしまった。ちなみに西九州新幹線の武雄温泉駅と嬉野温泉駅、そして九州新幹線の新鳥栖駅は佐賀県にあります。



木曜日, 3月 02, 2023

長崎・小倉旅行(おこぜ「小笠原」の巻)

長崎グルメといえばなんといっても長崎ちゃんぽんだが、そんなちゃんぽんにも目もくれず、私が楽しみにしていたのはおこぜ🐡。おこぜは水深200メートルぐらいに住む魚で、成魚は約25センチの大きさになる。見た目は決して良くはなく、またせびれには毒がある。

おこぜは深海に住む魚ゆえ、おこぜだけを狙う漁というのはなく、定置網、底延縄などで漁獲されたものが、漁港に水上げされ、市場に出るようになる。生息地域は全国どこにでもいるが、特に日本海側でよく獲れ、青森、新潟、石川、長崎が漁獲量が多いという。ただ、時期はマチマチで長崎は2〜3月が一番獲れるが、青森は5〜7月にかけてのようだ。

そんなおこぜの世界で唯一の専門料理店というのが長崎思案橋横丁にある「小笠原」。聞くところによると親子3代55年の歴史(創業1968年)があり、大女将が小倉出身ということで「小笠原」(江戸時代の小倉藩城主は代々小笠原家で、小笠原藩とも言われた)という店名がついているそうだ。また、店内には九州各藩の家紋が彩られている。

見た目はグロテスクなおこぜだが、白身は脂肪がほとんどなく、刺身、から揚げorてんぷら、吸い物、ちり鍋なども美味しい。今回は下記のフルコースをいただく。

・おこぜの胃袋のからすみ和え
・皮の湯引き
・から揚げ
・姿造り
・あら炊き
・おこぜの味噌汁とご飯

とにかくなにもかも旨い。身は少し弾力があり、歯応えというか口のなかの触感がたまらない。また、あら炊きの黒い部分にはコラーゲンがいっぱい付いていてお肌にいいに違いない。

ちゃんぽんもいいですがおこぜもいい。長崎を訪れた際はぜひ訪れてみてください。



火曜日, 2月 28, 2023

長崎・小倉旅行(小倉競馬場の巻)

小倉競馬場は小倉駅よりモノレールに乗って10分の所にあり、交通の便は非常にいい。もちろん、駐車スペースも広くとってあります。さて、そんな競馬場ですが、東京競馬場や中山競馬場よりは一回り小さくコンパクトにできていて、観戦がとてもしやすい。特にパドックは1階は馬や騎手に手が届くのではないかと思うぐらいの至近距離。また3階席からも双眼鏡などなくしっかり馬体を見ることができます。パドック重視の私にとっては嬉しい競馬場だ。


さて、昨年の札幌競馬場で馬連の万馬券を的中させた私は、今回も捕らぬ狸の皮算用で万馬券を目指して指定席とパドックを毎回往復して競馬に集中しました。その結果は下記の通りです。

第1レース 馬連(1,800円)的中
第2〜3レース 外れ
第4レース 買わず
第5レース 3連単(19,940円)的中
第6レース 3連単(20,150円)的中
第7〜9レース 外れ
第10レース 馬連(700円)的中
第11レース 外れ
阪神第11レース(阪急杯) 外れ

初っ端の第1レースを見事馬連を的中。その勢いにのって2レース、3レースと馬連で勝負しましたが外れ。4レースは障害レースでお昼を取るために休憩。そのおかげで5レースは馬をじっくり観察することができたので3連単で勝負することに。そして見事に的中。続く6レースは固い3連単と万馬券狙いの馬連で勝負するが、固い3連単の方が的中。7レースから9レースまではハズレるが口惜しかったのが8レース。馬連で3番人気のコパノパサディナから流すものの、13番人気の馬を買わず、馬連202倍の高配当を逃してしまいました。(T-T) その後は安い10レースを当てただけで、8レースのショックと疲れから緊張感の糸が切れてしまいました。

ということで、馬連の万馬券は取れませんでしたが、安い3連単の万馬券を2回取って、最終の収支は約17,000円のプラスでしたので、"良し"にしたいと思います。

月曜日, 2月 27, 2023

長崎・小倉旅行(軍艦島の巻)

昨夜遅く3泊4日の長崎・小倉旅行より無事帰宅。今回の旅は昨年行われた「ANAスーパーバリューセール」で片道7,000円の安い航空券で旅をするという下世話な志から始まりました。
で、選んだ目的地の長崎は訪れたことがなかった(佐世保はある)ことと、行きつけの飲み屋の大将とビールをある病院の主治医が長崎出身ということで、その恩を売る、もとい律儀を示すために選びました。というのは名目で、本当の目的は軍艦島上陸と日本で1軒しかない「おこぜのフルコース」を出す思案橋横丁のお店(なんとここの女将は小倉出身。なので「小笠原」という店名)を訪れることでした。 そして、小倉はいうまでもなく小倉競馬場を訪れることで、そこまでへ行く西九州新幹線、リレー号、九州新幹線を乗り継ぐというのも楽しみの一つでした。
天候は訪れた日の夜遅くと翌日の朝方までは小雨でしたが、午前9時出航の軍艦島ツアーは無事に決行。小雨が少し残っていたので、海は荒れているのかなあと思いましたが、長崎湾を出た外海も凪状態で、約45分後に無事に軍艦島に上陸できました。

 


