東京でも昭和30年代までは茅葺き屋根の家をみることができたが、今日では23区内でその姿を見ることは難しい。都会ではまさに絶滅状態となった茅葺き屋根の家だが、最近見直されているそうだ。といういのも、茅葺きは素材として夏は涼しく、冬は暖かいそうである。また、ヨーロッパで茅葺きが環境にやさしいと再評価され、オランダでは年間3000棟も新築の家が建てられているそうだ。しかし、茅葺きの屋根は耐久年数が30年から40年で、費用も屋根の大きさにもよるが400万から500万円と馬鹿にならない。
日本各地には重要文化財や登録有形文化財の茅葺きの家が数多くある。昔は農家の人や檀家の人たちが総出で葺き替えを行ったが、最近ではそういう光景も少なくなり、神社仏閣では業者に頼まざるをえない。しかしながら、後継者が育っていない。こうした必要性からシジミ漁業権と葦(よし)の刈り取りをしていた熊谷貞好氏は、会社組織することにより若者の雇用を可能にさせ、その技術を継承させるように試みている。日本の文化を守っていくにはこうした地道な努力をする人々が絶対に必要なのである。
熊谷産業
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