定かな記憶はないが、私の家にテレビが来たのは私が小学生になった年の1960年(昭和35年)だと思う。その前は、テレビというと隣の家に行って見ていた。それも夕御飯前までだから、記憶に残るテレビ番組といえば大相撲かプロ野球ぐらいしかない。
しかし、テレビが自宅に来てからは、私は夢中になって子供向け番組を見ていた。当時は「テレビを見ると目が悪くなる」とか「テレビを見るとバカになる」などと言われたが、私の両親はあまりこうしたことには口うるさくなく、寛大にテレビを見せてくれた。おかげさまで、現在に至るまで、当時のテレビ番組のタイトルや大まかなあらすじを憶えている。ということで、私が子供の頃、夢中になって見ていたテレビ番組を列記してみたい。
■ヒーロードラマベスト5
1 快傑ハリマオ(60年・日テレ)
2 ナショナルキッド(60年・テレ朝)
3 少年ケニヤ(61年・テレ朝)
4 少年ジェット(59年・フジ)
5 七色仮面(59年・テレ朝)
「真っ赤な太陽〜、燃えている〜♪」三橋美智也が歌う『快傑ハリマオ』は大好きだった。子供心に独立運動に頑張る姿に心が打たれていました。また『ナショナル・キッド』は哀愁とロマンに満ちていて、間違いなく後の『ウルトラマン』シリーズに多大な影響を与えたと思う。『月光仮面』は58年から59年なので、残念ながらリアルタイムでは見ることができなかった。ただ、後に再放送で見たが、さほど感動はしなかった。
■子供向け時代劇ベスト5
1 隠密剣士(62年・TBS)
2 紅孔雀(61年・テレ朝)
3 白馬童子(60年・テレ朝)
4 琴姫七変化(60年・日テレ)
5 矢車剣之助(60年・日テレ)
時代劇というとどうしても高齢者向けの番組になりがちな今日だが、その昔は子供向けの時代劇がいっぱいあり、そのおかげで、子供たちは風呂敷を頭巾にしてチャンバラごっこに明け暮れていた。今ではチャンバラごっこをする子供の姿を見ることはない。いったいいつの頃からなくなってしまったのだろうか。
■アニメベスト5
1 鉄腕アトム(63年・フジ)
2 スーパージェッター(65年・TBS)
3 エイトマン(63年・TBS)
4 オバケのQ太郎(65年・TBS)
5 狼少年ケン(63年・テレ朝)
日本初のアニメーションは『鉄腕アトム』だった。これだけは絶対欠かさず見ていた記憶がある。また、『スーパージェッター』にもかなりのめり込んでいた。この番組の脚本家は後にSF作家となる筒井康隆、眉村卓、辻真先、半村良、豊田有恒など錚々たるメンバーが執筆していた。なんという時代だったのだろうか。
■人形劇ベスト5
1 ひょっこりひょうたん島(64年・NHK)
2 サンダーバード(66年・NHK)
3 ブーフーウー(60年・NHK)
4 伊賀の影丸(63年・TBS)
5 チロリン村とくるみの木(56年・NHK)
『ひょっこりひょうたん島』はテレビ史に残る不朽の名作である。原作は井上ひさしと山元護久(この人は童話作家としても有名だったが43歳で急逝してしまった)の二人。前作の『チロリン村とくるみの木』がどちらかというとほのぼのとしていたのに対して、『ひょうたん島』は『十五少年漂流記』のように子供たちによる冒険活劇で、めちゃくちゃにワクワクした。いまでも人形劇をテレビでみると『ひょうたん島』を思い出してしまう。
■西部劇ベスト5
1 ララミー牧場(60年・テレ朝)
2 ローハイド(59年・テレ朝)
3 ライフルマン(60年・TBS)
4 名犬リンチンチン(56年・日テレ)
5 怪傑ゾロ(61年・日テレ)
1960年代は日本のテレビ局には製作能力があまりなかったので、アメリカのテレビドラマが数多く放送された。なかでも、西部劇は子供にも大人にも人気で、『ララミー牧場』に出演していたロバート・フラーが来日したときは、ヨン様なんかの比ではないぐらい空港にファンが押し寄せた。
■外国ドラマベスト5(西部劇を除く)
1 タイムトンネル(67年・NHK)
2 コンバット(62年・TBS)
3 宇宙家族ロビンゾン(66年・TBS)
4 逃亡者(64年・TBS)
5 スーパーマン(56年・TBS)
西部劇も好きではあったが歴史少年だった私をめちゃくちゃに虜にしたの『タイムトンネル』だった。この番組のおかげでタイタニック号の悲劇やリンカーン暗殺など数々の歴史的出来事を知ることになった。私が後にアメリカへ行く最初のキッカケはこの番組かもしれない。私は過去の番組のDVDとかビデオを買ったりしないが、もしこの番組のDVDが今でたら、間違いなく買うだろう。
■私が好きだった青春ドラマペスト5
1 青春とはなんだ(65年・日テレ)
2 若者たち(66年・フジ)
3 これが青春だ(66年・日テレ)
4 若い青春(61年・NHK)
5 おくさまは18歳(70年・TBS)
青春ドラマや青春群像劇は子供の頃からお気に入りだった。その代表作は『青春とはなんだ』と『若者たち』だった。『青春とはなんだ』はラグビーを通じて生徒と触れ合い、そして学校の闇と戦う教師を夏木陽介が熱演した。一方、『若者たち』は5人兄弟(田中邦衛、橋本功、山本圭、佐藤オリエ、松山政治)が貧乏ながらもひたむきに生きていく社会派ドラマでいつも熱い兄弟ケンカを食い入るように見ていた。
このように、私はかなりのテレビっ子だった・・・。
4 件のコメント:
西部劇で「ブロンコ・シャイアン」見てました。白人のブロンコとインディアンのシャイアンが毎週交互に主役を演じて、たまに二人が共演するんですよね。今のドラマで設定を借りても受けると思うけど。どこかのテレビ局やりませんか。
想さんへ
「ブロンコ・シャイアン」はあったことは憶えていますが、「ララミー牧場」などに夢中になっていたせいか、私はあまり見ていませんでした。主役が交互に代るという設定はおもしろいですよね。
二人主役ものでは「白馬の剣士」というドラマがありました。山城新吾と林真一郎の二人が毎週交互に主役。大人になってから、東映ポルノを見たら。林真一郎と山城新吾が情けないサラリーマンの役で出ていて、子供の頃の夢が無残に打ち砕かれましたね。その後、林真一郎は自殺。かつての大スターの晩年はさみしいものでした。
想さんへ
「白馬童子」は鮮明に憶えていますが、「白馬の剣士」は記憶にありません。話はめちゃくちゃ飛びますが、私の地元に風間浦の飲み屋ができました。今度一緒に飲みに行きましょう。
http://www.kazamaura.com/kaze/
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