軍艦島は本当の名前を端島(はしま)といい、これは江戸時代に長崎を治めていた鍋島藩の一番端っこにあった島から、その名がついたそうです。そして、明治から昭和にかけて三菱石炭鉱業が石炭の発掘坑のために人工島として拡大。1960年代には5200人余が小さな島に住み、幼稚園から中学校まである日本一の人口密度の高い場所でした。ちなみに、軍艦島の名の由来はその形状が戦艦土佐に似ているからと言われています。



そんな島も炭鉱の閉山と共に1974年に無人島になり、50年近く海風や台風などの影響により侵食され完全に廃墟と化しました。そんな軍艦島も2009年に一般人の上陸が可能となり、今では長崎観光の目玉になりました。現在、5社が軍艦島上陸ツアーを刊行して、最大で毎日2000人近い人が訪れているようです。

軍艦島は2015年に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼、造船、石炭産業~」の一部として正式登録されましたが、波止場近くの一部を修復するにとどめ、あとは自然のなすままにされ、今も侵食・廃墟化が進んでいます。長崎を訪れた際は是非とも訪れてみてください。



木曜日, 2月 23, 2023

林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」(紺屋高尾)

昨日(22日)は赤坂会館6階稽古場で開かれた林家つる子独演会「つる子の赤坂の夜は更けて」を聞きに行ってきた。演目は下記の通り。

林家つる子  「紺屋高尾」(染物職人・久蔵視点の古典版)
 ~ 仲入り ~
林家つる子  「紺屋高尾」(三浦屋の花魁・高尾太夫視点の新作版)

つる子は前半の古典版では紺屋を印象づける青系統の着物と羽織で登場。しかし、後半は黒に花(椿?)の絵が入った着物(羽織なし)で高座にあがる。

新作版の大雑把なストーリーはこんな感じ。吉原の三浦屋の女郎部屋で女郎同士のイザコザから女相撲が始まる。その行司を務めるのは珠喜(たまき)。珠喜は紺屋高尾と同じ日に三浦屋に入った同期で若い時は梅(高尾)と桜(珠喜)と呼ばれていた仲。高尾はお淑やかな花魁だが、珠喜は姉御肌の女郎(部屋持ち?)。さて、これ以降の話を詳しく書くのはちょっと野暮。とにかくこの2人を軸に女将、新入りのすみれ(禿?)、そして客の男たちなどを交えながら、ある物をキーポイントに悲劇と喜劇を対比させて展開していく。

噺は途中に色々な落語の登場人物を散りばめて娯楽性も取り入れ、お囃子も入り非常によく出来ている。ただ、厳しいことを書くようだが、今回は前半に古典を演じて、その流れにのっての後半の新作なので、まだ完全に独立した作品とはなっていない。今後はどれだけブラッシュアップして、おかみさん目線の「芝浜」同様に独立した作品にしていくかである。おかみさん目線の女性版「芝浜」も面白かったが、高尾太夫目線の女性版「紺屋高尾」も新鮮かつ面白い。今後もこうした女性目線の古典を再構築していくことは女性ファンの発掘にも繋がるし、新たな古典落語の道を開くことになるので楽しみでもある。



水曜日, 2月 15, 2023

林家正雀独演会「お富与三郎」@赤坂会館

昨日(14日)は赤坂会館で開かれた林家正雀の「林家正雀独演会」を聞きに行ってきた。林家正雀は1951年12月生まれ。71歳。林家彦六最後の弟子であり、師匠・彦六の怪談噺、芝居噺の継承者としても知られている。出演者と演目は下記の通り。


林家彦三   「ぞろぞろ」

林家正雀   「蝦蟇の油」

林家正雀   「質屋庫」

 ~ 仲入り ~

林家正雀   「お富与三郎~発端~」


林家彦三は林家正雀の弟子の二ツ目。寒さのせいかあまりにも少ない観客に驚いたのか、妙に緊張気味で、まるで稽古をしているかのようで、どこを見ているかのわからない落ち着いていない。それでも、坦々と太郎稲荷にまつわる逸話から髪結いの落ちまで持っていく。う~ん、上手いのかそうなのか判らない。


「蝦蟇の油」というと、時代劇によく登場する路上売りだが、落語ではその口上を聞かせるのと、酔った油売りが失態を演じるという滑稽噺。師匠の林家彦六が得意としていた噺でもあるので、正雀は澱みのない口上とオチを見事に演じる。完全に十八番にしている。


「質屋庫」(「質屋蔵」が正式名称かと)は質屋の蔵に出る楽しいお化け噺。「蝦蟇の油」が熱演だったせいか正雀はこちらは、ゆっくりじっくり聞かせるように話を進める。それはなんか弟子にお手本を聞かせているようにも思えた。


「お富与三郎」というと歌舞伎の演目として有名だが、本来は講釈師乾坤坊良斎の作品。それを講談では一立斎文車が、落語では初代古今亭志ん生が演じて評判を呼んで歌舞伎にもなったという。今回は木更津の親分赤間源左衛門の妾になった深川芸者だったお富と、訳あって木更津に来ていた伊豆屋の若旦那・与三郎の馴れ初めから、お富が入水し与三郎が江戸に送り返されるまでの序章部分。正雀は時折講談調の語り口を交えながらも、お富と与三郎をほのかな色気を交えながら演じていく。聞くうちにこれといった情景描写をすることもないのに、小さな漁村だった木更津の小さな目抜き通りや宿の様相が浮かんでくる。次回は4月6日(木)、楽しみである。